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2010年08月28日(Sat)

ベスト・キッド 映画

MOVIXにて「ベストキッド」を観てきました。

いやー、この映画、今年最も観たかった映画のひとつ、なんですが、80年代にあった同名題の映画のリメイクです。元の作品は私も子どもの頃に観ましたが、なんともイナタイ作品で、割とトホホ系だった記憶があるのですが、この映画、結構黒人の間で人気があるんですね。虐げられた者が修行して強くなり最終的に勝利するといふ展開、熱心に空手を習ってゐたブラック・パンサー党のひとたち、黒人たちの間でのブルース・リーの圧倒的な人気、なんかを考へると、納得できる話でせう。
で、今回、主人公が黒人(原作は白人)!なんですねー。もう、きたきたー、って感じ。(ウィル・スミスとジェイダ・ピンケット・スミスの息子である)ジェイデン・スミス主演!ババーン!
しかも、そのお師匠さん役がジャッキー・チェン!さらに舞台が北京、ときたもんだから、観たいといふ気持ちは高まるばかり。言っておきますが、これは期待ではありません。もしかしたら結構つまらんかも、といふ気持ちも十分持ってゐたのです。しかし、仮令つまらなかったとしても、観たい、絶対に観たい!と思ってトモコやヤマネくんあたりと盛り上がり、マツヤマさんやハッシーなんかも巻き込んでワイワイ騒いだ末での鑑賞と相成ったのでした。

結果は、大満足。うん、面白いよ、これ。まづ、ジェイデン・スミスがいい!可愛いし、オシャレ。期待を上回る好演ぶりです。ジャッキー、パット・モリタの役をするには若過ぎるやろ!と、思はないでもないですが、ジャッキーはあまりにいつものジャッキーで、これも満足。といふか、ジャッキーのスタントチームが監修したアクションシーンが素晴らしくて、なによりそれが良かった。子ども達がやってゐるとはいへ、なんとも堂々たるアクションの数々でした。

お話は、原作に忠実・・・らしいんだけど、ほとんど原作覚えてないのでそこらはなんとも。が、黒人の子が中国に引っ越してきて、そこでカンフーやってる中国人の子どもたちに苛められ、それをカンフーを習ふ事によって跳ね返す、なんていい話ではないですか。まづ、満足。
しかし!気になる点もあったのです。

それはジャッキーのセリフに端的に現れてゐます。
「子どもは悪くない。教へてゐる大人が悪いんだ」
えー、これはですね、いじめっ子たちに悪いカンフーを教へてゐる大人が悪いんであって、いじめっ子たちは本当は悪くないんだ、といふ事です。そして実際、映画のラストでいじめっ子たちはジェイデンにやられると、いきなりジェイデンに友好的になって、ジャッキーに師弟の礼をとるのです。
いやー、ちょっと、気持ち悪いなー、これ。
そんな訳、ないだろ?カンフー習って、その技を使ってイジメやってる奴なんて、ろくな奴ぢゃないよ、実際。別に更正の可能性を否定する訳ではないけれど、そんな簡単なものではない。・・・いや、なんでこんな事に拘ってゐるかと言ひますと、ジャッキーにはこの様な“子どもは全員純真”“悪いのは全部育った環境”といふ考へに基づいた「香港国際警察」といふグロテスクな傑作を撮った前科があるからです。
(ま、今回の映画、別にジャッキーが撮った訳ではありませんが。)
さらにいふと、中国では、同様の考へに基づいた“文化大革命”なる愚行があったが故、一層気になるところです。うーむ。

考へ過ぎかな?いや、考へ過ぎるのが、面白いのです。

「ベストキッド2」も期待だ!

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