映画の秋 [映画]
サトウさん夫妻が来店されました。
「やー、『河童のクゥ』を観てないんで、ババさんに怒られたんですよ」
と、サトウさん。
確かに『河童のクゥ』はババさんのこの夏一押し作品。でも、サトウさんが観てゐない、とは?
「昼間しかやつてないんですよね。だから、仕事が終はつてから駆け付けられない。最近はみんなさうですよ。子供映画だから、といふ事で、夜はやらない。昔は『ドラえもん』でも『クレヨンしんちゃん』でも、夜までやつてたんですが…」
なるほど。映画館側が合理化を推し進め、世知辛くなつてゐるんですね。さういへば、最近はやたら吹き替へも増えた様だし。むろん、子供向け、と興行側が判断したもの、『ファンタスティックフォー』とか、が吹き替へ化されてゐる訳なんですが、なんだか嫌ですね。合理化、なのか、マーケティング、なのか、迎合、なのか。
「ボクもやる側なんで、映画の興行が苦しいのは分かるんですよ。でも、やはり一寸今の傾向は寂しい…。だから、ボクなりに色々と努力はしてゐるんですが、なかなか力及ばずで…」
いやいや、そんなサトウさんの努力・苦心は、みなみ会館の素晴らしいラインナップを見れば、よく分かります。が、それだけに留まらず、京都駅ビルシネマでは、イタリア映画祭を敢行。そこではバールを併設し、なんとか公共空間としての映画館、といふのを再興しようとしてゐるではないですか。
サトウさんは、さらに滋賀会館でも、昭和の古い映画ホールを使つて、毎月特集上映を試みてゐます。10月の特集上映は「武満徹特集」。武満徹が映画音楽を担当した映画の特集上映で、『怪談』『心中天網島』『自動車泥棒』…など、ブッ飛びのセレクション。み、観たい!!!
さらに、10月6(土)7(日)は滋賀では“大津祭り”なるものが催されてゐて、これは祇園祭の様に街中を山車が廻る、といふもので、さらにその山車がカラクリ仕掛けになつてゐるといふ、なかなか観て楽しいものとのこと。映画を観にきたついでに祭りも見られる、といふ、サトウさんの気の効いた計らいです。
う〜む、私も歌舞伎ばかり観てないで、映画も見ないと。
てな訳で、映画の秋。シネコン以外の映画館にも足を運んでみては如何でせうか。
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