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2009年11月20日(Fri)

THIS IS IT 映画

先日、映画「THIS IS IT」を観て、いたく感動いたしました。
これはマイケルの突然の死によって幻となってしまった“マイケル・ジャクソンロンドン公演”の、リハーサル時に撮ってゐた映像によって構成された作品です。特に凝った編集や仕掛けがなされるでもなく、淡々と残された映像が繋がれていくだけの作品なのですが(むろん、多少の工夫はありますよ、そら)、それが何故、ここまで静かな感動を呼ぶのか。それはやはり、マイケルの放つオーラ・磁場の威力によるものでせう。

マイケルの放つオーラ・磁場は強力です。その場に居る全ての人間を、否応がなく<マイケル・ジャクソンの世界>へ引き込み、その世界の登場人物にしてしまふ。時空をねじ曲げて、そこに<マイケル・ジャクソンの世界>を現出させてしまふその力は、根本さんのいふ“因果系宇宙”の力にあたるでせうが、勝新が自分のバックにオーケストラを持ってゐた様に、マイケルは自分のバックにネバーランドを持ってゐたのです。その事が、はしなくもよく顕はれてゐる映画でした。

幻に終はったコンサートのリハーサル映像、といふのもよかったでせう。我々はこの映画をよく観る事によって、実はこの映像はロンドン公演のためのリハーサル映像ではない、といふ事に気がつきます。マイケルが、<マイケル・ジャクソンの世界>を現出させるために日々行ってゐた常住坐臥を映した映像なのです。この作品を観て沸き上がってくるのは、「もしこのロンドン公演が実現してゐたらどんなに凄かっただらう」といふ想ひではなく、「マイケルは常にネバーランドをこの世に現出させてゐたんだ!」といふ驚きと尊敬の念です。
我々の様な凡人は、マイケルの様な偉人の放つ磁場に触れる事によって生きる力を得るのであらうなぁ。

マイケルはネバーランドの主ですから、全てを統御し、指示を出します。時には皆がそれについて行く事ができなくて、いらっとくる事もありますが、決して本気で怒ったりはしません。なぜなら、みんなネバーランド=マイケル・ジャクソンの世界の大切な登場人物であり、そこで起こる全ての事は、マイケルが主宰してゐるからです。
「怒ってるんぢゃないよ。ラブだ。L・O・V・E」
マイケルは静かにさう言ひます。

私も明日から、いや今この瞬間から、思はずイラっときてしまった時は言おうと思ひます。
「怒ってるんぢゃないよ。ラブだ。L・O・V・E」
そしてターンをきめて、フゥー!!!

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