雪が降る [etc]
雪が降りました。閉店後、オパールを出ると外は軽い吹雪。若者たちが雪まみれで「ヒーッ!」などと悲鳴をあげながら歩いてゐます。若い女の子たちがミニスカートで頭から雪を被つてゐる様はなかなか良い景色です。早速ナンパのクルマが寄つてきてゐましたが、「寒いーーー!」と絶叫して女の子たちはコンビニの中へと消えていきました。
これはタクシーで帰らうかな、と一瞬思つたのですが、トモコが「面白いから歩いて帰らう」と言ふので、傘をさして歩いて帰る事にしました。歩き出すと、道路脇で若者たちがタクシーの取り合ひをしてゐます。みんな頭から雪を被つて「ヒー! タクシー、タクシー!」と喚きながら押し合ひ圧し合ひしてゐます。かなりホットな争奪戦です。どちらにしろタクシーで帰るのは無理だつたな、と思ひつつ、新雪の積もつた道を歩きました。サクッ、サクッと雪を踏む音がするのが嬉しい。ヒャラヒャラと、雪の降る音まで聞こえさうな気がします。暗い夜道の向かうの向かうまで、大量の雪が静かに舞つてゐる。うむ、なかなか趣がある、雪見酒ぢや、などと言つたりしますが、もちろんお酒はありません。トモコが立ち止まり、屈んで、新雪の中に手を突ッ込んで「わー、シャワシャワ!」といふので、私もマネをして手を突ッ込むと、確かにシャワシャワ。その雪を片手一杯に掬ひ上げて、当然のやうにトモコに向かつて投げつけると、これまた当然のやうに反撃されて、その後は泥仕合ならぬ雪仕合。お互ひ必死になつて雪を投げつけあひました。「やめろー! 子どもぢやないんだし!」「そつちこそ、やめろ! 40前にもなつて大人げない!」「そつちが先にやめろー! アホー!」「アホで結構! プップー!」と悪罵を投げつけあひながら、道の真ん中で暴れてゐたのですが、そんな様をオパールのお客さんに見られなくて良かつた。いや、見られてゐた可能性はあるのですが。
家に帰り着いて、ラーメンを作つて食べました。
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