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2005年11月12日(Sat)

スタスキー & ハッチ 映画

 DVDで映画『スタスキー & ハッチ』を観る。これは昔あつた(70年代)アメリカのテレビドラマ『スタスキー & ハッチ』のリメイクで2003年に公開されてゐる。私はもちろん『スタスキー & ハッチ』といふテレビドラマがあつたのは覚えてゐるけれども、見たことがあるかどうかは記憶が定かでない。

 どちらにしろ何も覚えてゐないのだから、そんな事はどうでもよいのだが、その後、後続世代に『スタ & ハチ』がどのやうに受容されていつたかは分かつてゐる。それは、スタスキーとハッチは刑事のコンビなのだが、二人の友情の間に同性愛的なものを見るヤオイ的イコンとして受け継がれていつたのである。日本で言へば『刑事トミーとマツ』みたいなものか? いや、私はそこらへんはよく分からないのでこれ以上の言は慎むけれど、これは世界的(?)な現象のやうで、10年ほど前にロンドンに行つた時、『スタスキー & ハッチ』といふイベントのフライヤーがあつたのを覚えてゐる。明らかに、ゲイ的な匂ひのあるフライヤーであつた。

 ま、それはともかく、2003年版の『スタ & ハチ』は、同性愛的なニュアンスにも一部自己言及しながら、ユルユルの展開をみせるコメディー映画であつた。ファッションや風俗などもよく作り込んであつて、なかなか頑張つてゐるのだが、どうも各場面やストーリー展開に既視感が強く感じられる。それはオリジナル『スタ & ハチ』から来るものではなく、同時代のハリウッドコメディー映画からくるものなのだ。ファレリー兄弟やウェイアンズ兄弟の映画を水で割つて、他のコップに移し替へたやうな感じがするのである。これを同世代感ととるべきか、やはり「夢の工場」ハリウッドは、一定の規格に沿つて似たやうな作品を作り出し続けてゐるのだなー、ととるべきか。

 ま、そんな事は実はどうでも良くて、私とトモコ的には、この映画にはスヌープが出てゐる、といふ点が一番重要なのであつた。スヌープが街の顔役“ハギー・ベア”の役で出演してゐるのだが、これが素晴らしい! 70年代ピンプファッションが決まりすぎてゐて痺れるし、また出てくるたびに違ふファッションに変へてゐるのも分かつてゐる感じで、大満足である。さらに、この映画は全編70年代ポップスで彩られてゐるのだけれど、スヌープが出てくるシーンでは『DAZZ』や『CUT THE CAKE』などヒップホップネタの70年代ファンクが流れて、さういふ細部の拘りも嬉しい限り。DVDの特典映像には「スヌープのファッション講座」なるものまであつて、楽しめる。スヌープファン、及び70年代ファッションのファンの人にはオススメです。

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Comments

投稿者 baba : 2005年12月02日 14:06

バチグンに面白かったです。

> 同時代のハリウッドコメディー映画からくる

…ですが、私は、実に見事に70年代アメリカン刑事ドラマ+映画の雰囲気をリメイクしているなぁ、と腹の中で私語しました。

カーアクションがユルユルなところや、落ち込むスタハチをモンタージュで見せるところなど、70年代テイストぷんぷん。また、70年代ヒット曲の数々も素晴らしかったです。特に! ディスコのダンス対決はアドレナリンが吹き出ました。ベン・スティーラーとオーウェン・ウィルソンのコンビネーションもよかったのでは、と。

ネタバレですが、最後に、唐突に謎のおっさん二人組が登場して「後はまかせたぜ!」みたいなところで、私は茫然と感動しました。誰やねん! お前ら! みたいな。

そんなことはどうでもよくて、やはりなんといってもスヌープ・ドッグ最高でした!

『エリザベスタウン』『フォー・ブラザース』『スタースキー & ハッチ』…70年代の逆襲が始まっている気がしてます。

バチグンのオススメ☆☆☆★★★

投稿者 店主 : 2005年12月02日 19:28

さうですね、70年代刑事ドラマの雰囲気を見事にリメイクしてゐましたよね。ビースティーボーイズのPVや、映画「ブギー・ナイツ」の劇中映画などを連想してしまひました。が、この「昔の映画の見事なリメイク」といふもの自体が、今のハリウッドの大流行で、既視感が強く、なんだか食傷気味・・・とか思つてしまふ私は飽きやすいのでせうか。そんなに数を観てゐる訳ではないのですが。
とか言ひながら、「キングコング」のリメイクを楽しみにしてゐますー。

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