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2007年07月04日(Wed)

地球温暖化 憂国, LOHAS

 雑誌「Newton」8月号を読みました。今号の特集は「地球温暖化」。“人類が直面する最大の課題62ページ”“その「原因」と「影響」を徹底検証!”と銘打つてゐて、人類が迎へてゐるこの未曾有の危機を如何に乗り越へるか、といふ熱い記事が紙面に溢れてゐます。

 ところで、話の腰を折る様ですが、本当に地球は温暖化してゐるのでせうか?

Newton (ニュートン) 2007年 08月号 [雑誌]

ニュートンプレス (2007/06/26)

 世の中には地球温暖化に関して三つの立場があります。ひとつは、地球は温暖化してゐる、といふもの。二つ目は、地球は温暖化してゐない、といふもの。そして最後は、温暖化してゐるかゐないかは分からない、といふものです。

 ちなみに、私は最後の立場です。が、最近は世間では、地球は温暖化してゐる! といふ意見が強過ぎて、一寸どうかな、と思ふのです。これは80年代以来の鉄則ですが、「エコロジーは金になる」のです。だから最近の地球温暖化騒ぎのウラには、利権と政治が渦巻いてゐるのではないか、と邪推してしまふといふ訳です。

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 さて、ほんの数年前までは、地球は温暖化してゐない、といふ意見も結構きかれました。2004年にはマイケル・クライトンが『恐怖の存在』といふ本を書いてゐます。私は未読ですが、この本は“地球は温暖化してゐない”といふ立場から書かれてゐて、その立場に立つ主人公たちを、“地球は温暖化してゐる”派の人たちが妨害する、といつた内容の様です。ババさんに本だけは先日借りたのですが、巻末には“地球は温暖化してゐない”といふ説の根拠となる参考文献が多く附されてゐて、なかなか迫力があります。

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 ところが、この後に例のゴアによる『不都合な真実』が出て、事情が一変しました。これは、“温暖化してゐない”派が“温暖化してゐる”派を妨害する、といふ、『恐怖の存在』と正反対の作品な訳ですが、これ以降、“温暖化してゐる”派は大きく幅をきかし、「ライブ・アース」などの胡散臭いキャンペーンをバンバン打つて、ほとんど“温暖化してゐない”派を圧殺するまでになりました。しかし、コレッてどうなのでせうか。

 私がこの“温暖化してゐる”派と“温暖化してゐない”派の戦ひの話をきいて、まづ思つたのは、“温暖化してゐない”派のバックには国際石油資本が居るのではないか、といふ事です。ハッキリ言つて、科学は政治に大きく従属します。誰がその研究に金を出してゐるのか、によつて全く正反対の研究結果が出るのはよくある事です。だから、温暖化してゐる→省エネ→石油を使はない、となつたら困るので、国際石油資本が“温暖化してゐない”といふ研究を支持してゐるのではないか、と思つたのです。ところが! 事実は逆でした。BPやシェブロンなどの石油メジャーは、“温暖化してゐる”派なのです。それどころか、積極的に温暖化対策の旗ふりを務めてゐます。これは一体どういふ事なのでせうか。オパール内の“温暖化してゐない”派の急先鋒、ババさんに話を聞いてみました。

「そりゃー、今や地球温暖化反対は絶対の正義ですからね。温暖化対策をやれば金が出るんです。政府が税金を使つて、莫大な“温暖化対策費”をバラまいてゐます。石油メジャーは、積極的に温暖化対策の旗ふりをする事によつて、それらの金を貰つてゐるんですよ。さらに、温暖化対策とは、石油に代はるエネルギーの開発を含みます。原発とか。これらの施設を作るのに、また大量の石油が要るんですよねー。だから、温暖化対策をやればやるほど、石油をガンガン使ふ事ができるんです。ゴアも、温暖化反対を訴へるために世界中を飛び回つてますからね、飛行機で。もう、石油はガンガン消費されます。“ライブ・アース”みたいな大規模なロックコンサートをやれば、これまたガンガン石油が消費されます。石油メジャーにとつてはウハウハなんです。全く、地獄への道は善意で舗装されてゐるんですよ…」

 な、なるほどー。

 ところで「Newton」に戻りますが、この特集でも冒頭に「地球温暖化は本当か?」といふ章が設けられてゐます。むろん、結論は“温暖化してゐる”なのですが、どうにもこの論拠が弱い。要するに、世界平均気温が上昇してゐる、海面が上昇してゐる、といふのが論拠な訳ですが、こんなもの、それこそ本当かどうか分からない。政治が絡んだ問題ですから。それに、たとへこれらが本当だとしても、私は前から疑問に思つてゐる事があるんですねー。それはかういふ事です。

 私はその昔、根本順吉博士の本を読んでゐて、非常にショックを受けた事があるのですが、それは、現在は地球規模でみると氷河期にあたる、といふ事実なのです! 正確に言ふと、氷河期の中の例外的に暖かい時期“間氷期”にあたるといふ事なのです。間氷期とはいへ、氷河期の一部な訳ですから、氷河期ぢやない時期に較べれば格段に寒い訳です。確か、10度近く寒い。つまり、温暖化派の人たちは“この100年で0.74度も気温が上昇した! ”“あと2〜3度気温が上昇すれば我々は滅ぶ! ”と騒いでゐる訳ですが、それはをかしいんぢやないか、といふ事です。確かに、スピードの問題はあります。あまりに急激に気温が上昇するのは問題でせう。それにしても、やはり温暖化派の人たちの言ふことは、脅迫的に過ぎる、と思ふのです。

 で、実は最も大事な記事は特集の最後にあります。スタンフォード大学教授のスティーブン・シュナイダーといふ人のインタビューが載つてゐるのですが、その中でIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第四次報告書について述べられてゐます。それによると、「現在温暖化が進んでゐることは疑ひの余地がない」と、その報告書に述べられてゐるといふのです! 「疑ひの余地がない(unequivocal)」といふ“科学者としては異例の表現”が使はれた、とシュナイダー博士は言ふのですが、これはどういふ事なのでせうか。

「疑ひの余地がない」といふからには絶対に正しい、と、いふ事ではありません。そもそも科学に“絶対”はありません。それは科学的な態度ではない。宗教、あるいは政治的な態度です。つまりこれは、温暖化問題は科学である事をやめ、宗教あるいは政治的な問題となつた、といふ事なのです! うーむ。

 最後に確認しておきますと、私は温暖化してゐるかしてゐないか分からない、といふ立場です。さらに、たとへ温暖化してゐるとしても、それがどれほどの問題なのか、いい事なのか悪い事なのか、も分からない、といふ立場です。みなさんは、どうでせうか。

Comments

投稿者 まつのオヤビン : 2007年09月19日 10:47

はじめまして。

興味深く拝見させて頂きました。

私も昨今の「CO2温暖化ラプソディ」には、かなり政治的意図が働いていると感じています。

私も拙ブログにて、「地球温暖化と原発推進」という視点で記事を挙げてみました。

お暇な時にでも覗いてみてください。

http://blog.duogate.jp/matsu4914/

投稿者 店主 : 2007年09月19日 12:08

まつのオヤビンさん こんにちは!

ブログ拝見させていただきました。なるほど〜、と色々勉強になりました。なによりまつのオヤビンさんの、情報操作に惑はされず、自分の頭でまづ考へてみる、といふ態度に感銘を受けました。これこそ、今の日本人に最も必要とされてゐる、でも決定的に欠けてゐるものでせうね。
これからもブログ頑張つて下さい!

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