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2011年11月19日(Sat)

カウボーイ&エイリアン 映画

MOVIXにて「カウボーイ&エイリアン」(ジョン・ファブロー監督)を観てきました。
これは西部劇の時代(って、言葉が変かな?えー、時代設定は南北戦争後の1873年となってをります)に、エイリアンが攻めてきたら・・・といふお話。一見、ちょっとふざけたアクロバチックなお話に思へますが、さにあらず。これがまたなんとも堂々とした西部劇になってゐるのであった。

主演のダニエル・クレイグは記憶を失った男。つまり、自分の名前も知らない=名無し、な訳で、そんな彼が街にやってきて、事件を解決し、また去っていくといふ西部劇のひとつの定型に沿った枠組みの中に、街を牛耳るボスとそのダメ息子、彼らとの対立、闘ひを通しての対立するもの同士の間(ネイティブアメリカン含む)で産まれる友情とリスペクト、少年への教育と通過儀礼、異文化への反発と理解、など、定型がてんこ盛りにされた作品です。
定型とは紋切り型とも言へる訳で、下手に扱へば退屈でみるも無惨な事になる訳ですが、巧く扱へば、神話的な様相を呈します。それは原型、我々の心に普遍的に宿るある種の型だからでせうが、結局、現代の様に様々な情報やモノが溢れてゐる時代だらうが何だらうが、我々の真に必要としてゐるものは同じもの、原型、なのかもしれません。ただ、それをどう提示するか、が問題な訳で、その点、この映画は巧くやってゐると思ひます。
手垢のついてしまった設定に、エイリアンといふ要素を導入する事によって、みごと定型の魅力を引き出してゐる。一見の価値あり、の娯楽作品でせう。

個人的には、街を牛耳るボスをやったハリソン・フォードが良かったです。
私、「ブレードランナー」にせよ「インディー・ジョーンズ」にせよ、いまいちハリソン・フォードの良さが分からなかったのですが、今回、初めていいと思ったかも。人種差別主義者で権威主義、今でいふところのアメリカン右翼なのですが、ちゃんと魅力的に描かれてゐる。かういった所が、この作品の懐の深さでせう。

あと、映像がいちいちカッコいいのも魅力。っていふか、それが一番大事かも。ただ、ダニエル・クレイグの姿勢がちょっと悪いのではないか?といふ事だけが気になりました(首が前突してる様にみえるのです)。

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