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2006年10月20日(Fri)

引用日記 人間的 読書・文学

「人間的であることの本質とは、完全さを求めないことであり、ときには信義のために実際に進んで罪を犯そうとすることであり、親しい交友を不可能にしてしまうほど禁欲主義を推し進めたりしないことであり、個々の他人に対して愛情を注いだ当然の代償として、ついには人生に敗れて破滅する覚悟を持っていることなのだ」

水晶の精神—オーウェル評論集〈2〉
ジョージ オーウェル 川端 康雄 George Orwell
平凡社
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「ガンジーについての感想」ジョージ・オーウェル(平凡社ライブラリー「水晶の精神 オーウェル評論集2」収容)

 ジョージ・オーウェルの、ヒューマニストとしての面目が躍如とする文章。ヒューマニズムといへば、普通薄甘〜い、偽善的な感じがする言葉ですが、ことオーウェルに関しては、そんな事はない。それはオーウェルが「ほとんどの人間が自分の生活を相当楽しんではいるが、しかし差引き勘定をすれば人生は苦しみである。そう思わないのは、よほど若い人間か、よほど馬鹿な人間である」といふ厳しい現実認識を持つてゐたからであり、それでゐて、誠実に愚直に人生を戦ひ抜いたからである。

「ヒューマニズムの態度というのは、戦いを続けるほかないのであり、死とは生の支払うべき代償だということである」

 リバタリTシャツと共に、もつとオーウェルが読まれればいいな、と思ふのでした。

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