京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > 元店主の日記 >

サブメニュー

検索


月別の過去記事


2007年08月21日(Tue)

過激派 憂国

 フクオカくん来店。

「最近ね、先輩からアレフ(アラフ)に誘はれてるんですよ」

 え? アレフ? …あの、宗教団体の?

「いやいや、違ひます。A、L、F、です。動物愛護団体の」

 ああ、A、L、F。動物解放戦線だな。あー、ビックリした。宗教団体のアレフかと思つた。ま、アレフぢやなくてA、L、Fなら…ッて、似た様なもんか。でも、どうしてまた?

「やー、先輩が嵌ッてるんですよ。A、L、Fのサイトやビデオを無理矢理見せられて、『オレも入るからお前も入れ』とか言はれてるんすよー。でも、アレッて、どうなんですか?」

 うーん、フクオカくんはどう思つたの?

「んー、なんかー、実験動物を救ふとか言つて、研究所に忍び込んで動物たちを盗み出すんですがー、その後に研究所に放火したりしてるんですよ! その様子を誇らしげに公開したりして。なんか、をかしい。やりすぎ」

 うん、正に。彼らは過激派だからね。やりすぎ。フクオカくんの感覚は正しいと思ふよ。彼らは自分たちが絶対の正義だと信じてゐるからねー、たまらんよ。ブッシュ政権と同じ。ッていふか、ほんとに同類みたいなもんかも。

「さうなんですか?」

 うん、ブッシュ政権を支へてゐるネオコンといふ連中も、元左翼だからね。80年代に共和党に大量入党した(そして共和党を乗ッ取ッた)元左翼の連中を、ネオコンと呼ぶんだ。彼らは民主党の生温いやり方にあきたらず、力で自分たちの正義を成就しようと考へたんだ。そこで、共和党に入つて、ニューヨーク財界、ユダヤ財閥らと繋がり、力(パワー)を手に入れて、現在に至る帝国主義政策を推し進めてゐるといふ訳。A、L、Fの連中も、従来の左翼運動の生温さにあきたらず、過激化した訳だし。“過激化”とは要するに“暴力で全て解決しようとする”といふ事でせう。で、肝心の連中の資金源はといふと…よく分からないけど、多分似た様なところだと思ふよ。怪しい。

「ふーん。あ、それからその先輩、タバコをやめろッて煩いんですよ。タバコを吸ふ事でどれだけ損をしてゐるか、他人に迷惑をかけてゐるか、とか。ズウッと喋つてるんです」

 むむむー、分かりやすい先輩だな。多分、地球温暖化も信じてるだらう。そのうちきつと、地球温暖化反対運動に誘はれるよ…よし、フクオカくんにはマイケル・クライトンの『恐怖の存在』を勧めよう。これを読んでおけば、先輩に対抗できる! A、L、Fの後ろ盾になつてゐるELFをモデルにした小説だし。

恐怖の存在 上 (1) (ハヤカワ文庫 NV ク 10-25)
マイクル・クライトン 酒井 昭伸
早川書房 (2007/08)
売り上げランキング: 5771

「やー、ボク、本なんか読まないしー」

 ははは、さうか。さうだよなー。

Comments

コメントしてください





※迷惑コメント防止のため、日本語全角の句読点(、。)、ひらがなを加えてください。お手数をおかけします。


※投稿ボタンの二度押しにご注意ください(少し、時間がかかります)。



ページトップ