京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

「断オパールをやつてました。どこまで続けられるかと。う〜ん、長かつた…」

　そんなもの、やらなくていいやん！　意味が分からん。むむむー、powerくんのおかげでオパールは火の車だよ。

「ハッハッハ、実は重大発表があります！」

　なに？

「えー、実はー、今度の11月にイタリアに移住します！」

　えええー！　なんでまた！

「やー、昨年イタリアに旅行した時に、ここに住んでみたい！　と思つたんですよ。で、もしやるなら今しかない、今を逃すとリタイア後になる、そんなに待てない！　と、なつたんです。ボクは思ひ立つたらすぐに実行するんです！」

　す、凄いなー。仕事も辞めて、奥さん連れてでせう。大したもんだ。

「とりあへず、語学学校に通ふんですけどね、学生ビザで。その間に、職を探します。でも…なかなか大変なんですよ、イタリアで外国人が就職するのは。国自体が外国人を雇はせない方針をとつてゐるんです」

　ほう、どんな？

「たとへば、外国人を雇つてゐる企業は、その外国人に払つてゐるのと同額のお金を政府に納めないといけないんです。だからもしボクを月給20万円で雇つたら、政府にも20万円納めないといけないので、結局40万円で雇つてるのと同じになるんですね。これは、厳しい！」

　うーん、確かに。

「でも、そんな事は別にいいんです。ボクの頑張り次第です。真に酷いのは……大使館・領事館の連中ですよ！」

　イタリア大使館？

「さうです。イタリア大使館・領事館で働いてゐる日本人たちです！　いや、奴らは日本人ぢやない、ていふか、人間ぢやない！　人でなしです！」

　ははは、日本は官尊民卑の国だからね。役人は大抵ろくでもない連中だよ。

「いや、ほんと、どうやつたらそこまでエラさうに、失礼な態度がとれるのか。何を勘違ひしてそこまで高圧的なのか。不思議で仕方が無い。ボクは昔、輸入の仕事をしてゐたぢやないですか。その時に、税関の人間は酷い！　人間のクズだ！　と思ひましたけど、それより酷いです。正に人でなし。もう一度小学校ぐらゐから人との付き合ひの仕方を勉強し直したらどうですか？　と、言ひたくなります。」

　あ、でも大使館・領事館の人間ッて、役人かな？　上の方は間違ひなく官僚だらうけど、下で働いてゐる人間は…？　う〜ん、でも官僚であらうがなからうが、自分が何か大きな組織に属してゐる、といふだけで何か自分がエラくなつた様に勘違ひする人間ッて居るからね。民間でも大企業とかに居る。人間としては最低の部類だねー。でも、ビザをとるためには泣く泣くそんな人たちとつき合はないといけない、と。大変だな。

「さうなんですよ！　最低です。ボク以外にも、酷い目にあつて泣いてる人たちがイッパイ居るんです。ボクも泣きさうです！　ほんと、何とかして下さいよ！！」

　そ、そんな事を私に言はれても……。