12月10日〜12月15日 [etc]
素庵
いま、京都では“一棟貸し”がブームですね。京都の古い家屋を改装して、一泊幾らで家ごと貸す。素泊まりが基本(つまり食事は付いてない)。戸口の所に数字のついたボタンが並んだ鍵があれば、それは大抵一棟貸しです。暗証番号を押して入るのですね。
そして、そんなブームの中、また新たに、高瀬川沿ひに一棟貸しが誕生。その名も「素庵」。ここはエキスポ(主にヤマネくん)が改装を請け負った所で、その縁もあってか、ショーヘイくんが管理人を務める宿。私とトモコは、オープン前のモニターとして、請はれてそこに泊まりに行きました。
松原通りを下がったあたり、「素」と書いた大きな暖簾が下がってゐるので、すぐに分かります。暗証番号を押して鍵を開け、中に入ると・・・まだ真新しい白木が眼を射抜きます。ふむ、ちょっと殺風景かな。花でもあればいいんだが・・・と、いや、一応モニターなもんで、色々と後で言ふ“御意見”をね、まぁ、考へとかないと。・・・とか構へてゐたのは最初のうちだけで、わーい、泊まりだ、旅行だ、なんか高瀬川沿ひに泊まるなんて楽しいぞー。と一階のリビングで寛ぐ。それから、特筆すべきは風呂。なんとでっかい信楽焼の浴槽で、これが気持ちいいー。やっぱ宿に泊まった時の楽しみは風呂だよね。家では絶対に体験できない入浴感。あー、極楽、極楽。
疲れてゐたので風呂の後はすぐに二階へ。一階が洋風のリビングなのに対して、二階は和風。布団がすでにひいてあります。十分に暖まった身体で布団に入ると、すぐに睡魔が・・・。
高瀬川は春は櫻、夏は蛍、秋には紅葉が綺麗なので、なかなかのベストプレイスだと思ひます。今は、ちゃうど紅葉が終はった所で何もなかったのですが、もう少し寒くなって雪景色なんかになればこれもまたいいのでは?と考へつつ、宿を後にしました。
第47回衆院選
選挙、終はりましたねー。結果は・・・まぁ、大方の予想通り。自公合はせて3分の2以上といふ与党大勝。さうなるだらうとは思ってゐたけど、やっぱガックリくるよね。これで当分、また日本の下落が続くのかと思ふと。
唯一、お!と思ったのは、次世代の党が大敗したこと。ああいふ排外主義的・ネトウヨ的な連中が国民に見放されたのは、ある意味ホッとした。当たり前だよ、あれは酷過ぎる。安倍もヘイトスピーチは断固反対、と言ってる事だし、あそこら辺は切り捨てられていくだらう。
しかし、かと言って安心はできない。日本の戦前の軍部にしても、ナチスにしても、極右(皇道派とか突撃隊)を切り捨てる事によって国民に安心を与へ、その後、粛々と全体主義・専制政治への道を進んで行ったんだから。ある意味、極右とか極左を切り捨てるのは政治的常道なんだよね。
だから、心配なのはやはり、安倍が執念を燃やしてゐる憲法改正だよ。そら私だって、今の憲法には改正すべき所はあると思ってゐるけど、自民党の改正試案は酷過ぎる!だってそもそも憲法とは政府が横暴をしない様に国民を守るためのものなのに、逆に国民を縛るものになってゐる。あり得ない。こんなものを平気で出してくる神経って、なんなの?
あとは経済政策。私は、実はアベノミクス自体が成功か失敗かは、まだ結果は出てないと思ってゐます。ただ、消費税増税。これはダメ。だってアベノミクスってリフレ政策なんだから、増税は御法度でせう。むしろ消費税は全廃にしないと。さうしないとアベノミクスはうまく働かないと思ふ。このまままアベノミクスと消費税を組み合はせたままだと、格差が開くばっかりで、経済は落ち込む一方。わざと格差政策とってるんぢゃないの?と疑ってしまひます。
でも、社会保障費を守るためには消費税増税が必要なんだ!と、財務省の方は仰ってる訳ですが、こんなのは嘘っぱちです。消費税増税した分は、法人税の減税分にあてられ、さらに戻し税で大企業に廻され、結果、社会保障費にはほとんど廻ってゐない。我々から取ったお金を、大企業に廻してるだけやん。しかも、選挙で勝った途端、さらなる法人税の引き下げと、社会保障費のカットを決めてゐる。恥知らずにも程があるでせう。
なんか、書いてるうちに腹が立ってきました。二年後の参院選はなんとかせねばなりませんね。
アベノミクス効果
ウメドン来店。
「今度テレビ買おうかと思ってるんです。50インチくらゐのデッカいやつ」
な、なにー!・・・今まで我々のマネをして「テレビなんか要らない」とか嘯いてたくせに、今頃になって・・・馬脚を露したか!
「うちの会社の親会社、輸出大企業やから・・・アベノミクス効果でいい感じなんです。だからボーナスもしっかり出たし。」
・・・我々から搾り取ったお金が、血税が、労せずしてウメドンの所に廻ってる訳だな・・・ゆ、ゆるせんー!!!
「深夜アニメを観ようと思って。もし観たい番組があれば録りますよ」
な・・・あ、いや、まぁ、それなら・・・幾原邦彦の新作「ユリクマ嵐」といふアニメが来年からやるんだけど・・・それ録ってくれない?
「わかりました。任せてください。」
う、うむ、頼んだ・・・って、なんか複雑な気持ちだな・・・。
ゴーンガール
デビット・フィンチャーの新作「ゴーンガール」をMOVIX京都で観てきました。いや、私、フィンチャーってそこまで好きぢゃないんですよね。確かに上手いと思ひますし、なかなかいい映画を撮ってるとは思ふんですが、なんとなく、性に合はないといふか・・・。
で、この「ゴーンガール」。よかったです。個人的なフィンチャー映画のベスト。まぁ、ネタバレ厳禁の映画なので、あまり詳しい事は書けないのですが・・・。
色々と考へさせられました。西欧が作り上げた“人間”といふ概念について。それはポストモダンになって消え去った、とか、失効した、とか、動物化した、とか色々言はれてゐますが、かなり奇形化した形で生き延びてゐるんぢゃないか、それが最もよく表れてゐるのがアメリカぢゃないか、とか。
ラストとか、相当面白いですよ、これ。拍手したくなりましたよ。
ロザムンド・パイク最高。そして、ベン・アフレックの愚鈍ぶりも最高です。
多分、これで今年は映画の見納めになると思ふ。そろそろ、ベスト10を選び始めなくては・・・。
Comments
投稿者 オイシン : 2014年12月22日 11:34
ご無沙汰しています。アベノミクスの恩恵はうちは無しです! 下請けだし仕方がないですね、大企業が財布の紐緩めてくれるの待ちです。
ちなみに中国、韓国はすごく不景気になっています。マンションも売れ残ってますし、開発が止まっているところも、よく見かけます。機械系の業種は厳しいですが、何とか頑張ります!
投稿者 元店主 : 2014年12月22日 16:30
おー、オイシン、生きとったか。
日本の不景気もハンパないよ。うちの店も、来るのは観光客ばかりだ。中国と韓国の人が多いがな。日本人はどこ行ったんだ?って感じ。全体として、とても年末とは思へない惨状だよ。・・・あ、いま、それはそれでオパールらしい、とか思っただろ!
消費税あがったから、来年の3月はえらい事になると思ふよ。今から恐い・・・が、まぁ、お互ひ、頑張りまひょー。
投稿者 オイシン : 2014年12月24日 17:29
いやー、オパールの年の瀬って感じですね!
ほんと、気が付いたら大阪も中国人だらけですね。有馬温泉も中国人だらけで衝撃でした。まあ買い物してもらえるなら何人でもかまわないでしょうけど。
もちろん中国から日本に送る製品は割高になってしまい、こちらは完全に干上がっています〜(TT)
投稿者 元店主 : 2014年12月25日 02:34
>いやー、オパールの年の瀬って感じですね!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まぁな。
投稿者 sawa : 2015年01月16日 23:45
ようやくゴーン•ガール観てきました!夫婦がテーマのブルーバレンタインよりスカッと鑑賞することができ、個人的にはハッピーエンドに思える内容でした!なぜかロザムンド•パイクがニコール•キッドマンに被って見えましたw
投稿者 元店主 : 2015年01月18日 02:19
sawaさんへ
「ゴーンガール」面白かったでしょ。確かにあれは、ロザムンド・パイク視点だと完全にハッピーエンドだよね。でも、ベン・アフレック視点だと・・・微妙だと思う。つまり、sawaさんは完全にロザムンド・パイク視点で観た訳だ。それでスカッとした、と。いいね。そらやっぱ裏切る様な男は許せないよねー。自分を縛る様な男も。うーん、sawaさんが幸せな結婚ができますように!
投稿者 sawa : 2015年01月18日 09:25
公平に観たつもりですよ!簡単に離婚できてしまう現代社会への警鐘にもとれるなーと思って。精神的弱さに起因する夫婦問題を離婚で解決するのはあまりにも安直な気がします。ベン•アフレックに煽られて、ロザムンド•パイクがそれが結婚よと吐き捨てるシーンを観て、結婚が怖くなりましたw 幸せな結婚もありますよね⁉︎
投稿者 元店主 : 2015年01月18日 16:28
>ベン•アフレックに煽られて、ロザムンド•パイクがそれが結婚よと吐き捨てるシーンを観て、結婚が怖くなりましたw
あれ?そうなの。ちなみに私はロザムンド・パイク=エイミーの結婚観に同意だけど。まぁ、ただ問題は、相手の側(ベン・アフレック)がその結婚観を理解してない事だね。それではなかなか上手くいかない。いずれまた崩壊するか、単なる仮面夫婦になってしまう。だから、その結婚観を理解できる人と結婚すれば、ほら、そこに幸せな結婚はあるよ!
投稿者 sawa : 2015年01月19日 22:25
結婚観の相似がキーなんですね!フランスでPACSがポピュラーなのは、その結婚観が受け入れ難いということなんでしょうか?質問攻めでごめんなさい!
投稿者 元店主 : 2015年01月20日 04:42
いや、結婚観の相似がキーという訳では・・・。いや、あのね、二人で理想の人生を作り上げていこう、という意志がキーなんだよ。なんて言うと、当たり前やん、とか思うかもしれないし、実際当たり前だとも思うんだけど、今はそうでもない人が多いと思うよ。映画でも、ベン・アフレック(役名忘れた)は勝手に降りちゃった訳でしょ。良き夫たろう、良き妻たろうとするには努力が必要。むろん、演技も。今はみんなワガママだから。なるべく相手には合わせたくない、と思ってる。自分のままで居たいと思ってる。でも、(良き)結婚はそういうもんじゃないと思う。いや、別に相手に合わせるんじゃないんだよ、二人の理想の関係に合わせるんだよ。その事をお互いが理解して、お互いが“二人の理想の人生”のためにそれぞれのエゴを犠牲にしないと、やっぱうまくいかないとは思う、という話。
フランスでPACSが盛んなのは、まぁ、多分みんなのエゴが強いのと、あとはやっぱそういう法律があるからだと思うよ。だって、縛りが緩い結婚ができるなら、そっちとるでしょ、エゴが強い人たちは。それから、カトリックの影響もあるかもしれない。カトリックの結婚はきついでしょ、縛りが。その反動もあるかと。・・・て、知った様な事を書きましたが、私はフランスの事情に全く詳しくないので、まぁ、いい加減な意見です。話半分で聞くよーに。
投稿者 sawa : 2015年01月20日 15:38
ドキッ!>自分のままでいたいと思ってる
ストンと腑に落ちました>二人の理想の関係に合わせるんだよ
結婚とエゴの両立は難しそうですね。ひとりで自分勝手に生きるのは楽やけど、辛くてもふたりで理想の人生を目指すほうが楽しそう。そうだ、婚活しよう!ケンタロウ先生、いつもプライスレスなご教示をありがとうございます。谢谢你!
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