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2006年01月05日(Thu)

オリジナル『キング・コング』 映画

 DVDで『キング・コング』を見る。先日観たピーター・ジャクソン版『キング・コング』ではなく、1933年に作られたオリジナル版だ。

 これがまた! とんでもない傑作映画であつた。むろん白黒映画であり、CGもなく、主にクレイアニメーションと合成映像による特撮映画である。だからといふ訳ではないが、私は多少軽い気持ちで見始めてゐた。私は常々昔の映画の方が断然面白いよなー、と考へてゐるものだが、それでも特撮モノといふ事になれば、自身そこまで興味がない事もあつて、ま、当時ならともかく今ではどうなの? といふ気持ちがあつたのは確かである。それが、見事にやられてしまつた。これ、ピーター・ジャクソン版より凄いやん! …そんなアホな、と言はれる方もをられるかと思ふが、いや、個人的にはオリジナル版の方が凄いと感じた。面白かつた。少なくとも、ピーター・ジャクソン版はオリジナルを越えた、とは軽々しく言へないだらう、と確信したのであつた。

 まづ、キングコングの禍々しさが違ふ。キングコング登場のシーンの衝撃は驚くべきほどで、これを劇場で見てゐたとしたら、多分椅子から飛び上がつたであらう、といふほど。顔の造形も素晴らしく、圧倒的な“魔”が満ちてゐる。クレイアニメーションによる動きも、子ども時代に男の子なら必ずやつたであらう怪獣などの玩具を使つた遊びを想はせる、原初的な喜びに満ちたものでウットリさせる。そして何より、キングコングの残虐さ。人々を食ひちぎり、踏みつけて、グシャグシャ〜と踏みにじる。美女であるアン・ダロウに対する恋愛感情など露ほどもない。服を引きちぎつていつたりする。ピーター・ジャクソンはPCが効いてゐなくて凄い! とは今回の『キング・コング』に関しても言はれてゐるが、オリジナル版と見較べると、それでもPCが効いてゐるやうに見えてしまふから、オリジナル版の凄さが分かるだらう。

 また話に関しても、先程も書いたやうにアン・ダロウに対する恋愛感情などは窺ふことができず、キングコングそのものの存在感が突出してゐて、アクションにつぐアクション、といつた感じ。しかし、だからと言つて話が単純だとか粗雑だとかいふ訳ではなく、様々な解釈を許す可能性の凝縮体、といつた所である。ピーター・ジャクソンは、その様々な可能性の中から“美女と野獣の恋”といふ解釈を取りだし、それを自分なりに展開した、といふ事だらう。リメイクとしては正統的なやり方であると思ふし、それはそれで良いのだが、私のやうな深読みが好きな人間は、やはりオリジナル版のやうに様々な解釈の可能性を秘めた作品の方が好ましい。

 といつた訳で、思はぬ興奮の時を持つた100分間でした。

Comments

投稿者 のがみくんです : 2006年01月12日 02:19

やあ、元気かい?相変わらず酔っ払っているのか?それはそうと、『ホテル・クロニクルズ』が横浜美術館で上映されるみたいだよ。小川ともこ(オパール夫人)の声がハマッコに届くといいな♪なんてね!春くらいに帰るかも。それでは、けんたろうくん、他みなさんお元気で。バイナラ!

投稿者 のがみくんです : 2006年01月12日 02:22

やあ、元気かい?相変わらず酔っ払っているのか?それはそうと、『ホテル・クロニクルズ』が横浜美術館で上映されるみたいだよ。小川ともこ(オパール夫人)の声がハマッコに届くといいな♪なんてね!春くらいに帰るかも。それでは、けんたろうくん、他みなさんお元気で。バイナラ!

投稿者 店主 : 2006年01月12日 23:59

あいかはらずトリップしてゐるなぁ、のがみくん・・・。
(ちゃんと映画を撮つてゐるのか?)

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