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2008年02月03日(Sun)

オバケ 京都

 本日はオバケに遭ひました。

 仕事が終はつてトモコと共に家路を辿る午前2時(すでに日付は2月4日ですが)、木屋町三条あたりでトモコが声をあげました。

「あ、オバケ!」

 私が慌ててトモコの見てゐる方をみると、鬼(?)の格好をした人がタクシーに乗り込むところでした。ああ、確かにオバケだ。さうか、今日は節分だつたなァ、と私は得心したのです。それにしても、京都に来てオバケを見たのは、多分初めてです。

 ちなみに訳の分からない人のために説明しますと、“オバケ”とは、節分の日の夜に除災招福のまじなひとして行なふ変身行為(=お化け?)の事です。京都では、主に花街の方で行はれてゐる様ですが、一般人の間でも、節分の夜には“何かに化けて”楽しんだりする人もゐる、といふ話を、私は以前から聞いてゐて、興味深く思つてゐたのです。で、いつかオバケを見てみたいなー、と思つてゐたのですが、なにせ節分の夜は一年に一回ですからね。普段は忘れてゐたのですよ。それが、たうたう見てしまつた!

「今日は花見小路を通つて帰りませう」

 なるほど! 花街では舞妓さんたちが、様々なものに化けてお座敷を廻つてゐるといふ話。そのお座敷からお座敷へと移動する途中のオバケに遭へるかもしれない。私とトモコはいそいそと花見小路へと向かひました。ミーハーだな、我々も相変はらず。

しかし、時間は深夜2時半頃。さすがに誰も歩いてゐません。これは、一寸遅過ぎたかー、と残念がりながら歩いてゐたところ、バッタリ! 舞妓さん一人に丁髷さん(侍? お小姓? チンドン屋?)二人の三人組に、街角で遭遇しました! 丁髷さんは、舞妓さんのオバケでせうね。明らかに女性でしたし。やー、遭へた遭へた! なんか、いい事がありさうだー、とか、勝手に思つたのでした。いや、オバケに遭へばいい事がある、とかいふ話は聞いた事がないですけどね。でも、なんとなくー。

 ここで私は、ハタと思ひ出す事がありました。実は今日(2月3日)の出勤途中、バスの中から四条通りで、とてつもなくヘンテコリンな舞妓さんを見たのです。いや、もちろん本物の舞妓さんではありません。全然似合つてなかつたし、そもそもケータイ片手に歩く姿が下品すぎる! とても着物の人とは思へない立ち居振る舞ひだつたのです。私は、「あー、これはあの“舞妓変身サロン”といふ奴だな。観光客相手の。全く、いくら商売になるからッて、ひどいよなー。恥ずかしすぎる」と顔を顰めてゐたのですが、今思へば、あれはオバケだつたのかもしれません。オバケには、舞妓変身サロンを使つて、男性が舞妓に化ける、といふバージョンもあるさうなのです。うん、あれは男だつた様な気がする…。

 それにしても、真ッ昼間のあれだけ人通りの多い四条通りにオバケが出現するとは…。京都とは恐ろしい街です。

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