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2014年07月30日(Wed)

7月22日〜7月29日 etc

天才 勝新太郎

春日太一著「天才 勝新太郎」を読みました。私にとっての勝新太郎のイメージは、根本(敬)さんの書いたマンガやエッセーによって決定づけられてゐる所があります。つまり、自分の後ろに巨大なオーケストラ(他人の眼には見えない)を常に率ゐ、全てを飲み込む良い湯加減の“タオ”の様な存在。これは「真実ではないが真理である」ものに惹かれる、といふ根本さんによって描出された、勝新の真理でせう。
しかしこの本は、真理より真実を描かうとしたものです。勝新と関はりのあった人々に丁寧に取材を重ね、勝新の真実を描き出していきます。

世間一般でも、勝新は豪放磊落で型破り、規格外の男、といふイメージが流布してゐます。が、実は持ち前のサービス精神から、そんなイメージに無理に自分を合はせてゐた一面がある、とこの本では描きます。自らの理想の高さと周りからの期待、そして自分の天才性に、むしろ押し潰されさうになってゐる人間・勝新が描かれるのです。これもひとつの真実でせう。
さういへば、現在「コミック@バンチ」にて吉本浩二氏による「カツシン」といふ伝記マンガが隔月連載中らしい。これは勝新の“さみしがりや”の側面に焦点をあてた伝記らしく、こちらも気になります。
しかし、どんな側面から描かれても、勝新は魅力的だ。これからも、様々な勝新像が乱立・交差していくのを希望します。

命日

7月23日はババさんの命日です。もうあれから6年・・・と思ふと、月日が経つのが早過ぎて、慄然とします。そんな今年の命日。なんとババさんの高校時代の友人の方からメールがあり、ババさんが高校時代に作った8ミリ映画がある、と。いつかそちらにお持ちしたい、との事で、ビックリしました。うーむ、そんなものがあったとは・・・。
今年の命日は、例年通りベッチ、マツヤマさん、ウノピの3人が集まりました。ベッチとマツヤマさんは勿論わかって来てゐるのですが、ウノピは分からないままに、何故か毎年ババさんの命日にはやってくる。一体どんな因果があるのか。

少女革命ウテナ

今年になって色々とアニメを観まくってゐる訳ですが、どーにもやはり「まどマギ」と「ピンドラ」がずば抜けてゐて、他の作品は、まーまーまー、といった感じ。確かに面白い作品も多いのですが、「まどマギ」「ピンドラ」を観て、アニメに感じた過剰なまでの期待を満たしてくれる作品になかなか出会へません。それで、「ピンドラ」の幾原邦彦が昔に手掛けた作品、「少女革命ウテナ」といふのを観てみました。
これは時代も古いし、夕方にやってゐたアニメといふ事なので、どうかなー、とあまり期待もせずに観てみたのですが・・・もう、めっちゃ面白い!まだ5話しか観てないですが、スタイリッシュな映像、象徴性に満ちた設定とストーリー、J・A・シーザーによる音楽、と素晴らしいの一言。これぞアニメの醍醐味かー、と興奮してゐます。
とはいへ、このアニメ、未だに人気がある様で、常にレンタル中でなかなか借りる事ができません。うーむ、はやく続きが観たい・・・。

般若

ここ数年は日本語ラップとも御無沙汰なんですが、久しぶりに般若の作品を聴きました。「コンサート」といふ作品。スタジオ録音版です。
ヤンチャな批評性、長渕イズムの横溢した叙情性、ベタなユーモアセンス、言葉を武器として操る手練・手管、など安定感あるなー。初期のちょい不安定な所に魅力を感じてゐた私としては、複雑な感情もありますが、般若はアーティストとして円熟期に入ってゐるといふ事なのでせう。考へてみれば、般若もデビューしてもう長いもんね。
堂々たる、ベテランの貫禄作。といった所でせうか。

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