映画鼎談 [映画, ヤマネくん]
気がつけば年が押し詰まつてゐた。いつでも、気がつけば年が押し詰まつてゐたり、年が始まつてゐたり、年の真ん中だつたりする様な気がするが、それは別に不思議な事でもないのかもしれない。
それはとにかく、今年は映画鼎談をしないのであらうか。ババさんとヤマネくんと私の三人でその年の映画を振り返り、ベスト10を選出する、といふ毎年恒例の行事と化したあれである。いつも次の年の最初に、サイトに載ることになつてゐる。例年なら、もう行はれてゐなければならないのだが、今年は二人とも忙しいのか、店に来るどころか連絡さへない。一体、どうなつてゐるのか。
などと考へてゐたら、ヤマネくん来店。
「やー、お久しぶり! …ははは、実はノロにやられてたんですよ! もう体重が3.5キロも減つて大変です! さらに仕事が忙しくて、全くオパールに来る事ができませんでした! スミマッセン!」
うーん、病気の上に仕事が忙しかつたんなら仕方ないなァ。
「ははは、さうなんですよ! で、今年は映画鼎談しないんですか?」
うん、私もそれを考へてたんだけれど…ババさんがねェ。
「忙しいんですか? でも、一応やつた方がいいんぢやないですか。毎年恒例ですし」
うむ、全国10万人の“鼎談ファン”も居るだらうしな。
「ええー! そんなに居るんですか!」
いや、100人くらゐかもしれない。
「なんですか、それは! 差があり過ぎですよ!」
などと話してゐたら、ババさん来店。
「ハッハッハ! いやー、実は怪我をしたんですよ。さらに仕事が忙しくてどうにも身動きがとれません。…どうも御無沙汰でした!」
うーん、怪我の上に仕事が忙しかつたんなら仕方がないですね。…ところで、今もヤマネくんと話してたんですけど、今年は映画鼎談やらないんですか?
「あー、映画鼎談ね。そんなもの、あつたなァ…。なんか、マンネリ化してきましたね。今更やつても、なぁ。どう、ヤマネくん?」
「ええ、実はボク、今年はガクンと映画を観る本数が減つたんですよ。例年の四分の一くらゐ。ま、結婚したといふのが大きいんですが。…んー、やはり、映画を観る本数を減らしたかつたら、結婚すべきですね! ババさん!」
「ボクは別に減らす気はないけどね。…今年は300本いかなかつたな。やはり仕事が忙しかつたし。どうしても齢を重ねると、仕事が忙しくなるな。ヤマネくんもさうだらう?」
「ええ、さすがに、そろそろ仕事が忙しくならないとマズいでせう。年齢的に」
ううむ、年々暇になるオパール的には胸に刺さる台詞だな。でも、私も今年は観た本数が少なかつた。なんと17本! 今までで最低ぢやないかな。
「なるほど。と、いふ訳で、今年は映画鼎談やるの無理ですね」
「さうさう、病気に怪我、さらに仕事が忙しくて、鼎談やつてる時間がなかつた、といふ事で」
いや…そんなの、今やればいいぢやないですか、鼎談。丁度、三人揃つたんだし。
「ええー!」
「ガーン!!!」
ガーン、て…。
と、まァ、こんな感じでなんとか鼎談は行はれました。来年の元日には載る、はずです。乞ふ、御期待〜。
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