啓示? [旅行]
私事ながら、約19年前の2月21日に、私とトモコは日吉大社で結婚式をあげました。雨がそぼ降る中、神主さんに祝詞を朗々と読み上げていただき、巫女さんには舞っていただき、山の神さまに祝福していただいた訳ですが、当時は若くてボンヤリしてゐた私も、些か厳粛な気持ちになったのを覚えてゐます。
その時、ここにはちょくちょく来なくてはならない、とトモコと語り合ったのですが、気がつけば19年も経ってゐました。19年!・・・って、結構長いな。光陰矢の如しとはよく言ったものです。
で、今年の2月21日は火曜日。なんとオパールの定休日にあたるではないですか。これは、行かねばならんのではないだらうか。と、自問するヒマもなく、気がつけば私とトモコは京阪の坂本駅に立ってゐたのでした。
駅を出ると、そこに小さな茶園がありました。ここは最澄が支那からお茶を齎した土地として、お茶に所縁のある所なのです。現在、カフェ・オパールといふ茶店をやってゐる私たちとしては、なにか因縁を感じざるを得ません。だって、結婚した当時はまさか自分たちが茶店をするとは思ってもみませんでしたから。今のオパールが隣接してゐる建仁寺さんも、お茶に所縁のあるお寺だし・・・とか考へながら、その茶園に近づくと・・・、な、なんと!そこには「opal」と書かれた札が!!!
・・・なに、これ。なんかの啓示なの?・・・って、いや、たんなる偶然か。気を取り直して、我々は日吉大社さんに向かひました
日吉大社は、19年前と変はらぬ姿で我々を迎へてくれました。とか、サラッと書きましたが、今では歳を取ってボンヤリしてしまった私が、19年前の日吉大社さんの姿をハッキリ覚えてゐる訳がありません。まー、印象として、変はってないなー、と思ったといふ事です。
西本宮で御祈祷の申し込みをします。その時にトモコが、何故か持参した結婚式の写真を受付の若い巫女さんに見せ、「私たち、19年前の今日、ここで結婚式をあげさせて貰ったんです」と言へば、「わー、素敵ですねー」とか答へてくれたのですが、目が半分死んでました。そら、別に興味なんかないわな。
普通は西本宮で御祈祷はするらしいのですが、我々は東本宮で結婚式をあげたので、頼んで東本宮で御祈祷していただきました。めっちゃ寒かったです。
御祈祷も済み、たまたまそこに居た人に写真まで撮って貰って、東本宮を出ようとすると、そこに猿のおみくじが売ってゐました。神猿(まさる)さんといふらしく、私が「じゃりんこチエかいな」と茶々をいれるのを無視して、トモコがそれを買ひます。そしてその時もまた、受付けの今度はちょっと歳を取った女性の方に「私たち19年前の今日、ここで結婚式をあげさせて貰ったんですよー」と言ったのですが、すると「え、それなら私、それに出てたかも」と言ひ出しました。そこでトモコが素早く写真を出して見せると、「あ、これ私!」と笛を吹いてゐる若い巫女さんを指して叫んだのです。おお、なんといふ偶然!
・・・いや、そんなに人数が居る訳でもないから、別に当たり前の事なのかな?それでも、我々は大いに盛り上がったのでした。
帰り道。まだ少し電車が来るのに時間があるし、ちょっと坂本駅前をブラブラしませう、とトモコが言ひ出し、そのあたりを散策する事にしました。古くて、立派な家が多いです。へー、すげー、とか思ひながら私がキョロキョロしてゐたら、な、な、なんと!「智子」と書かれた表札が目に飛び込んできました。わ!トモコと字も一緒!おお!これは!・・・いや、でも、“智子”なんて名前は珍しくないし・・・とかいふ問題ぢゃなくて、普通表札に名前を書くか?名字書くもんぢゃないの?これは・・・何かの啓示、なのかなぁ・・・。
19年前の結婚式当日、私とトモコは、夜にはソニック・ユースのコンサートに行きました。今年は、TOHOシネマ2条で「タイム」といふ映画を観ました。「ガタカ」を撮ったアンドリュー・ニコル監督の最新作。イマイチの映画で残念でした。
Comments
投稿者 荒木 健司 : 2012年02月28日 13:50
結婚19周年おめでとうございました。
翌日、お店を訪ねた時にその神猿(まさる)さんの最中をいただきました。
家でケンジ猿と呼ばれている私(申年)にもご縁があったのかしら。。
初めてお伺いしたのになぜか心にしっくりくる雰囲気に3時間近く
のんびりできました。どうもありがとうございます。
投稿者 小川トモコ : 2012年02月29日 03:44
ありがとうございます。
荒木さんのお店リプレリ・アルカードの3周年もおめでとうございます。
あの日、まさるさんまさるさんとうわ言のように繰り返す私とポー店長。
お猿嫌いじゃなくて良かったです。
また機会がありましたら、お立ち寄り下さいませ。
お待ちしております。
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