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2013年10月20日(Sun)

パ・リーグ Customers

あれは10月10日の事だったでせうか。ノーザンソウル界のパ・リーグ代表イチモトくんが「激震です、激震です」と言ひながらやってきたのは。
ところで「ノーザンソウル界のパ・リーグ」とは何でせうか。
イチモトくんによれば、ノーザンソウル界のパ・リーグとは、テレビ中継のない、せいぜいラジオ放送で、それさへなくなる事が多い世界、との事ですが、野球を観ない私には分かった様な分からん様な気持ちです。ちなみに、パ・リーグに属する人たちとは、イチモトくん、***くん、****くん、***くん、など。そして監督は平野さん!との事なので・・・それって、ソウルに淫して結婚してない人たちの事なのでは?
「いや、違ひます。結婚してないからパ・リーグなのではなく、パ・リーグだから結婚してないんです」
さうなのか。

しかし考へてみるに、ノーザンソウル界自体が世間的にはド・アンダーグラウンドなので、むしろさういった人たちはセ・リーグではないのか?
・・・って、そんな事はどうでもいいのです。
イチモトくんの言ふ「激震」とは、京都を代表するクラブのひとつ、コラージュが10月12日(土)で閉店する、といふ事だったのです。
しかもイチモトくんがそれを知ったのは、10日の朝、つまりついさっきのこと。なんつーてもイチモトくんは14日の月曜日にコラージュで月例のノーザンソウルのイベントを開催する予定だったらしいのです。それは大変だ。せっかくのイベントが飛んじゃったねー。
「そんな事はどーでもいいんです!ボクらのイベントなんて、せいぜい10人くらゐしか来ないんですから。そんな事より、京都のアンダーグラウンドを支へてゐたコラージュがなくなること、それが大変なんですよ!」

確かに。しかし、アンダーグラウンドカルチャーなんて、今や成立しないんじゃない。ネットのせゐなのか、どうか、分からないけれど、本来あるはずの文化の濃淡、陰翳、高低、聖俗なんかが見えなくなってきて、全てがベターとしてきてる印象だもの。憧れも、恍惚も、あったもんじゃないよ。

「でもアンダーグラウンドあってのオーバーグラウンドぢゃないですか!パ・リーグあってのセ・リーグみたいなもんで。」

さうなんだけどさ。もう飲み込まれちゃったんだよ、アングラもパ・リーグも。真っ黒な背景に白い点が浮いてるからこそ、それは光ってみえる訳で。白い点が飲み込まれたら、それはただの暗黒。圧倒的に黒の部分が多いからね。灰色にもならない。で、本来なら白い点が星の様に黒い背景に浮かんでいるからこそ、それを繋いで美しい星座が成立したんだけど、今は真っ暗な地の上にそれぞれが勝手な妄想を投影してゐる・・・といった感じぢゃないかな。

「そんな・・・、なにか打開策はないんですかね」

うう〜ん、ないことも、ない。

「え!なんですか、それは?」

それはねぇ・・・錬金術さ!

「へ?ああ、あの金持ち父さんがうんたらかんたらとか、クビになっても年収ウン億円とかなんとかいふ、あれですか?」

いや、違ふ違ふ。自己啓発してどーすんだ。本来の錬金術は、世界を更新するものなんだよ。で、錬金術において、世界の更新が行はれる前には必ず、黒化=腐敗といふ段階を経るんだ。つまり世の中が煮詰まって、真っ黒になった時こそ、錬金術の出番とも言へる訳なんだよ。次は白化を行へばいいんだ。

「はぁ・・・、で、具体的にはどうするんですか」

さうだなぁ、まづ、第一原質(マテリア・プリマ)を探さなくちゃならないんだ。それが全ての始まりだからね。うーん、どこにあるのかなぁー。パラケルススはそこらへんに転がってると言ってたんだけどなぁ。

「ケンタロウさん・・・」

ん?なに?

「ケンタロウさんも案外パ・リーグですね」

がーん!結婚してるのにー!

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