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2011年07月19日(Tue)

キャンディーズ 音楽

4月21日に田中好子さん、元キャンディーズのスーちゃんが亡くなりましたね。
・・・って、別に私、キャンディーズのファンといふ訳ではなく、どちらかといふと先日届いたギル・スコット・ヘロンの訃報の方がよっぽどショックな訳ですが、それはとにかく。

キャンディーズの活躍した72年〜78年といふのは、私の3歳〜9歳にあたる訳で、辛うじてリアルタイムといへるでせう。彼女たちのシングル曲のうち、3分の1くらゐは今でも歌へる(鼻歌で)かな?といった感じです。「ハートのエースが出てこない」「春一番」「暑中お見舞い申し上げます」「微笑がえし」なんかは、当時そーとー歌ったはず。ファンである、なしに関はらず、キャンディーズは好きでした。

ところでレコードコレクターズ誌7月号が「キャンディーズ特集」だったので、なにげなく買ってみました。で、記事を読んでみるとですねぇ、私が結構キャンディーズに関して誤解してゐた、といふ事が分かりました。まぁ、当時ガキですからね、何も分かってゐなかった、と。色々興味深かったので、ちょっと書いてみます。

まづ、私はキャンディーズって、超絶的な人気アイドルだと思ってゐた訳ですが、さうでもなかった、といふ事です。むろん、キャンディーズが70年代を代表するアイドルである事は間違ひないのですが、人気だけの点でいへば、ピンクレディーなんかに遥かに及ばなかったらしい。だって、No.1ヒットって、1曲だけなんですもの。これ、結構意外でした。
で、彼女たちと言へば「普通の女の子に戻りたい!」と言っての、人気絶頂時での突然の解散、が有名なんですが、この事の経緯についても、私は無知でした。
彼女たちは、人気上昇に伴ふ殺人的なスケジュールやなんやかんやに嫌気がさし、キャンディーズを解散したいと所属の渡辺プロに申し入れます。が、当然のごとく相手にされません。そこで彼女たちは一計を案じ、契約が切れる2ヶ月前のコンサートで、ファンの人たちに直接自分たちの考へを訴へる事にします。コンサート終了後、泣きじゃくりながら「9月で解散します!」と宣言し、「ごめんなさい」と謝り、「でも分かってほしい」と懇願する3人。「普通の女の子に戻りたい!」とややヒステリックに叫ぶランの言葉に、ファンは茫然自失、大混乱に陥ったとの事です。
この事は社会的にも大問題になります。そらそーだ。結局、渡辺プロも彼女たちの解散を認めざるを得なくなり、でも契約の切れる9月ではなく、現在やってゐる仕事にけじめをつけたりなんやかんやしての、9ヶ月後、といふ事になります。ここから、キャンディーズの“奇蹟の9ヶ月間”が始まるのです。

私は、この“奇蹟の9ヶ月間”をもろに体験してるんですね。故に、彼女たちが超絶的な人気グループであった、と後々まで思ひ込んでゐました。
実際、この時の彼女たちは凄まじかったと思ひます。彼女たちはテレビ番組にもよく出てゐて(あるひはメディア露出が一気に増えて)、私も「みごろ!たべごろ!笑いごろ!!」は毎週の様に観てゐました。さういったメディアを通して、彼女たちの解散へ向けての異様なテンションの高まり、どんどん大きくなっていくある流れが、刻々と日本中に届けられたのです。
シングル曲も、解散宣言後3枚出してゐて、最初の「アン・ドゥ・トロワ」が7位、次の「わな」が3位、そしてラストシングルの「微笑み返し」が念願の1位! 最初で最後、そして唯一の1位、と、出来過ぎた展開。実際、「微笑み返し」って、70年代を代表する大名曲だと思ひます。
この9ヶ月の間も、彼女たちは精力的に全国ツアーをこなしてゐて、それらも異様な盛り上がりを見せたとのこと。そして、たうたう1978年4月4日。後楽園球場。5万5千人のファンが見守る中、彼女たちの最後のステージが行はれる・・・。

あー、知らんかったなぁ。なんも分かってなかった。観たかったよなぁ、「ファイナル・カーニバル For Freedom」・・・てな訳で、買ってしまひましたよ、DVD。「キャンディーズ・フォーエバー」。これはその4時間に渡るラストコンサートを、73分に切り詰めて収録したもの。短いなぁ。でも、現行はこれしかないみたいなので、購入。早速観てみました。

う〜む、興味深い!まづ、演奏のMMPがいい。むろん、当時はMMPなんて知りませんでしたが、元ワイルドワンズの渡辺茂樹が組んでゐたブラスロックバンドで、後期キャンディーズの専属バンド、らしい。これがなかなかにファンキーでタイトな演奏をきかせます。キャンディーズの3人も、もともと歌の巧いアイドルグループとは言はれてゐましたが、イヤーモニターとかもない時代に、これだけの大ステージを駆け回りながら、あれだけしっかりしたコーラスワークを聴かせるのは、やはり大したものだと唸らされました。
観客との異様な一体感。これももちろん凄いのですが、紙テープね。みんな紙テープを投げまくってゐて、この量が半端でない。最後の方は、ステージ上にうずたかく山の様になってゐて、それに足を穫られながら歌ひ踊る3人を観てると、ハラハラしました。
それと・・・、これ、もしかしたら当時のキャンディーズのファンの制服だったのかもしれませんが、観客の中に黄色と黒の2色使ひの格好をした人がたくさん居たのです。で、紙テープと、何故か笛がピーピー吹かれまくるといふ応援スタイル。潮の様なファンの唸りと歌声・・・なんかを観てゐると、場所が場所だといふ事もありますが、阪神タイガースの試合を観てゐる様な錯覚に何度も襲はれました。う〜む、これが昔ながらの日本の“応援スタイル”なのか。

あと、これは非常に個人的な事なのですが、えーと、その昔、私はランちゃんが好きだったんですね。まぁ、当時はガキだったし、センターの女の子を好きになるのは、ありがちかと。が、今になって見返してみると・・・ミキがいい!
いやー、いいねー、ミキ。これは、デスチャのミシェルだな。私、デスチャでもミシェルが一番好きですから。二人の共通点をあげますと・・・まづ、3番手といふ立ち位置。にも関はらず、歌が一番巧い。痩せぎす。且つ、スタイルがいい。・・・と、こんな感じか。
今なら絶対、ミキを応援するね!・・・とか言ふたかて、せんない事なんですけど。

キャンディーズ、ちゃんと聴いてみなくてはなりません。

ファイナルコンサート前夜の映像。これ、当時観た様な・・・。

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