ウメドンの誕生日 ［ウメドン］
本日はウメドンの誕生日である。いや、正確には明日が誕生日なのだけれど、明日はオパールが休みなので、本日オパールにて誕生日を祝ふのである。そのために、ウメドンは2週間ほど前からバースデーケーキを特注してゐたのだ。
★ピピー！ ここでインフォメーション。オパールではバースデーケーキの特注を承つてをります。予算は4000円から。是非お気軽にお申しつけ下さい。ピピー！★
「ウメドン御誕生日おめでたうー！」ユキエさんが腕を振るつて作つたバースデーケーキは…なんと！ 当然といふべきか！ 卓球のラケット型だァー！！ もち、ボール & ウメドンの似顔絵入りクッキーつき。「うまい、うまい」と言つてケーキを頬張るウメドン。それを囲むアツコさんとワリちやん。しかし…ウメドン、もつと他に祝つてくれる友だちはゐないのか？
「うーん…ゐませんね」
ハッシーはどうだ？
「断られましたね」
薄情な奴だなー。ウメドンのホームページ内に間借りしてゐるくせに。
「あ、カズ16さんなら来てくれるかも」
ええー、さうかなー。ウメドンはカズ16と親しいのか？
「あまり喋つた事はないですけど…心が通じてゐるんですよ」
と、気持ち悪い事を言ひながら、カズ16にメールを送るウメドン。ところでウメドン、本は読んでゐるのか？
「ええ、順調ですね。さらに2冊買ひました」
ほう、何を？
「1冊は安岡章太郎です。題名は…忘れました」
安岡章太郎！ しぶいなぁ。なんでまたそんなものを。
「なんか、名前を聞いた事があつたんです。それで。」
ふーん、曖昧な理由だな。で、もう1冊は。
「ううーん、題名も作者も忘れました！ 全く知らない奴です」
なに！ なんでそんなものを買つたんだ？ 一体何を基準に本を選んでゐるんだ？
「まァ、薄さですね。薄い奴から買つてゐます」
薄さ！ そ、そんな、肉のグラム買ひみたいに本を買つてゐる奴なんて初めてみたぞ。
「いや、とりあへず、読みやすいのから買ふ事にしてゐるんです。太いと読む気が失せますから」
むむむむむー…あ、もうすぐ日付が変はる。結局、カズ16は来なかつたぢやないか。
「あれェ？ なんで来てくれへんのやー！ 来てくれー！」
…と、その時、スウッとエレベーターのドアが開き、カズ16が登場した。ハァ
ハァ息を切らしてゐる。「おおー！ 待ッとッたんやー！ やつぱり来てくれたー！」
「あれ？ みんなは？ 集まつてゐるみんなに会ひに来たんだけど…」
「……」
カズ16は、またすぐに走つて帰つていつた。
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