引用日記3 オーガズム ［読書・文学］
「真のオーガズムを体験すると、人は変わる。地球上の人々がみんなオーガズムを体験すれば、今より世の中はずいぶん住みやすくなるはずだと、私は真剣に考えている。」
『プラトニックアニマル』
ライヒ的だなー。と、思つたのを覚えてゐます。代々木忠に言はせると、オーガズムを迎へる時に「死ぬ、死ぬ」と叫ぶのは、文字通りエゴが死ぬのださうです。つまり、エゴが強いと人間は真のオーガズムを体験できない。だからエゴを取払ひませう、といふ話で、エゴがなくなれば世の中住みやすくなるよなー、といふお話。なるほどね。
で、AV監督として多くの人々のセックスを観て・研究してきた代々木忠の感じでは、ほとんどの人はオーガズムを体験してないさうです。男も、です。射精はオーガズムぢやないさうです。要するに現代人はエゴが強過ぎる。D・H・ロレンスは『現代人は愛しうるか』といふ本で、現代人はエゴが強過ぎて愛し合へない、と書いてましたが、ま、同じですね。エゴが強過ぎて、愛し合へない、オーガズムも体験できない。偽の快楽ばかりで、真の快楽を知らないから、人間が貧しくなる。世の中もギスギスする、と。
しかしだからと言つて、ヒッピー的な快楽主義は問題でせう。あれはフェイクな快楽です。フリーセックスとかドラッグとか。インスタントカーマはワックですよ。所詮、偽物。でも、世の中は未だその延長線上にあるよなァ。
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