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2006年08月17日(Thu)

富本憲吉展 アート

 京都国立近代美術館にて「生誕120年 富本憲吉展」を観る。富本憲吉は“現代陶芸の祖”とも言はれる人で、確か人間国宝の第1号、でもあつた様な気がする。

 それまでの“職人として”ではなく、“芸術家として”陶芸に取り組んだ最初の人で、大学で建築と室内装飾を学んだ後、ウイリアム・モリスに共感して英国に留学し、帰国後にバーナード・リーチとの交遊のもと初めて陶芸に取り組んだ、といふ経歴の持ち主である。ま、当時のエリートですな。で、従来の職人がする様な、伝統的な模様・柄を習得して自らのものとして受け継いでいく、といふやり方を否定し、自ら新たな模様・柄を多く考案した。それらは清新でありモダンであり、高い美意識に裏打ちされた緊張感に満ちてゐる。うむ。写真を見ると、老年の富本憲吉は、引き締まつた三国連太郎の様である。ううむ。

 と、まァ、古き良き時代を思はせるなかなか楽しい展覧会であつたのだけれど、陶芸とかの展覧会でいつも思ふのは、やはりこれ、触らないと分からんだらう、といふ事。て、いふか、触つてみたい。ガラス越しに見るだけでは、どうにも隔靴掻痒の感は拭ひきれない。是非触らせて下さい。…ッて、やはり無理か。

 ところで富本憲吉の作品ッて、いくらぐらゐで買へるのでせうか。いや、別に買ひませんが、参考までに知りたいと思つて。(ッて、何の参考なのか)

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