6月16日〜6月23日 [etc]
電子タバコ
コータローくん来店。えらい久しぶりやなぁ。相変はらずダーツとかやってんの?
「そんなんとっくに辞めましたよ。今はこれです」
と言って、ダーツの様なものを取り出す。それを徐に口に銜へ、しばらく吸ってから口から離すと・・・ブワーっと白い煙が辺りに立ち籠めた。
こらこらコータローくん。久しぶりだから忘れたかもしれないけれど、オパールは店内禁煙だよ。タバコならテラス席の方でやってよ。
「わはははは。残念でした。これは電子タバコなんです。この煙は単なる水蒸気。ニコチンは入ってませんよ」
へー、そんなものがあるのか。
「ええ。VAPEと言って、アメリカでは大流行りですよ。もう4兆円市場らしいです。リキッドを入れて、ボタンを押して吸ふんですけどね。まぁ、アメリカではニコチン入りのリキッドもあるんですが、日本では法律的に売れないんです。で、レモン味とかミント味とか、そんなリキッドを入れて吸ふ訳です」
ふーん、それ楽しいの?
「もちろん。っていふか、これで劇的にタバコの量が減りました」
ええ!さうなの?だってニコチン入ってないんでせう。そんなのがタバコの代はりになるの?
「人それぞれみたいですが、ボクの場合はなりますね。かうやって、煙がボワーと吐ければ満足するんぢゃないですか」
それは興味深い。
「でせう?これが流行ると政府は困りますよー。税収がなくなるし。だから、まだ流行る前から、色々と規制しようとなにかと煩いんです。ネガティブキャンペーンもアメリカでは盛んみたいだし。でも負けませんよー、政府の弱いものイジメ(喫煙者イジメ)には散々腹がたってるんですよ!」
うーむ。・・・それ、ちょっと吸はせて貰っていい?
「あ、いいですよ。どうぞ。このボタンを押しながら吸って下さい」
・・・と、いふ訳で、私も吸ってみた。思いっきり息を吸ひ込む。何も感じない。が、そのまま口を大きく開けると、ボワワーと白い煙が・・・エ、エ、エクトプラズーム!
「わはははは。相変はらずバカですねー、ケンタロウさん」
はははは。いや、全く。
灼眼のシャナ
アニメ「灼眼のシャナ」全24話を観ました。これも凄く流行ったアニメらしいですね。この後、第二期、第三期まで作られたらしいですから。でも、私の周りでは誰も知りません。当たり前だよね。やっぱアニメって別世界なんだよなぁ。
で、この作品。絵は拙いし、音楽はダサいし、お話は些か幼稚だし、まぁ、ティーンエイジャー向け、といふ感じです。と言ってもバカにしてる訳ではなく、とても面白く観られました。よく出来た良作だと思ひます。
ところでこの作品、どうも“セカイ系”にジャンル分けされてる様なのですが、私の感覚では全く“セカイ系”には思へませんでした。うーむ、私のセカイ系理解が間違ってゐたのか。・・・まぁ、それはよい。おかげで、私がセカイ系(と思ってゐるもの)のどこが嫌なのか。対して、なぜ「シャナ」はいいと思ったのか、が、よく分かったので、その事を書いてみたいと思ひます。
唐突ですが、私は単なる恋愛関係って、下らないと思ってゐるんですね。それ、単にホルモンに振り回されてるだけだし、とか。ボクは君が好き、私はあなたが好き、だけでは、良かったね、とかしか言い様がない。単なる自己満足の二乗といった感じです。
ここに、共闘関係が加はってこそ、二人の関係は語るに足るものになると思ふのです。この共闘は、二人の関係を守るため、そして二人の関係を高めるための共闘です。
ところが、セカイ系に於いては、共闘関係がなく、単なる恋愛関係だけがあります。主人公の男の子は女の子と恋愛してるだけ。女の子は、一人で世界と闘ってゐるのです。これが気持ち悪い。むろん、設定上、女の子は最強の戦士であり、男の子は無力な存在とされてゐますので、一緒には闘へない、といふ言ひ訳が用意されてゐます。でもやっぱそれは言ひ訳に過ぎなくて、それでも恋愛関係になれた訳だから一緒に闘ふ事はできるはずなのです。
女の子が闘ってボロボロに傷ついてゐるのを、可哀相!でもオレには何もできない!つらい!切ない!とか言ってるだけぢゃねぇ。
「シャナ」に於いては、さうではありません。シャナと悠二はお互ひ惹かれ合ってるとはいふものの、それほど意識できてる訳ではなく、恋愛関係にはありません。むしろ、フレームへイズ(まぁ、悪者と闘ふ戦士のことね)としてのシャナの力を増幅できる特別な存在としての悠二、といふ事で、悪との闘ひへの共闘関係にあるのです。
そしてラスト。この恋愛関係と共闘関係は見事に一致します。お互ひ、相手の事を好きだと認め、悪との闘ひが、“フレームへイズと特別なミステス”としての自分たちの関係/存在を守る事と一致する事が了解され、至福の中で一緒に死に向かうのです。これは、やはり感動的。
・・・だからこそ、その後にやっぱり奇跡的に生き残ったー、といふオチは残念だった。それさへなければ、なかなかの傑作となり得たと思ふのですが。
今週のアミューズ
梅本座・・・何故かドタキャン連発で、女性陣の出席がゼロとなったので、「ガンマン大連合」を上映しました。マカロニウエスタンの傑作。フランコ・ネロもいいけど、トーマス・ミリアンがやっぱいい。でも、ジャック・パランスが一番カッコいいわー。
バマサマタ、バマサマタ、コンパネーロ〜。
本・・・「時間旅行者のための基礎知識」J・リチャード・ゴット(草思社)。現役の科学者が書いた、タイムマシンに関する本。いや、映画「x-men フューチャー&パスト」を観たもんだから。
私はタイムマシンなんて絶対に無理だらうと思ってゐるので、真剣にそれを作らうとしてゐる科学者が居るなんてビックリした。しかし、この本読んでも、やっぱ絶対に無理さうなんだけど。
でもまぁ、理論的にそれを追求するのが大切なんだらうね。結果より過程。タイムマシンは、現代科学界における錬金術なのかもねぇ。
来訪者・・・テラリー&ケイコさん来店。テラリーも久しぶりぢゃのー。全然変はってない様に見えるのが、いいのやら悪いのやら。結婚後、二人揃って初の来店。まぁ、「シャナ」の所でもちょっと関係すること言ったけど、結婚とは秘儀だから。恋愛関係に共闘関係が融合し、新たな段階を構築する。神のイメージの再構築。それが結婚だから。それを忘れないでね。
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