京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

この事情を説明するには、２０日の出雲大社参拝の話は端折り、翌２１日の話をしなければなりません。
２０日の朝早くに京都を出発し、思ったより早くスムーズに出雲に着いた我々（ベッチ、ウメドン、トモコ、私）は、感激のうちに出雲大社参拝を済ませ、日御碕神社と日御碕灯台で古代＆日本海の情緒にたっぷり浸かって、民宿にチェックイン。海の幸に舌鼓を打ちながら酒と焼酎とワインでドンチャン騒ぎをしてから寝に着きました。

出雲大社

日御碕灯台

そして２１日。物部神社でベッチのルーツを確認してから、我々は石見銀山へと向かったのです。石見銀山といへば、世界遺産に登録されてからすっかり有名になってしまひましたが、シーズンオフといふ事もあるのでせうか、人影まばら、もの凄く寂れた気が立ちこめてゐました。しかも朝から雨。我々は傘を差し、足下を濡らしながら、石見銀山のあちらこちらを彷徨したのです。
その途中で、豊栄神社、といふ所がありました。ここは戦国武将の毛利元就を祭神とする神社です。何故そんなものがここにあるかといひますと、戦国時代、ここ石見銀山を抑へたのが毛利元就だったからなんですねー。で、自らの像を祀ったお寺を建てたのが始まりなんださうですが、その後、徳川が天下を握り、従ってここ石見銀山も掌握した事によって、この寺は放置され荒れるがままに任されました。それがさらに時代が下って幕末、長州藩の藩士たちがここに自分たちの藩主・毛利元就の像があるのを見つけて感激し、新たに豊栄神社として再建したのが明治の初頭との事。これが現在の豊栄神社です。
う〜ん、時の権力者が次々と石見銀山を抑へ、それに伴って流転を繰り返した様がみてとれますねー。それほど、石見銀山は大切な所だったのです。なにせ、一時期、全世界に流通してゐる銀の３分の１は石見銀山で採られたものだった、といふのだから、その重要さは推して知るべし、でせう。石見銀山が世界を動かしてゐた時期が確実にあった、といふ事なんですねー。

で、現在の豊栄神社ですが、これがまた、エラい荒れやうで・・・。石塔は毀たれ、戸は外され、像の顔は削がれ、雑草は伸び放題、すっかり荒廃してゐます。氏子が居ないため、管理する人が居ないから、といふ事ですが、それにしても・・・。
とはいへ、廃墟好きの我々、嬉々としてこの神社を見て廻ったのです。まるで映画のセットの様な素敵な荒れ様。雨は一際強く、苔むし、欠けて、足もとの非常に危うい石段。そこで、案の定、まるでマンガの様に・・・、私は見事に転倒してしまひました！
その時に、首と腰を強打。一瞬息がつまり、全世界が私の中で反転し、その直後、猛烈な痺れが全身を襲ひました。骨か、神経か・・・。引き攣った笑ひを顔に浮かべながら、その後の私は雨の石見銀山を彷徨ったのです。

豊栄神社

実は話はここで終はりません。
なんとこの後、我々は温泉に行ったのです！！！
・・・打ち身や捻挫など、急性の痛みの場合、絶対にやってはいけない事があります。ひとつはマッサージ。もうひとつは、風呂などに入って温める事です！
そんな事は分かってゐましたが、温泉行きは当初からの予定。私ひとりの都合でみんなの楽しみをフイにはできません。ま、形だけつき合ふか・・・。と、私は温泉津温泉の薬師湯へと乗り込んだのです。
ここ薬師湯は、原爆症の治療にも使はれたといふ全国でも有数の名湯。レトロでアンティークな建物は可愛らしく、湯の中はお爺さんに溢れてゐてとても良い感じです。しかも、この日は冬至といふ事で、湯の中には大量の柚子が浮いてゐました。これは・・・、まぁ、ちょっとぐらゐならいいかな。

てな訳で、しっかり温泉を堪能してしまったのです・・・。

薬師湯

かういった次第で、現在の私は、しつこい首と腰の痛みに悩まされてゐます。
ううむ、参った・・・。