京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > 元店主の日記 >

サブメニュー

検索


月別の過去記事


2006年11月20日(Mon)

硫黄島の砂 映画

 DVDで『硫黄島の砂』(アラン・ドワン監督、1949年)を観ました。

 この映画は『父親たちの星条旗』のパンフレットで蓮實重彦が、イーストウッドの当該作品と深い饗応関係にある、と指摘してゐたもの。それは是非観なくてはならん! と、レンタルビデオ屋さんに走つた、といふ次第です。

 主演はジョン・ウェイン。海兵隊を指揮する鬼軍曹である彼は、新兵たちを一人前の戦士に鍛へあげ、タラワ島、硫黄島と彼らを率ゐて転戦します。が、最後に硫黄島での戦闘中に死亡し、同時に擂鉢山に“例の星条旗”が立てられ、それが映画のラストを飾るシーンとなつて、海兵隊の勇気と活躍が讃へられながら幕を閉ぢる、といつた映画です。確かに『父親たちの星条旗』は“例の星条旗”を巡つての映画であるので、この『硫黄島の砂』は当然踏まえられてゐるでせう。『父親たちの星条旗』との饗応シーン、実際の硫黄島での戦闘を収めたと思はれる映像の挿入、など、様々な意味で興味深く、堪能できました。

硫黄島の砂
硫黄島の砂
posted with amazlet on 06.11.29
ビデオメーカー (2006/03/22)
売り上げランキング: 20933

 で、私は色々と下らない事に気を取られたりしてゐたのですが、まづ蓮實重彦の記憶違ひ。蓮實重彦が、擂鉢山のふもとでの出来事、と論評で引用してゐるシーンが、実はタラワ島での出来事だつたんですねー。ま、それでも『父親たちの星条旗』との饗応関係は見て取れるので些細な事実なのですが、あの蓮實重彦でさへ記憶違ひをするんだなー、と興味深く思つたのです。確かに、あの淀川長治なんかも映画の解説は記憶違ひだらけでしたから、映画を記憶するのは“不可能”なのかもしれません。ちなみに、私は昨日観た映画の事もよく覚えてません。

 次にこの『硫黄島の砂』の原題ですが、『THE SAND OF IWO JIMA』なんですねー。『いわうじま』と。先日スウェイさんから指摘のあつた通り、『硫黄島』の正式名称は『いわうたう』の様です。それがいつから『いわうじま』と言ふ様になつたのか。やはりアメリカ人が『IWO JIMA』と呼んでゐて、それがハリウッド映画なんかを通じて日本にも浸透したといふ事なのでせうか。ハリウッド映画はアメリカの洗脳装置、といふのは本当なのかもしれません。ちなみに、上坂冬子さんの著書を読んでたら、「硫黄島」に「いおうとう」(原文ママ)とちやんとルビが振つてありました。

 次は「硫黄島の英雄」(デルバート・マン監督、1961年)を観てみたいと思ひます。(レンタルビデオ屋さんにあれば、ね)

Comments

コメントしてください





※迷惑コメント防止のため、日本語全角の句読点(、。)、ひらがなを加えてください。お手数をおかけします。


※投稿ボタンの二度押しにご注意ください(少し、時間がかかります)。



ページトップ