9月10日〜9月15日 [etc]
唐獅子
オパールには唐獅子の蚊遣りがあって、これが夏には活躍します。割と人気があって、お客さんもよく注目して「あ、これいい!」などと声をあげてゐます。しかし・・・最近よく耳にするのですが、若い人たちが唐獅子の蚊遣りを観て、「可愛い、ネコちゃん!」「あー、ネコネコー!」などと声をあげてゐるのです。ネコって・・・これは、唐獅子だらうー!と思ふのですが・・・以下の写真をご覧下さい。
どうです?ネコに見えますか?百歩譲っても、犬、だと思ふんだけど。
フルスロットル
パルクールってあるぢゃないですか。あのフランス発の、飛んだり跳ねたり壁よじ上ったりして、様々な障害物をクリアして走り抜けるやつ。あれ、かっこいいなー、と思って前から興味があったんだけど、映画「YAMAKASHI」で話題になった時は、観たいけどベッソンか・・・と気持ちが萎え、結局行かず。でも、その後に「カジノロワイヤル」や「孫文の義士団」、最近では「ウインターソルジャー」なんかでパルクールを採りいれたアクションを観ると、やっぱーカッコエーわー・・・となってゐる所にやってきたのがこの映画「フルスロットル」。この映画は、パルクールの神様と言はれるダヴィッド・ベルが主演の「アルティメット」といふ映画があるらしく、これはパルクール映画の金字塔と言はれてゐるらしいんだけれど、それのリメイク。リメイク、と言っても、ちゃんとダヴィッド・ベルは出てゐる。それに相棒は、先日亡くなったポール・ウォーカー。そして闘ふ相手はRZA。と、メッチャ豪華やん(個人的に)。ってな訳で観に行って参りましたー。@MOVIX。
まぁ、ね、そらダヴィッド・ベルのパルクールは凄かったですよ。特に冒頭の奴ね。でも、まぁ、お話がイマイチだし、全体の作りがもっさい。やっぱアクションも見せ方だと思ふんですよねー。例へば、今回の「るろうに剣心」でもパルクールっぽいアクションを採りいれてゐて、そらダヴィッド・ベルに較べたらずっと落ちるんだけど、見せ方がうまいので、「るろ剣」の方がカッコいいし、面白い。うーん。
でも、やっぱパルクールはカッコいいですよ。走り抜ける、といふ所がいい。人間の走る姿って、やっぱ美しいですから。
イヴ・サンローラン
もうひとつ映画、「イヴ・サンローラン」を観ました。シネリーブル梅田にて。サンローランの美の秘密に迫るのか?と思ってゐたら、これはサンローランを公私ともに支へたパートナー、ピエール・ベルジェ(もち男性)との愛憎劇を描いたものでした。同性愛者でヤク中でワガママ、自分勝手、酷薄、精神が不安定で弱い・・・といったサンローラン像が描かれますが、まぁ、この程度ならサンローランの公的なイメージの範囲内。ブランド的にも問題ないでせう。本当に汚い事やヤバい事は徹底的に伏せた感のある、とても表面的な映画でした。でも、サンローランの映画だし、かういった表面的=ファッショナブルなのもありかも。なかなかに面白かったです。
あと、出て来る人たちが結構みんな本人に似てゐて、可笑しかった。サンローランは勿論ですが、カール・ラガーフェルドをクラウス・キンスキーの息子が演じてゐるのは笑ってしまひました。
そこがいいんぢゃない
みうらじゅんが映画秘宝に連載してゐるコーナーで、必ず「そこがいいんぢゃない!」と言ふんだけど、「マイブーム」や「カスハガ」「とんまつり」などポップでキャッチーな言葉を生む才能に溢れたみうらじゅんらしい素敵なネーミングである、でもいままでのとはちょっと趣きが違ふよな、と思ってゐたら、「マイ仏教」といふ本の中で、みうらじゅん自身が、「そこがいいんぢゃない!」といふのは念仏である、と説明してゐて、やはりさうか!と膝を打ちました。
要するに、なにかネガティブな状況や困った事態が起こった時に、「そこがいいんぢゃない!」と唱へる事で、ちょっとした視点の変換を図り、気分をあげて、ポジティブになる、といふ事です。つまりこれは念仏と同じである、と。念仏も、何か困った状況に追ひ込まれた時に一心に唱へ、気分の転換と意識の変容を図り、事態打開へ進むツールだ、といふ訳です。確かにそれはその通り。でも、これはある程度仏教への信仰心がないと、なかなか効かない。そこで、さういった深淵な哲学体系とそれへの信仰心なしに効く、ポップでインスタントな念仏として「そこがいいんぢゃない!」がある、と。
かういったものは結構あって、それこそみうらじゅんも著書であげてゐたけれど、根本さんの「でも、やるんだよ!」とか。私が一時期愛用してゐた斎藤ひとりの「幸せだなぁ」とか。
かういった、マジックワードを何度も唱へて意識の変容を図るのは、ぶっちゃけて言へば自己啓発メソッドでもある訳です。自己啓発・・・といへば何か胡散臭いですが、しかしこの方法は確実に効きます。試合の前に「オレはできる。必ず勝てる」とか自己暗示をかけるのも一緒。実を言へばこれは古代から続く魔法の技術なので、効くのは当たり前なのです。とはいへ、魔法とは意識変容の術なので、物理世界には効きません。ここらを誤解してゐる人たちが結構居る様で・・・。
いくら念仏を唱へたって、マジックワードを連呼したって、それだけで事態がよくなったり、成功したりはしません。むろん、それで事態を打開できたり、成功できたりした人は居ます。でも彼・彼女らは、念仏やマジックワードで意識を変へ、その事で事態に立ち向かって闘ったからこそ成功した訳で。また、事態が打開できたからといって、あるひは成功したからといって、それで必ず幸せになれる訳でもない。
この世には「奇蹟も魔法もあるんだよ」byまどマギ・・・といふのは本当ですが、それがあれば全てオッケー!といふ訳にはいかなくて、それにはそれなりの犠牲や努力が必要ですし、その奇蹟が真に望んでゐた結果を齎す保証もない。
なんか味気ないですか?でも・・・そこがいいんぢゃない!
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