非日常 [etc]
本日は五山の送り火です。
我々の引ッ越し先であるマンションの屋上から送り火が何個か見える、といふ事で、両親に妹、祖母に伯父、小母など親戚の人々が我々の新居にやつて来ました。う〜む、まだ全然片付いてゐないのに困つた。などと言ひながら、昨晩はほぼ徹夜で片付けをしてゐたといふ次第。
さて、送り火もチャッと見終へて、みなでリビングでコーヒーを飲みつつくつろぐ事になりました。コーヒーはもちろんオオヤコーヒー。BGMはビル・エヴァンスを小さめな音で。が、みんなは何となく落ち着かない様子です。
「うーん、なんか、非日常、ッて感じやなー」
非日常、ですか。なるほど。…あ、分かつた! テレビがないからだ。我が家にはテレビがないから、なんか変な、落ち着かない感じなんでせう。テレビの代はりにジャズが流れてるし。あとは…蛍光灯がないからかな。白熱灯のみだし、伯父さんたちには暗く感じるのかも。我々的には少々暗い方が落ち着くんだけれどね。ギンギンの蛍光灯は一寸…。
そのうち、小母さんが部屋に飾つてある写真(ポスター大)に注目してゐるのに気がつきました。それは、ロミナ・パワーのヌード写真。映画『マルキ・ド・サドのジュスティーヌ』の中のワンシーンです。むろん私とトモコのお気に入りだからこそ飾つてあるのですが、別にヌードと言つてもイヤラシいものではなく、セブンティーズがプンプンと匂ふ美しいモノクロ写真です。とはいへ、やはり小母さんにはヌード写真はマズかつたかな…と、私が考へてゐると、徐に小母さんが口を開きました。
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「はー、これ、トモコさん?」
い、いえ、違ひます、違ひます! いくら何でも、トモコのヌード写真を飾りませんよ。それこそ、真の非日常…。
みなさん、タクシーでお帰りになられました。
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