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2009年06月07日(Sun)

ムーミン 読書・文学

最近は、ずうっと「ムーミン」を読んでをりました。
「ムーミン」といへば、我々の世代なら、「ねぇ、ムーミン」のテレビアニメといふ事になるんですが、私、多分この番組は見てゐたと思ふものの、全く記憶にありません。オープニングの歌とその映像、登場人物の名前や性格くらゐは覚えてゐるのですが、話を全く覚えてゐない。トモコなんか、よく覚えてゐるのですが、うーむ、はて。

ま、私は幼い頃の記憶は「ムーミン」に限らずほとんどないんですけどね。

で、なんだか近頃世間では「ムーミン」が少しばかり流行ってゐる様なので、トモコの持ってゐるムーミンの本でも読んでみようかと。かういふ次第だったのです。

すでに「ムーミン谷の彗星」「たのしいムーミン一家」「ムーミンパパの思い出」「ムーミン谷の夏まつり」「ムーミン谷の冬」「ムーミン谷の仲間たち」「ムーミンパパ海へいく」の6冊を読み、あとは最後の「ムーミン谷の十一月」を残すのみとなってをります。(ちなみに、ムーミン前史みたいな「小さなトロールと大きな洪水」といふ作品もあるのですが、これは持ってないので私の読書計画からは一応除外です)
最初の二冊は「ふーん」てな程度だったんですが、「ムーミンパパの思い出」あたりからドンドン面白くなってきて、昨日読み終えた「ムーミンパパ海へ行く」なんか、「おお!」と叫んでしまふ程の面白さ。といふか、なんか凄い作品でした。

「ムーミン」といへば、ムーミン谷で様々な架空の動物たちの繰り広げる、ほのぼのとした牧歌的な日常を描いた作品、といふ風に思ってゐる人もをられるのではないでせうか。いや、私はトモコから「ムーミンはそんなんぢゃないわよ」ときかされてゐたので、さうではないと分かってゐたのですが、それでもこんな作品だとは思ってゐなかった。

作者のトーベ・ヤンソンは、もともと童話作家とかではなく、芸術家です。本人のアイデンティティは画家、なのかな。
だからなのか、作品の根底に、安定した日常の拒否と変化や破壊への衝動が、ドクドクと流れてゐるのです。お話も、安定した秩序がドンドン壊れていく、といふものが多い。ムーミンの家が洪水で流されたり、みんなが冬眠してゐる間に家の中がグチャグチャになったり、平和な日常に耐へかねてムーミン谷を捨てて旅に出たり、泥場で義父を殺したり・・・・・・。
(あれ?なんか違ふ話が混じってるかな?)
むろん、最後には必ず全てが丸く収まるのですが、それも、「ムーミンパパ海へいく」でムーミン谷を捨ててからは、どうなるか分かりません。最後の「ムーミン谷の十一月」でどういふ展開をみせるのか。予断は許さない、といった所です。

ところで、ムーミンたちはみんなコーヒーが大好きなんですね。そこがいい!スナフキンやパパはタバコも大好きです。で、それを「身体に悪いから、そんな悪習慣はやめなさい」と咎めるヘムルとかが出て来るのですが、それに対してムーミンママが「おいしいものが身体に悪い訳ないでせう」と非科学的な答へでみんなを慰めます。そして、みんな安心してコーヒーをガブガブ飲み、タバコをプカプカふかすのです。それがいい!ですねー。

さて、そろそろラストの「ムーミン谷の十一月」にとりかからなければならないのですが、これでみんなとお別れしなければならないかと思ふと、どうもなかなか読み出せません。うーむ。ま、まだ絵本やマンガでムーミンの世界はある訳なんですけれど・・・。

Comments

投稿者 サエコ : 2009年06月13日 18:45

ムーミン・・・にわかに興味が湧いてきました。
遠い過去に1冊だけ読んだことがありますが、にょろにょろ初登場の話だったと思います。
たしか、案外危険な生き物でしたよね。
だれか女性の髪の毛を焦がしたとか、感電させたとか、そんな感じだったような。
トモコさん、ムーミンも完備とは恐れ入ります。

投稿者 店主 : 2009年06月15日 01:03

にょろにょろは電気を帯びてゐるのです。で、言葉も通じないし、大挙して移動してゐるので、みんなに不気味がられ、危険視されてゐる、といふ訳です。
ちなみに、にょろにょろは本当はハッティフナットといひます。

ムーミン、面白いですよー。

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