セッソ・マット [映画]
京都駅ビルシネマで『セッソ・マット』(ディーノ・リージ監督/1973年)を観ました。
これは70年代のイタリア映画で、ま、艶笑譚の寄せ集め映画です。音楽がアルマンド・トロヴァヨーリで、このサントラが、かの90年代のサントラブームの時にカルト化した事で有名。私もサントラは持つてゐて、当時かなり愛聴し、一体どんな映画なんだ? と妄想を膨らませてゐたものでした。
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あれから10年以上の月日が流れ、いまさら…、といふ気持ちがないではなかつたのですが、やはり観ておかなくては! と思ひ立ち、敢然と駅ビルシネマ会場に向かつた、といふ次第です。
で、やはり、観て良かつた〜!!!
ジャンカルロ・ジャンニーニ & ラウラ・アントネッリといふ主役二人の素晴らしさもさる事ながら、衣装、インテリア、建築、等がどれも洒落てゐて、お話もチープでクールで悦楽的。それらが駘蕩たるイタリアの風景の下に展開されるのを観てゐると、これぞ映画を観る至福だ! と膝を叩きたくなりました。
私は奇しくも本日で38歳になつたのですが、すでに生きる事に飽いてしまつた…などと索漠たる気持ちに襲はれること一再ならずとの体たらくだつたりしたりするかもしれない、そんな日々を荏苒と過ごしてゐたりする訳ですけれども、そんな私に“人生ッて素晴らしいかも”と思はせてくれる、正に早朝の気に満ちた作品。デ・シーカの『昨日・今日・明日』をB級にした様な作品でもあるのですが、それが人に生きる力を与へるパワーにおいては、デ・シーカ作品に勝るとも劣らない、と感じました。
私もイタリアに移住するかな(うそ、うそ)。
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