エジプト王妃/ヴィジット/BEAT IT [etc]
11月4日〜11月9日
エジプト王妃
国立国際美術館にて開催中の「クレオパトラとエジプトの王妃展」に行って参りました。今回の展覧会の特徴は、エジプトの王妃をテーマとしてゐる事らしく、今まではあんまりエジプトの王妃を中心に据ゑた展覧会ってなかったらしい。ふーん、意外。さすがにエジプト関係は人気が高いのか、平日なのに割と人の居る中での鑑賞となりました。
しかし・・・エジプトの王妃を扱った展覧会は珍しい、とか言ふものの、考へてみれば神戸市立博物館で去年「メトロポリタンミュージアム 古代エジプト展<女王と女神>」といふのに行ったよなぁ、と思ひ出しました。あれはハトシェプスト女王をメインに据ゐた展覧会であった。あれに較べたら、今回のはちっと弱かった様な・・・目玉となる様なものがなく、焦点もぼやけがちで、なんとな〜く薄〜く浅い様な印象。まぁ、それは単に私が展示されてゐるものから興味を汲み出す知識も能力も足りなかった、といふ事かもしれませんが。ある程度エジプトに詳しい人ならば、もっと色々と楽しめたかもしれません。
私の様なミーハーになると、ベルリンにあるネフェルティティの有名な片目像ぐらゐのものがないと、「うぉー!」とかならないので・・・。あぁ、あのネフェルティティ、観たいなぁ(ここでマイルスの「ネフェルティティ」及び、ウェイン・ショーターの「ALL SEEING EYE」が脳内で流れる)。
ところで、この展覧会では四人の王妃を扱ってゐるのですが、ハトシェプスト、ティイ、ネフェルティティ、クレオパトラで、クレオパトラ以外はみな第18王朝の人。やっぱ第18王朝は女性優位の時代だったんだらうなぁ。なんつっても「18」はタロットでは月のカード。月は女性な訳だし・・・てな事をトモコの影響ですぐ考へてしまふ様になってしまったのでした。はは。
ヴィジット
TOHOシネマ梅田でマイケル・N・シャマランの待望の新作「ヴィジット」を観ました。ところで、オパール周りには何故かシャマランファンが多いのです。シャマランファンとはどの様な人かと云ひますと、ここ最近のシャマランの不遇時代にも、ずうっと彼を強く支持してきた人たちの事です。むろん、私もシャマランファンなので、「エアベンダー」だって「アフターアース」だって楽しみましたよ!彼の映画は強いスタイルがあるので、好きな人にはそれがたまらないのです。が、「シックスセンス」の超特大ヒットで、そこらがよく理解されないまま世界中で受け入れられてしまったがため、それ以来、常に無理解な非難と嘲笑に晒されてゐる・・・特に「レディ・イン・ザ・ウォーター」以降はそれが酷くて、シャマランは終はった、とさへ言はれ・・・まぁ、そんな所がまた、ファンの忠誠心を高める結果になってゐるとは思ふのですが。
そんなシャマランの新作は、なんとアメリカで久々のスマッシュヒット。興行的にも批評的にもすこぶるいいとの事で、シャマラン復活!と騒がれてゐる代物。これは・・・きたかー!と、勇んで映画館に駆けつけたのです。
ふむふむ、おお・・・これは・・・よし!うんうん・・きた?・・・と・・・え?あれ・・・あれあれあれ・・・ええー・・・。
・・・と、こんな感じで鑑賞終了。はっきり言ひませう。私的には、かなり微妙な代物でした・・・。
決して悪い作品ではない。シャマラン節は炸裂してゐるし、脚本もよく練られてゐる。むしろ、とてもよく出来た作品と言へるでせう。出来過ぎてゐる、と言っても過言ではない。しかし・・・私がシャマランに求めてゐるサムシングがない!
私がシャマランに求めてゐるサムシング・・・それは、彼の世界観を支へてゐる“なにかはみ出したもの”“なにかずれたもの”の事です。彼の世界観って、なーんかはみ出したものによって支えられてゐると思ふんですね。それは、まぁ、分かりやすい形では映画の中で宇宙人や霊として現れるんだけれど、別にそれが絶対といふ訳ではなく、たまたまその“はみ出したもの”が宇宙人や霊の形をとった、といふだけで、それが「絶対に怪我をしない人間」とか「アーミッシュ的ユートピア」とか「ガーディアンエンジェル」として表される時もある。でもこれらは同じものが、それぞれの作品に応じて、違ふ形で表出されたものだと思ふのです。
そのはみ出したものは、はみ出してゐるが故に、画面に出てきた時はな〜んか可笑しいし、妙に恐かったりする。それが私の考へるシャマランの魅力です。
で、この作品なのですが・・・確かに、な〜んか可笑しかったり、妙に恐かったりするシーンはあります。如何にもシャマラン的なそれらのシーンには、もちろん大満足なのですが、でも、全体が妙にきれいにまとまってしまってゐる。はっきり言って、拍子抜け。私にとっては、シャマランをシャマランたらしめてゐるサムシングがない・・・。
ちなみにオパール周りのシャマランファンの人たちの間でも評価は分かれ、私とトモコとマツヤマさんは“がっかり派”。ヤマネくんとオーソンが“最高!派”でした。う〜む、みんな求めてゐるものが違ふんですねぇ。
あ、でも無論、これでシャマランがまたガンガン映画を撮れる様になったらそれは嬉しいので、この映画がヒットするのは大歓迎です!みんな観に行って下さい。
BEAT IT
私はツイッターはやってないのですが、何人か気になる人のツイートはブックマークにいれてゐて、たまに覗いたりしてゐます。で、先日、buveryさんといふ方のツイートを覗いたら、衝撃的な事が書いてありました。
マイケル・ジャクソンの「BEAT IT」といふ曲がありますよね、あの日本語訳詞がムチャクチャで、日本人のほとんどはあの歌詞を誤解してゐる、といふ内容。ふむ、「BEAT IT」・・・やっちまえ!とか、さういふ意味ぢゃないの?だってPVもウエストサイドストーリーを模した、ギャング同士の闘ひの映像だったし・・・。
ところが、「BEAT IT」って、「逃げろ」って意味らしいんですよ!あの歌は、喧嘩に巻き込まれさうになったら、カッコつけたいのは分かるけど、死んだらバカみたいだから、とにかく逃げろ!・・・てな内容らしいのです!
ガーン!なんか、全く逆の意味だと思ってた・・・。
マイケルにはこの後、「BAD」といふ曲もあって、そちらの方も、私は聴いた当初は「BAD 」=「ワル」「不良」といふ意味だと思って、誰が一番のワルだか教へてやるぜ!ってな意味だと思って、ダッさー・・・と呆れてゐたのですが、これは直に間違ひに気がつきました。といふのも、その後、私はブラックミュージック(今でいふアーバンミュージック)に嵌っていったのですが、そこで「BAD」は「カッコいい」といふ意味である、と教はったからです。つまり、マイケルの歌は、「お前らワルぶってBADな(カッコいい)つもりかもしれんが、そんなのちっともBADぢゃないよー」てな内容だったのです。
私も嬉しがって、みんなに「BADはワルといふ意味ぢゃないよ」とか講釈たれてゐたのですが(だって、マイケルの歌はみんな知ってますから)、しかし、「BEAT IT 」が「逃げろ」だったとは・・・。
衝撃でした。長生きして良かった、と思ひました。
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