F☆ST LIFE [音楽]
H-TOWNのヒップホップが好きだなぁ、とシミジミ思ふ。
今年になってからのH-TOWNものは、あまり聴いてはゐないんだけれど、スリム・サグ「BOSS OF ALL BOSSES」とリル・キキ「Loved By Few + HATED BY MANY」といふ2大強力作があって、さすがH-TOWNは全く衰へず、と満腹&感心してゐたところに、ここにきて(個人的)本命がやってきました。
ポール・ウォールの「F☆ST LIFE」。これが、いい。やはり、いい。
H-TOWNヒップホップのキーワードのひとつは“シロップ”ですが、確かにまるでシロップがグツグツと煮え立ってゐる中からポール・ウォールが地獄の声を響かせながらゴゴゴー、と迫り上がってくる様な作品で、聴いてゐるこちらは粘りつくビートに絡みとられて、ズブズブとシロップ製の泥土の中に沈み込み、呪文&お経によって心身ともに縛られて身動きもままならない。しかし、それがたまらなく快感だ。といふ、涅槃の心地のアルバムに仕上がってゐます。全くいい湯です。
ところで、H-TOWNのヒップホップは“男の哀愁”みたいなものもキーワードになると思ふのですが、これはイナタク、クサいながらも非常にカッコいいものです。が、時として鼻につくのも事実。この“男の哀愁”感が、なぜかポール・ウォールは希薄な様な気がするのです。むろん、それっぽい曲はいくらでもやってゐるのですが、どこか乾いてゐる。醒めてゐる。白人だからかな?
今作も「Daddy W asn't Home」といふ、2pacな哀愁感満点な曲をやってゐるのですが、不思議と乾いてゐるのです。まぁ、2pacも相当乾いてましたが。
この特徴が、私にとってポール・ウォールを特別にしてゐます。
ドロドロズブズブの中にある乾いたもの。
それこそが“ソウル”ではないか。などと、今の私は考へてゐるのです。
あれれ、ビデオでみると(聴くと)、印象違ふなぁ。
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