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2006年09月28日(Thu)

ジャコメッティ展 アート

 兵庫県立美術館に「ジャコメッティ展」を観に行く。ジャコメッティと言へば、あの細〜〜〜〜いブロンズ像が浮かぶだらうけれど、もちろんそれら細〜〜〜〜いブロンズ像も展示されてゐるものの、ジャコメッティは絵もかなり描いてゐる訳で、その絵も同程度展示された展覧会となつてゐた。

 会場をウロウロとしてゐるうちに、私の頭に浮かんできたこと、それは、なんかどれもこれも未完成作品に見えるなー、といふこと。それは作業を途中で放棄した、といふ意味ではなく、どこまでも続いてゐる、といふ意味なのだけれど、要するに生涯賭けて“あるもの”を追ひ求めたが故に、全ての作品がその追及の試みのひとつになつてゐる、つまりは完成がない故に全てが未完成に見えてしまふ、といふ事なのだ。これぞ典型的な近代の芸術家で、美や真の追及の過程そのものが作品となつてしまふ。だから、新聞の端やノートの端に描かれた落書きなんかも“作品”として展示されてゐて、それは面白かつたのだけれど、それらの“作品”の題名が「三つの頭部と落書き」「女性像と落書き」などとなつてゐるのに対しては、思はず「全部落書きやらう!」とツッコミを入れたくなりました。

 今回は美術館周辺に六甲颪が吹いてをらず、少し寂しかつたです。

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