椿三十郎 [映画]
話題の『椿三十郎』のリメイク映画(角川春樹製作・森田芳光監督)を観に行きました。
と、いふのはウソで、観に行つたのは私ではなく、ババさんです。
私は、まー、最初から観に行く気は全くなかつたのですが、一点だけ気になる事がありました。それは、アレをどう処理するか、といふ事です。『椿三十郎』といへば、アレ。なので、多分、みんなもそれが気になつてゐるとは思ふのです。そこで、ババさんにきいてみました。
「さうさう、アレでせう。アレは……なかつたです!」
ええ?? なかつた、とは、どういふ意味ですか?
「つまり、スルーです。他の所は全く同じ脚本でやつてゐるのに、アレだけないんですよ」
むむむー、それは…、確かに、アレはハプニングであり、脚本にはない事でせうが、しかし、『椿三十郎』といへば、アレでせう。
「さうなんですよ! アレのない『椿三十郎』は『椿三十郎』ぢやない!」
さうですよねー、みんな脱力してたんぢやないですか。
「いや、周りはみんな『椿三十郎』初見といつた感じの若い人たちばかりでした。しかし、それだけに…う〜む、角川春樹の意図が分からん」
角川春樹は何か言つてないんですか?
「一応、これは初見の若いひとたちに向けて作つた、とは言つてゐますが」
ふうむ。もしかして、ネタばれを防いだんぢやないですか。
「ネタばれ?」
ええ、この映画を観た若い人たちが、あー、オリジナル版も観てみるかー、とか言つて黒澤版を観てみる。と、あー、やはり同じ話だなー、とか思つて安心して観てゐると最後に…ウワアアア!!! と。「ポン! なるほど。それなら分かります。…でも、若い人たちはこれを観ても、オリジナルは観ないんぢやないですか?」
さうかもしれませんね…。
ドバ! ウワアアアアア!!!
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