ガリバー旅行記 [映画]
映画強制起訴シリーズ。4月の起訴作品は「ガリバー旅行記」ロブ・レターマン監督/ジャック・ブラック主演です。
★
- ヤマネ
- 面白くない!面白くない!面白くなーい!
- マツヤマ
- まぁ、時間は潰せたけど・・・下らなかったかな
- 元店主
- 珍しく、といふか、3人とも意見が完全一致ですね。確かに、しょうもなかった・・・
- ヤマネ
- キレが無さ過ぎでせう、これ。そもそもジャック・ブラックの面白さは、デブが機敏に動き回る、といふ所にあるのに、なーんか、動きがモタモタしてる。小人国にやってきて、自分だけ巨体だから、モタモタして当然なんですが・・・これは完全に映画のチョイスミス!ジャック・ブラックが主演やる映画ぢゃない。ジャック・ブラックも怒ってるんぢゃないですか、こんな映画に出さされて
- 元店主
- いや、この映画、そもそもジャック・ブラックがプロデューサーもやってるんだけど
- ヤマネ
- ・・・・・・。えー、これ、脚本が『シュレック』の人なんですよ。だから、なんか『シュレック』っぽい。観て居るうちに、ジャック・ブラックがシュレックに見えてきましたもん
- 元店主
- と、いふ事は?
- ヤマネ
- ぬるい!下らない!と、いふ事です!『シュレック』って、つまらないでせう?
- マツヤマ
- オレはそもそも『シュレック』なんか観ないから分からないけど、この映画に関していへば、ギャグのレベルが低過ぎる、と思ったな。あと、確かにヌルすぎる。子供用映画としても、ヌルすぎる。裏切りや、嫉妬、僻み、とかの負の感情がほとんど描かれてゐないんだよなー。はっきり言って、先日息子マサユキと観に行った『機関車トーマス』の方がずっと、ハーコーだよ。負の感情描かれまくりだし。で、凄く面白い
- ヤマネ
- 『機関車トーマス』はイギリス映画ですもんね。イギリスはブラックユーモア大国だし。って、もともと『ガリバー旅行記』もイギリス文学ぢゃないですか!
- 元店主
- 作者のスウィフトはアイルランド人だけどね。でも、確かに、原作ではこの小人国は当時のイギリス社会の風刺になってるんだよね。王様はジョージ1世。とか、明らかにウォルポールと分かる人が出て来たり、とか。ホイッグ党とトーリー党の対立を風刺したり、とか。だから、当然この映画では小人国は現代アメリカの風刺になってないといけないと思ふんだけど・・・。とてもそんな風にはみえない
- マツヤマ
- むしろ、小人国は日本ぢゃないの。なんか手先が器用で、流れ着いたものをみてすぐに真似して似た様なものを作る才能とか。自国の伝統的な街並を壊して、アメリカそっくりの街に作り替へるところとか。で、敵国は中国ね。赤いから
- ヤマネ
- えー、でも、それなら日本と中国が戦争して、それをアメリカが間に入って仲裁して、みんな仲良く、アメリカ万歳!って事ですか?それ、風刺にも何にもなってないですよ。むしろ、幼稚なプロパガンダ。ジャック・ブラック、風刺の意味分かってるんですかね
- マツヤマ
- うーん、確かに、アメリカなら中国と日本をぶつけて、漁父の利を得る、といふパターンのはずだもんなぁ。・・・にしても、アメリカの“オトモダチ作戦”は酷いよな。カネとっておいて、なにが“トモダチ”だよ!それに、あの米兵と日本の子供が並んで被災地で働いてる図は酷過ぎるよ。あれ、本来なら日本人の父親が子供と一緒に働くべきだらう。こんな時こそ、父親が頑張るべきなんだ。それなのに、その役割を米兵に奪はれて、自分はその米兵への働き賃を払はなくちゃならない。カネだけでなく、誇りも奪はれる。もう絶望的な状況だよ
- 元店主
- あれは米軍による半占領だといふ説もありますからねぇ
- ヤマネ
- なんか、話がずれてますよー
★
- ヤマネ
- えー、コホン。では、話を元に戻しまして・・・、結局、ジャック・ブラックに風刺の意図はなかった、と考へるのが妥当なんぢゃないですか。きっと、ジャック・ブラックは子供向けの『ガリバー旅行記』しか読んだ事なかったんですよ。スウィフトのオリジナル読んだら、あんな作品つくれないでせう
- 元店主
- いや、ジャック・ブラックはオリジナルのファンだと言ってるよ。本物のガリバーは大人向けで、結構ブラックなんだよ、とかインタビューで言ってるけど
- ヤマネ
- ・・・・・・、それ、ウソですよ!ジャック・ブラックはオリジナルを読んでない!読んでないものを読んだと主張する、ジャック・ブラックは正にこの映画の主人公そのものなんです!
- マツヤマ
- なるほどな。ぢゃ、風刺の意図はなかったとして、この映画は何を意図してるんだ?
- ヤマネ
- えー、と、口先ばっかりのダメな大人がですねぇ、冒険を経て成長して帰ってくる、といふ、ハリウッド映画にありがちなパターンでせう。
- マツヤマ
- それにしたって、ヌルすぎだらう!別にジャック・ブラックはそれほど酷い目にあってる訳でもないし、冒険と言ったってなぁ、そんな“艱難辛苦は汝を玉にする”程のもんではないだらう。勇気を出して好きな女性にコクったら、すぐに受け入れてくれたり・・・噴飯ものだよ!
- 元店主
- それが『ガリバー旅行記』である必然性もよく分からないですしね。ま、ハリウッドは世界中の有名な話を自分のものにしようといふ欲望がありますからねぇ
- マツヤマ
- 大体、ビン・ラディンを殺害して“正義の勝利だ!”てなノリで盛り上がるって、どんだけ低レベルなんだよ!アメリカ人は今や頭の中までヌルいハリウッド映画にやられちゃってるんぢゃないか?現実とハリウッド映画の区別がついてないよ!
- ヤマネ
- あのー、また話がずれてるんですけど・・・
★
- 元店主
- ところでお二人とも、字幕で観ました?それとも吹き替へ?
- マツヤマ
- オレは字幕だったよ
- ヤマネ
- ボクは吹き替へ!
- 元店主
- 私も、時間の都合上吹き替へだったんですが、歌とかもちゃんと吹き替へで歌ってるのが、ちょっと面白かったですね
- ヤマネ
- えー!最後の『ウォー』の吹き替へとか、ダサイですよー!
- 元店主
- さうかな?私はいいと思ふけど・・・・・・。戦争!
- ヤマネ
- 歌って!
- 元店主
- なん〜の、たーめ!
- 三人
- ウゥッ!!
- 元店主
- ほら、面白いぢゃない
- ヤマネ
- 面白くないですよ!
- マツヤマ
- まぁまぁ。でも確かに、あのJBの歌はカッコ良かったよな
- 元店主
- マツヤマさん、あれJBぢゃなくて、エドウィン・スターですよ
- マツヤマ
- いや、オレが言ってるのは、JB(ジャック・ブラック)の歌、といふ意味だよ!
- 元店主
- なるほど・・・ギャフン!
- ヤマネ
- なんか、ボクらのギャグのレベルも相当落ちてませんか・・・
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次回、5月の起訴映画は・・・「富江 アンリミテッド」です!ガクブルー!
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