荷詰め [etc]
実を言ふと、私とトモコは引ッ越しをする事になりました。
10年ほど住んだ大宮(中京区)をあとにして、東山区へ。ま、これには色々と事情があるのですが、とりあへずは現在住んでゐる大宮の家を出なければならなくなつたのです。我々の借家は少々特殊でして、簡単にいふとある会社の敷地内に建つてゐる一軒家。毎日この会社の人たちと顔を合はす、といふ生活で、普通の人はこんな家は借りません。なので、一軒家なのに家賃が月額7万円といふ破格値だつたのです。とにかく荷物が多い(ほとんどが本とレコード)我々としては、様々な欠点を考慮に入れても、安くて広ければいい! といふ事でこの家を借りてゐたのです。
それが昨年、この会社がどこかに行つてしまひました。で、我々は広い敷地の中にポツンと何も考へずに暮らしてゐたのですが、ある朝起きると、我々の住んでゐる家の前に「好評分譲中!」といふ旗が翻つてゐる。な、なんだこれはー! と、大家さんに電話すると、次の更新日で出て行つてほしい、と言はれてしまつたのです。うわーィ。
それからも様々な事があつたのですが、くだくだしいので略します。で、なんとか転居先も決まり、引ッ越し業者も相見積もりをとつて決めました。引ッ越しコースはフルパック。荷詰めから引ッ越し、開封まで全てやつてくれる、といふコースです。我々の様に二人とも働いてゐて、荷物が半端なく多い人間にはこれしかあり得ない。で、今日がその“荷詰め”の日、といふ訳なのです。
全ての荷物を詰めてくれる、といふ事になつてゐますが、ホントに全ての荷物を詰める訳ではありません。言へばやつてくれるかもしれませんが、貴重品や下着類、丁寧に詰めたいものなどは、我々が詰める事になります。そんなこんなで、昨晩仕事から帰つてからほぼ徹夜で荷物を詰め、朝の9時過ぎ。引ッ越し業者の人たちが来ました。が……あれ? 二人? 確か四人で来るときいてゐたけど。
「いえ、今日は我々二人だけです」
さうなの? で、何時くらゐに終了予定?
「さうですね、18時くらゐには終へたいと思つてゐます」
ええー、それは無理ぢやないか。あ、段ボールは?
「一応、200箱持つてきました」
200? ダメダメ、その倍はないとダメだよ。ほんと、見積もり甘いなァ。
「とにかく、やらせていただきます!」
と、猛烈な勢いで箱詰めを始めました。私も溜息をついて、段ボールに本を詰めます。
「あ、お客さま、我々がやりますから」
いや、それでは終はらんだらう。眠くて死にさうだけど、手伝ふよ。
「はぁ、すみません…」
彼らはさすがにプロです。もの凄い勢ひで箱詰めをしていきます。とはいへ、詰めても詰めても荷物は減りません。汗を滴らせ、休みもとらずに、必死の形相で荷物を詰め続けるのですが、一向に荷物が減らない。終了予定時刻の18時になつても、半分も済んでません。やはり。
しかし、18時を過ぎる頃には助ッ人が四人やつてきました。これで俄然スピードがあがり、なんとか22時過ぎには一応作業を終える事ができました。
「それでは明日は8時に参ります!」
と言つて彼らは帰つていつたのですが、未だに貴重品、下着類、丁寧に詰めたいもの、などのプライベート品が山と残つてゐます。つまり我々の作業はまだ終はつてゐない、と。ここで最後の気力を振り絞つてオパールに電話しました。
「一寸、今日は行けさうにないから、しめといて〜」
そして箱詰めを続行したのですが、心身ともにボロボロ。とてつもなく緩慢な動作とヤケッパチな気持ちで箱詰めを続けるうち、いつしか私は気を失つてゐたのです……。
Comments
投稿者 じゅり : 2007年08月07日 14:02
ご無沙汰してます。
久しぶりにオパールページを見て仰天!
お引越しされたんですね。
お疲れさまでした!
新居の構築がまた大変ですね。
あの家に何度かお邪魔しましたね~
カベやら何やら凝ったことしてましたよね。
そうか、ウリに出されるのなら
勿体ないけど、仕方ないですね。
また近いうちにお店に行きます。
新居の話また聞かせてくださ~い。
投稿者 店主 : 2007年08月08日 16:23
じゅりさん こんにちは
さうなんです、引ッ越しをしてしまつたんですよ。
大宮の家には10年居たことになります。10年!・・・正にアッといふ間でした。
とはいふものの、さすがに10年居た家と別れるのは感慨深いものがありました。壁塗つたり、和紙貼つたり、色々とやりましたからね。
とにかく、御来店お待ちしてをります!
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