ヤマネくんと映画を語る [映画, ヤマネくん]
ヤマネくんが来店。強制起訴シリーズとは関係のない映画について、トモコも交へて語り倒しました。
- ヤマネ
- やー、『J・エドガー』凄かったですねー。メッチャ好き・・・といふ訳ではないですが、やっぱイーストウッドは凄いや!と嬉しくなりました!
- トモコ
- あら、私は凄く好きよ、この映画。なんか昔好んで観てゐたヨーロッパ映画を思はせるし・・・こんなのが観たかったのよ!といった感じかしら
- 元店主
- この映画の凄い所は、題材がフーバーFBI長官で、しかもとても異常な世界が描かれてゐるのに、それでゐて、堂々たる恋愛映画として撮ってる所だよね。私も途中でそれに気がついてビックリしたもん。え、これってさういふ映画だったの!って
- ヤマネ
- ははは、その点では前作の『ヒア・アフター』と同じですね。でもこんな変態な世界を、あまりに真っ当に当たり前の事みたいに撮るなんて・・・イーストウッドも相当の変態なんぢゃないですか。アルモドバルみたい
- トモコ
- 心理描写が上手よね。観てゐてしみじみ〜とするわー。私にとっては、今年観た中では『宇宙人ポール』と並ぶぐらゐ良かった。
- 元店主
- うわ!それ、めっちゃ評価高いやん。・・・でも、ほんとイーストウッドの映画は自由に溢れてゐるよ。マーケティングとか、世間の自分に対する期待・イメージとか、ステレオタイプの思考とか、さういった様々なものから自由な感じがする。これぞ、真のリバタリアンなのか?
- ヤマネ
- とにかく、これからも絶対にイーストウッドの映画は観たい!と思はされましたね。次は『スター誕生』のリメイクでしたっけ?ビヨンセ主演の?
- 元店主
- うわぁ、楽しみすぎる!
- ヤマネ
- ところで『ドラゴン・タトゥーの女』はどうでした?
- トモコ
- 私は全然だめ
- ヤマネ
- ボクもです!ちょっとソツなく纏め過ぎてません?なーんも印象に残らない。
- 元店主
- まぁ、フィンチャーはもともとさういふ監督だから。思ふんだけどさ、フィンチャーはイーストウッドと正反対で、すごくテイク数の多い監督ぢゃない。何度も何度も撮り直しさせる。で、その完璧主義が、かへってああいふ無味乾燥なものを生み出すのでは・・・とはいへ前作の『ソーシャル・ネットワーク』やその前の『ベンジャミン・バトン』ではそこまで無味乾燥ではなかったか・・・
- トモコ
- 私はとにかく、あそこに描かれた白人の世界が恐い!なにかあったらすぐに近親相姦やレイプ、男女ともすぐにベッドに誘ふし・・・もう性欲の塊って感じ。もうちょっと他のこと考へないの?って思ふ
- 元店主
- はは、彼らは肉食人種だから、交感神経優位人種なんだよ。だから、性欲や攻撃性が異常に高いの
- ヤマネ
- なんですか、それ?・・・でも、実際にスウェーデンって、犯罪率が異常に高いんでせう?
- 元店主
- さう。日本の何十倍もあるらしいよ。しかも、強姦や殺人などの凶悪犯罪が多いとか。スウェーデンってさ、高福祉国家でオシャレでイケヤでスウェディッシュポップで、といふイメージがあるけどさ、実際は限りなく共産主義に近い全体主義で、戦後まで優生思想がはびこってて、ブラックメタルがあって・・・とドロドロしてんだよね。この映画の原作小説は、そんなスウェーデンの暗部を描いた作品らしいんだけど、それがこの映画では全く描けてないでせう。なんか、何人かの異常者の所為にして終はり!って感じ。それが最もダメな所だな、この映画の
- トモコ
- 私は最後にルーニー・マーラ(ドラゴンタトゥーの女)が、犯人をバイクで追ひつめるぢゃない。で、逃げてた犯人のクルマが横転して、出られなくなった犯人のもとに拳銃を持ったルーニーが近づいていく・・・と、クルマが爆発して終はり。ってのが物足りなかった。やはりあそこは防弾ガラスに何発も撃ち込まないと
- ヤマネ
- それ『アジョシ』ぢゃないですか!・・・でも、あのエンヤの流れる所は良かったですよね!笑ってしまひました!
- 元店主
- さうさう!あそこは最高。あの異常な感覚はかっこいいよ
- トモコ
- えー、なんでよー、あそこはダサイわよ!殺人シーンでエンヤなんか流して、なにか気が効いてるつもりなの?って感じ。それとか、タイトルバックでゼップの『移民の歌』を、ヤー・ヤー・ヤーズのカレンOのカバーで流すぢゃない。あれもダサイ。そのままゼップの歌を流せばいいのに。なーんか、ちょっと捻ればかっこいいと思ってるのよね。そこが、この映画のダメな所よ!
- トモコ
- 次は、『タイム』ね。これも、私はダメだった。ジャスティン・ティンバレークは良かったけど。って、私は歌手としての彼しか知らないから、結構いいな、と思って
- ヤマネ
- ジャスティンは『ソーシャル・ネットワーク』でも最高だったんですよー!・・・この映画は、確かに、微妙か。結構、好きな映画ではあるんですけどね
- 元店主
- 私は全然ダメ。かういった世界観の作り込みが甘い映画って、ダメなんだよー。クリストファー・ノーランとか
- ヤマネ
- ハハハー、相変はらずノーラン嫌ってますねー
- 元店主
- いや、『ダークナイト ライジング』の予告編観た?もう、すっごくかっこいいんだよ、相変はらず。うわー、又しても面白さうー!でも、絶対観たら腹立つんだらうなー、とか思ふと、もう、愛していいんだか憎んでいいんだかわかんないよ、クリストファー・ノーラン!彼には永遠に予告編だけで本編のない監督になってほしい
- ヤマネ
- なにムチャクチャ言ってるんですか。でも確かにこれ、一見設定は魅力的ですけど、細部がボロボロと甘いですよね。作り込みが浅い、といふか。『ミスター・ノーバディー』とは大違ひ!
- 元店主
- さうなんだよ。主人公の父親の話とか、大金持ちのバックに居るらしき黒幕の話とかも、ちっとも回収できてないし。全てにおいて考へが浅過ぎる。観客を舐めるのもいい加減にしろ、と言ひたい
- トモコ
- 脚本の段階で誰か突っ込まなかったのかしら。あんな投げやりなラスト、久しぶりに観たわ
- ヤマネ
- うーん、『ガタカ』は結構良かったんですけどねー。今回は、どうしたんでせう。かうなったら『ヒューゴ』に期待ですね!
- 元店主
- あれ?『戦火の馬』ぢゃないの?
- ヤマネ
- やー、馬の映画なら『オーシャン・オブ・ファイアー』に勝るものなし!ですからねー。なんつってもヴィゴ・モーテンセンが出てますもん
- 元店主
- ヴィゴ・モーテンセンといへば、彼がフロイトの役をやったクローネンバーグの『ア・デンジャラス・メソッド』は、日本で公開しないのかなぁ。メッチャ観たいんだけど
- ヤマネ
- それとか、今年は久々にラジニカーントの映画が日本公開されますからねー。『ロボット』。まぁ全世界ですでに公開・大ヒット済みのものですけど、日本にもやっと・・・めっちゃ楽しみー!
- トモコ
- あ、でもそれ、ダンスシーンが長過ぎるとかいって、日本では縮小版でやるみたいよ。20分以上もダンスシーンをカットするらしい。サトウさんが言ってた
- ヤマネ
- ええー!バッカじゃないの!インド映画からダンスシーンとってどうすんだよー!腹立つなー!
- 元店主
- むむむ、今年も日本での映画の環境は厳しさうだなぁ。
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