大川クルーズ/マジカル・ガール [etc]
4月1日~4月9日
大川クルーズ
お義母さんをお花見に連れていかう、といふ事になり、大阪の“大川さくらクルーズ”に行ってきました。これは大川を舟に乗って周遊し、岸辺に咲いた櫻を愛でよう、といったものです。
しかし・・・平日とはいへ結構たくさんの人が居て、30分ぐらゐ並ばされました。まぁ、ちゃうど今が櫻は満開で、天気も良かった、といふのもあるのでせうが、なにより並んでゐる人の半数以上が外国人観光客、といふのが大きな要因でせう。京都も今はもの凄い事になってゐますが、大阪も凄いんですね。オパールも、今は来店する半数以上のお客さんが外国人、といふ状態になってゐますよ。その外国人の方自身が「人が多過ぎてクレイジーだ」と言ってるくらゐですからね。うーむ。
舟って気持ちがいいですね。特に橋の下を通る時なんかがいい。それと、何故か岸辺の人が手を振ってくるのが面白い。こちらも手を振り返したりして。でも、あれってどういふ意味なんだろ。まぁ、挨拶なんだらうけど。外国の方(インド系)が、その岸辺の手を振ってる人たちに向かって、ずっと「GOOD BYE ! GOOD BYE!」と言ひながら手を振り返してゐましたが、それはちょっと違ふ様な・・・。なんか冥界に向かってる気分になりました。
お義母さんを梅田駅まで送ったあと、かっぱ横丁の古本屋街で本を漁ってゐたら、外国の方が大声でスモーキーの『クルージン』を朗々と歌ひながら通り過ぎて行きました。なんだ?スモーキー・・・ってか、ディアンジェロか?つーか、大川さくらクルージン?
前から欲しかったポール・ド・マンの『美学イデオロギー』と塚本邦夫の『殘花遺珠』を購入。今日はいい日であった。
マジカル・ガール
シネリーブル梅田で「マジカル・ガール」を観ました。スペインのカルロス・ベルムトといふ監督のデビュー作で、前評判がとても高かった映画です。だから、私もとても期待して観に行ったのですが・・・なんだこれは?これ、そんなにいいか?私はどっちかといふと、かな~り脱力いたしましたー。
アリシアといふ白血病で今にも死にさうな12歳の女の子が居まして、この子がなんと日本の魔法少女もののアニメのファン。で、その『魔法少女ユキコ』の衣装を欲しがってゐる訳ですが、これがえらく高い代物で、それをなんとか娘のために手に入れたい、と願ったお父さんの行動が悲劇を呼んでいく・・・といった内容の映画。
とりあへず、冒頭。アリシアちゃんは魔法のスティックを持って、日本語の歌に合はせて踊ってゐます。ところが、この歌がなんと長山洋子の「春はSA-RA SA-RA」!ありえない!!!だって、これ(この後の展開を鑑みても)この『魔法少女ユキコ』の主題歌のはずだよ。それがこんな80年代演歌調歌謡曲の訳ないだろがー!昔のアニメなら、まぁ、あり得ない訳でもないけど、この『魔法少女ユキコ』って明らかにネタもとが『魔法少女まどかマギカ』なんだよ。それにこれ、今の話でせう?だったら、こんなのあり得ないよ。
その他にも色々と気になる所はあって・・・例へば、ユキコの衣装とか、1万円くらゐでいくらでもあるはず。今はコスプレショップは充実してるからね。それがなんで、わざわざデザイナーものの一点ものの90万円する衣装が欲しい訳?それ、アニメファンのメンタリティーぢゃないと思ふんだけど。まぁ、人はそれぞれだから、別にいいっちゃいいんだけど・・・なんか引っ掛かる。あまりに不自然。
・・・と、まぁ、ここから分かるのは、この監督、アニメとか日本文化にちっとも詳しくないんだけど、エキゾチズムでテキトーに映画の味付けとして使ってゐる、といふ事。これ、脱力するよねー。
でも・・・別にそれはそれでいい、とも言へる。映画自体が面白かったら、そんなの全然許せるもの。ところが、映画自体、大して面白くもないんだよねー。
みんな一体どこが面白かったんだろ?と思って、ちょっとネットとか観てみたら・・・まぁ、“肝心な所を描かないのが凄い!”ってのと“予測不能の展開がオモロい!”てのが多い意見だった。ふーん。でもねぇ・・・
肝心な所を描かない、といふのが効果をあげる事は確かにある。けど、この映画に関してはそれが効果をあげてゐるとは思へないんだよね。むしろ、なんか逃げてる印象。肝心な所を描くだけの力量がないから、そこをスルーしちゃった、といった印象なんだなぁ。あ、ここで私が思ひ浮かべてゐる“肝心な所”って、バルバラとデミアンの過去に何があったか、といふ事ね。とかげ部屋で何があったか、ではないから。そんなのどうでもいいでせう。あれは瑣末な事だ。
予測不能の展開が面白い・・・といふ作品もある。でもこの映画は、別に面白くないなぁ。だって、確かに観てる時は次にどうなるかは分からないけど、結局映画が終わった後に振り返ってみれば、随分凡庸で、予定調和的ですらある展開でせう。本当の意味で“予測不能の展開が面白い”といふのは、それこそ「まどマギ」みたいに、作品が終はった後に振り返ってみれば、作品の認識が一変され「そ、そ、そんな話だったのかー!!」となる様なもの。自分自身が刷新される様なものだと思ふ。この映画に、そんなものは全くないよ。(展開が読めないので)退屈せずに時間が潰せる娯楽作品、といった所だと思ふ。
あと、題名に引っ張られてゐると思ふんだけど、この映画の事を“魔術的”とか“魔法”といふタームで語ってゐる人も居るんだけど、それは私は違ふと思ふな。この映画には、“魔法”は一切ない。私に言はせれば、魔法とは“偶然を必然と化すこと”。しかし、この映画は、単にみんなが偶然に翻弄されてゐるだけ。魔法に必須の“強い意志”もない。ただ単に行き当たりばったりに感情に身を任せてゐるだけ。魔法的なものとは無縁な映画です、これは。でも、魔法的な雰囲気を味付けに使ってはゐるんだよねー。うーん。
そこで私は言ひたい。
アニメと魔法をなめんな!
ま、そんな感じで。
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