火事場の馬鹿力 [ハッシーさん]
ハッシー & YO!ちやん来店。「キシシシシ! 『ブロック・パーティー』行つてきました」とハッシーが笑ふ。ブロックパーティー? そんなもの、京都でやつてゐるのか? それともハッシー、またしてもブロンクスに行つてきたとか…って、ブロンクスでも未だブロックパーティーがやつてゐるのかどうか定かではありませんが、ハッシーの言ふ「ブロックパーティー」は、ミシェル・ゴンドリー監督の映画の事であつた。なるほど。で、どうだつた?
「面白かつたです! やッぱローリン・ヒルは凄いです! ……でも」
でも?
ここで話し手はYO!ちやんに変はる。実は、この映画が始まる前、の話なのであつた。
「ハッシーとみなみ会館の前で映画の始まる10分前に待ち合はせしたんですけど、駐車場にバイクを停めてたら、少し離れた所でをばさんが自転車の鍵がうまくあかないみたいでモタモタしてたんです。可哀相やなー、と思つたんですけど、映画が始まるからそのまま横を通り抜けようとしたら、『すいません』と声をかけられたんです。案の定、自転車の鍵が壊れたみたいで…。仕方なく私も手伝つたんですけど、全然あかない。そこにハッシーもやつてきて…」
ハッシーは過去の経験を活かして(?)、自転車のサドルを抜いてそれに鍵(チェーン型の鍵)を引ッかけ、グルグル回してチェーンを引きちぎらうとしたのだが、そんな事をすれば自転車が傷つくのでこの案は却下。で、みなみ会館まで走つてペンチを借りてきた。大型のペンチであればチェーンは切れる。が、生憎みなみ会館にあつたのは小型のペンチ。これでは切れない。とはいへ、仕方ないのでそれで必死に切らうとするハッシー。時間は無情に過ぎていく。もう予告編はとつくに始まつてゐる。堪りかねて、みなみ会館のサトウさんも呼びに来てくれるが、途中で放り出す訳にもいかない。くそ、なんとかならんのか、くそ、くそ、くそ、クッソオオオオオオオオオオオ!!!! オリャアアアアアア!!!!!
と、ハッシーが渾身の力を込めたら。バチン!!!
と、見事にチェーンが切れた。ハッシー御見事!
……が、実はこの時に同時に、ハッシーは腰を抜かしてしまつたのでした。それでもなんとか、本編が始まるのと同時に映画館入りが出来て、とりあへずは良かつた、良かつた。
きつと今年はいい事あるよ、ハッシー。
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