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2010年04月27日(Tue)

第9地区 映画

先日、MOVIXにて「第9地区」(ニール・ブロムカンプ監督)を観てきました。

あー、これ好き。好きな映画だわー。どこが好きッて、フェイクドキュメンタリーの中に宇宙人が出て来る、といふところ。私はとっさにシャマランの「サイン」を思ひ出しました。
「サイン」は別にフェイクドキュメンタリーではありませんが、劇中で流されるニュース映像(これがフェイクドキュメンタリーですね)に宇宙人が登場するシーンがあるのです。これが、最高! 世間ではイマイチ不評みたいな「サイン」ですが、私はあのシーンだけでオッケーぢゃないか、と思ってしまふのです。

この映画では、ずうっと宇宙人がドキュメンタリー調に扱はれてゐて、個人的にはたまらなかったです。宇宙人がギャング団を組んでゐて、家の壁にギャングサインが書いてあるのとか、最高ー。

さういへば、私はギャング団が出て来る映画も好きなのであった。
この映画は舞台が南アフリカなので、南アの黒人ギャング団も登場して、それがまた良かった。アメリカ映画に出て来る黒人やチカーノのギャング団も確かにいいのですが、アフリカのギャング団、といふのがまたムチャクチャでいい。明らかにアメリカのギャング団の影の下にありながら、それでも地域色がある、といふ所が趣き深い。「ブラッド・ダイヤモンド」や「ロード・オブ・ウォー」とか、もうアフリカのギャング団が出て来る、といふだけでオッケーですから。
あと「グラントリノ」ではモン族のギャング団が出て来て、もう悶絶。あの映画は、モン族のギャング団をスクリーンに登場させた、といふ功績で映画史に残るでせう。

しかし、この映画では別に宇宙人のギャング団が描かれてゐるのではなく、宇宙人に対する差別が描かれてゐるのであった。まぁ、簡単にいへば、宇宙人をダシにして差別・差別・差別を描いてゐる訳で、我々は宇宙人をダシにして、我々自身の愚かさ・醜さ・滑稽さを大笑ひできるといふ案配。現実に我々人類の愚かさを見せつけられると、笑ひより先に怒りや絶望が沸き上がってきてどうしようもなくなるものですが、フィクションだと笑へるのでいいですね。はははー。

といふ訳で、宇宙人は現在も新居住区で増殖中なのであった。

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