春駒 [etc]
鹿児島のトモコの親戚の家からお菓子が送られてきました。
色々とあつたのですが、私の注目したのは「春駒」といふお菓子。トモコは「ああ、春駒ね。私はかるかんの方が好き」と平気で言つてをりましたが、私はその茶色でネットリとした長い棒といふ形状(外郎に似てゐる)と、「春駒」といふ駘蕩たる名前との間に激しい違和感を覚へ、トモコに名前の由来を尋ねたのです。
「えーと、確か、“春駒”といふのは馬の名前よ。で、その馬の糞に形が似てゐるから、とか、そんな理由だつたと思ふわ」
ええー、さうなのー? 普通、そんな理由で名前をつけるかなァ? お菓子だよ、お菓子。馬の糞に似てゐるから、なんて。確かに奈良には“鹿の糞”とかいふネーミングのお菓子があるけれど……。
と、更なる疑問が重なつた所で、箱の中にお菓子の名前の由来が書いた紙を見つけました。それによると…案の定、トモコの説明は全く違つてゐたのです。
その由来書きによると、このお菓子はその形状が“馬の一物”に似てゐたため、もともと“うまんまら”と呼ばれてみんなに愛好されてゐたのが、ある時、お殿様から「そんな呼名は女供の前などでは悪いから春駒と呼べよ」と言はれて、以後“春駒”となつた、との事です。う〜ん、“馬の糞”ではなかつたが、“馬の一物”であつたか…。
かういふのが、薩摩男子の気風、ッて奴なんでせうか。
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