義援金 [憂国]
大震災以来、各所で義援金集めが流行ってをります。
ここ京都でも、震災からしばらくは、四条河原町の交差点で様々な人々が義援金集めをやってをりました。印象的だったのは、墨染め&編み笠姿のお坊さんの集団。お坊さんがかういふ時にお金を集めるのは、昔からの伝統ですから、なにも変な事はないのでせうが、なんとなーく違和感を感じました。なんでだろ?
どんな店に行っても、大抵義援金箱が置いてありますし、その義援金箱をパクられた、といふ話も聞きました。私が聞いたのは、京極のお土産屋さん。パクったのは中学生のグループといふ事ですが、全く、やれやれといった感じです。年齢的に、中学生といふのは危ないなぁ。恥ずかしい事を平気でやってしまふ年頃だと思ひます。
その他にも、都をどりでは舞妓さんたちが義援金集めをやってゐた様ですし、これは大阪ですが、私が行った4月文楽公演でも、人形が義援金集めをやってをりました。そして、南座では、玉三郎舞踊公演の合間に、チャリティートークショー&オークションがありました。
これは出演者の玉三郎と獅童が、トークショーをし、ついでに各自が色々なものを出品して、それを客がオークションで競り落とし、そのお金が義援金に廻される、といふものです。出品されたのは、各自の隈取り(最低落札価格5万円)、玉三郎が描いた油絵(最低落札価格10万円)、玉三郎が作った茶碗(最低落札価格10万円)等々。獅童も、自分の愛用してゐるドクロマークのスカジャンや、ネックレスなどを出品した様ですが、どうも玉三郎に較べて見劣りすると思ったのか、「これはねぇ、ホントーに大切にしてたものなんです。出来れば手放したくないくらゐのものなんですよー」とやたら強調してゐたとか。で、それに対して玉三郎が、「そんなに気に入ってをられるのなら、御自分で落札なさったらどうですか」と突っ込みを入れてゐたとの事です。うーむ、さすが玉三郎。(ちなみにこの話、チャリティーイベントに参加したみかんさんから聞きました)
かくして、多くの義援金が日本全国、いや世界中から集まってゐる様で、その事自体は喜ばしいことです。あとは、この集まった義援金が有効に使はれれば・・・、と思ふのですが、どうなんでせうか。阪神大震災の時はチットもうまく使はれなかったといふし、今回も、そろそろそんな話が出て来てゐて、不安です。そもそも、大量のお金が集まるところ、必ずそれに集らうとする連中が出て来るもので、特に利権国家である日本ではその危険性が高い様な気がします。私が今回聞いた所では、例へば仮設住宅なんか利権の巣窟らしいし、そんな感じでまた大量のお金が闇に消えていくのかと思ふと・・・、中学生による義援金箱のかっぱらひなんか可愛いもんだ。
いや、さうではなく、さういった集り根性の連中は、精神年齢が中学生並みといふ事でせう。なるほど、かういふのを“厨房”といふのかな?(違ふかな?私、ネットあまりみないもんで・・・)
被災地域の一日も早い復興を切に願ひます。
Comments
投稿者 akira28000 : 2011年04月27日 07:20
ごぶさたしてます、akira28000です。
実のところ「隈取」を落札したのは僕なんです。。。
投稿者 可能涼介 : 2011年04月28日 01:10
小川顕太郎様
25年前に(チェルノブイリのころ)、高校の昼休みにしゃべっていたようなことが現実になってしまいました。
東京にいると、加害者であると同時に、被害者であると実感されます。
東から西に来た人がいたら、歓待してやってください。
可能涼介
投稿者 元店主 : 2011年04月28日 02:22
akira28000くん
がーん、さうだったとは・・・。さういへばかなーり、久しぶりですね。また、時間作って寄って下さいね。むろん、玉三郎の隈取りだよね。
可能涼介
さうだなぁ。でも、今時の若い人たちはチェルノブイリとか知らないみたいで、「チェルノブイリ級とか騒いでるけど、原発ってホントに危険なの?」てな事を言ってたりしてて驚愕します。ちなみに、日垣隆が最近チェルノブイリに行ってきて、全く復興してない様を大量に写真に撮ってきてますよー。未だ癌も増えてる様で、福島の事が心配です・・・。
広瀬隆の言ふ事にも一理あった?
お互ひ、これしき乗り切っていきませう。
投稿者 可能涼介 : 2011年04月30日 02:49
結局、原発問題をウヤムヤにしている日本政府と、「津原泰水vs川上未映子問題(知らないひとは、調べてください)」をウヤムヤにしている日本文壇は、同じだと思っています。
政治のことはわかりませんが、文学のことは、何とかやっていくつもりです。
京都に行ったら、話します。
可能拝
投稿者 akira28000 : 2011年04月30日 08:19
元御店主様
さうです!玉三郎の隈取(蜘蛛の拍子舞)です!
自分でもどうにかしていたのでしょう。あんなものを落札してしまうなんて・・・。
しかし、生ける真の国宝=玉三郎の隈取りです。いいものを得られたと喜んでおります。
現在、表具屋に出しておりますので、できましたら画像と併せて御報告させて頂きます◎
投稿者 可能涼介 : 2011年05月13日 02:52
上記の件、「川上未映子問題情報庫」と検索すれば、よくまとまったものが見られます。
なぜか私のコメントも載っていました。
是非のぞいてみてください。
日本文学「底つき」の瞬間が見られます。
投稿者 可能 : 2011年05月26日 02:24
震災以後、文壇だけではなく、論壇でもメルトダウンが見られます。副島隆彦がひどい状態で、次の本が、怖いもの見たさで楽しみです。逆に、いい本として、鬼塚英昭「黒い絆」を薦めます。
投稿者 可能 : 2011年06月21日 01:21
いや、三、四日関西にいて東京に戻ってくると、体の調子、悪いですわ。被害者は被害者として、生きていくつもり。
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