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2010年10月12日(Tue)

最近聴いてる音楽 音楽

まづはKEMの5年振りのサードアルバム「Intimacy」。とにかく音がよくて、やられました。いかに気持ちよく、心の奥深くまで入り込み、精神を解体し、聴き手を解き放つか、といふ事を、細心に至るまで考へつくし、創られてゐる音楽です。素晴らしい。聴けば聴くほど、自分がバラバラにされて音の海へと溶解していく感覚が味はへます。これこそ、私が音楽に求めるもの、だと強く思はされます。

同じ様な感覚が味はへる作品として、DEVIN THE DUDEの「Suite 420」も素晴らしいです。まぁ、彼の作品はスモーキングシットな訳で、ハッパによる酩酊感を再現した様な音楽な訳ですが、とにかく気持ちいい。ハッパもきめてないのに(きめてないですよ!)、もうメロメロになります。あー、極楽、極楽。

現在のブラックミュージック(アーバンミュージック、といふべきなのか・・・)の作り手は、“いい音”を作る事に血道をあげてゐる人たちで、彼らのおかげで我々は至福の音を味はふ事ができるのですが、10月号の「bmr」で特集されてゐる様に、この“いい音”の定義がなかなか難しい。
いはゆる“高品質な音”といふ意味でもありますし、むろん、その様な音は今のブラックミュージックに溢れてゐます(USHERの新作とかね)。が、低品質・・・といふと語弊がありますが、ローファイな音(ハイファイではなく)、といふのも、非常に“いい音”であり得るのです。何故でせうか?

これは、考へるに、音の配置とか組み合はせ、なんかが関係してゐるのではないでせうか。むろん、ひとつひとつの音に対する繊細な感覚、といふのは不可欠ですが、常に手元に最高の機材がある訳ではない。で、その時に得られる最高の音を創り出し、それを他の音に対して、それぞれが最も効果的に響く配置・組み合はせを考へる、といふ事です。センスの問題、といへば身も蓋もないですが。
なんでこんな事を考へる様になったかといふと、巷に流れるJ-POPの酷さにホント辟易してゐるからです。多分、ケータイとかそんな粗悪な再生機器で聴いても印象に残る様にでせうが、わかりやすく下品な音が中高音あたりに集中してゐて非常に耳障り。音に対する繊細さも皆無。まるで、化学調味料で作られたどぎつい味でアクセントをつけるジャンクフードみたいな音で、正にJ-POPとはジャンクポップであったのか、と呻かざるを得ません。ジャンクフードは味覚を破壊し、ひいては健康も害します。同様に、J-POPは美的センスを破壊し、ひいては精神を害してしまふのではないか、と恐怖を覚えます。
故に、ブラックミュージック(アーバンミュージックですね)は精神の避難場所なんだなぁ、と実感してゐる近頃なのです。

んで、そんな感じで私が愛聴してゐるのが、Z-ROの「HEROIN」。
インディ作品だからか、音も不安定で、クリアとも云ひ難いのですが、すごーくドープで、なんとも“いい音”なのです。ほんと、何度でも繰り返し聴きたくなる、この「HEROIN」。魂の避難場所。ズルズルと、どこか深い所に引きずり込まれていく様な感覚がなんともいへず・・・・・・もー、HEROIN、最高!やっぱジャンクフード食べるよりHEROINを喰へ!・・・って、なんか誤解を呼びさうですが。

その他にも、PAUL WALLの新作とか、BIG BOIのソロ作とか、聴きまくってゐる作品はたくさんあるのですが、最後にCURRENSYの「Pilot Talk」をあげておきたい。
新人、といってもすでにミックステープシーンでは相当の有名人の様ですが、私はミックステープシーンには疎いのでこのメジャーデビュー作で初めて聴きました(あ、フューチャリングでは聴いた事がありましたよ。LIL WAYNEのとかで)。これが、面白い。内容的には、またしてもハッパ系で・・・って、かういふのをどうやら“ストーナーラップ”といふ様ですが、正にその名に恥じず、気持ちい〜い、作品。う〜む、やはりハッパ好きなアーティストは、気持ちいい音楽を作れるのか。だって、ハッパをきめると、音と一体化できるからねぇ。
やっぱジャンクフード食べるより、ハッパを・・・って、しつこいですね。はい。すみません。

さういった訳で、私もここで一服。

むろん、ドープなコーヒーとともに音楽を聴くんですよー。

なんとも美味さうな朝食だな・・・。

Comments

投稿者 すた : 2010年10月16日 14:42

Something about faithはもう聴かれましたか?

店主の感想、聞きたいです!

投稿者 元店主 : 2010年10月17日 03:28

すたさん こんにちは!

フェイスの新作ですね。実は私、日本盤の発売を待ってをりまして・・・。だって、4曲もボートラがつくんですよ!10月20日発売予定。
ああ、待ち遠しい・・・。

すたさんは、もう聴かれたのですか?

私も聴いたら、感想記します!

投稿者 すた : 2010年10月17日 09:55

一週ぐるんと聴きましたら、
メロウで心地良くてフェイスらしいアルバムでした。
大満足です!

(元々、フェイスの声聴くだけでもかなり満足なのですが…。)

チャッキー・トンプソン好きなので余計お気に入りです!

投稿者 元店主 : 2010年10月27日 05:29

すたさん お待たせしました!

やっと手に入れ、聴きました。
とはいへ、まだ2回(いま、2回目を聴いてる最中)ほど聴いただけですが・・・、遅くなったので、とりあへず感想を記します。

フェイス・エヴァンスの声、確かにこれを聴くだけで大満足ですね。やはり、素晴らしい。聴き惚れました。
ただ、これを書くと誤解されるかもしれませんが、私は変化していくフェイスが好きだったんですね。ファースト、セカンドあたりは、まー同じ、我々ファンがイメージする典型的フェイスですが、3枚目、4枚目と、少しづつ変化していってるのが、なにより楽しみだったのです。次はどの様な作品になるか、と。
が、今回は、どちらかといへばファースト、セカンドの頃に逆戻りした印象です。それが、ちょっと拍子抜けでした。まー、今は90年代がまた流行りつつありますから、これは逆戻りではなく、やはりアップデートなんだ、と言へばその通りなんですが。

しかし、なんだかんだいっても、私もファースト、セカンドの頃のフェイスは大好きですので、何度も聴いてるうちに、こんな印象も忘れて溺れる事でせう。

チャッキー・トンプソン、さすがに相性良かったですね。私は「WORTH IT」と「YOUR LOVER」が気に入りました。

あと、これは来日コンサートに行った時にすでに分かってた事ですが、フェイス、ちょいと老けましたよね・・・。ジャケットが・・・。

でも、でも、やはりまた来日して欲しいです!それも火曜日に!!

投稿者 すた : 2010年11月07日 21:13

ここに感想を記しておられるのに気が付きませんでした!

さすがに元店主は感性豊かですね。
確かに昔ながらのフェイスでした。
単にBAD BOYのHITMENが活躍してたころの曲が、
わたしの好みなのかも知れません(照)

投稿者 元店主 : 2010年11月08日 04:23

いや、やっぱあの頃の音は特別ですよね。

私も「Everyday Struggle」を聴くとアドレナリンが出ます。

是非、また来日して欲しいですよねー。

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