言葉が通じない [リバータリアン, テラリー]
テラリーが帰省から戻つてきた。正月の忙しい時に帰省して居ないなんて、ホント役に立つバイトだなァ、と、私がカラリと明るく晴れ渡つた気持ちで声を掛けると、「ええ、でもボクは今回の帰省でかなりのショックを受けたんです」と、あくまで自分の事情に固執して答へるのであつた。
「実は、今回の帰省中、ボクはことごとに、会ふ人すべてからバッシングを受けてたんです!」
あ、もしかして、その格好ぢやないか。ヒップホップファッション。
「さうです! もう、大不評で。散々、ぼろかすに言はれました。理解できない! なんで? と、しつこいくらゐ言はれました」
ははは。まー、田舎ではその格好、ただのヤンキーにしか見えないんぢやないか。テラリーの友達にヒップホップなんて聴いてるやつ居ないだらう。
「ええ。でも、一応ちやんと説明するんですよ。ヒップホップといふ音楽が好きになつて、それでヒップホップは文化だから、そのファッションもカッコいいと思へる様になつて、それでこんな格好をしてゐる、と。でも、そもそもボクの話を聴いてないんです。といふか、言葉が全く通じてない! なんでここまで言葉が通じないか、とショックでした」
ま、そんなもんだよ。人は自分の聞きたくないもの、理解を絶してるもの、に対しては脳にフィルターが掛かつて、そもそも頭に入らないから。
「ええ、それは分かつてるつもりだつたんですが、実際に自分で体験すると…強烈でした。」
まー、いい経験だよ。いやー、良かつたぢやないかテラリー。我々が忙しくてバタバタしてる時に、自分はしつかり良い経験をして。
「別にヒップホップファッションを好きになれ、とは言はないですよ。でも、他人がさういふ格好をするには必然性がある、といふ事を理解して、その必然性を尊重する事はできるはずぢやないですか。人間は色々あるんだし。それが個人を尊重する、といふ事でせう」
うーん、だから今の日本には個人主義なんて希薄な訳だし。だからオパールで“リバタリ”とか言つてるんぢやないか。うん。テラリーはオパールでヒップホップもリバタリも学べて、良かつたなー。な! な!
「ええ。それにこの経験はボクの大学院での研究にも役にたつかもしれません」
…私の言葉が全く通じてないな。
Comments
投稿者 のり : 2007年01月17日 15:17
はじめまして、こんにちは。
通りすがりですが、面白い日記でしたので、足跡を残していきます。
人って不思議ですよね。
占いや姓名判断の人気がいつまでも落ちない事からも分かりますが、人が一番感心のあるのは自分自身なんですよね。
で、本当に自分を知ろうと思えば他人に感心を示さなければならない(人の話を聞かにゃならん)。
ところが、”自分が一番”過ぎて(関心が自分に向きすぎて)結局人を見ず、自分も見れない。
詰まるところ、自分大好きな人は自分を知ることが出来ない・・・。
面白い日記でした。
京都の人間ですので、いずれお店へお邪魔します。
早々
投稿者 店主 : 2007年01月19日 20:20
のりさん こんにちは!
さうなんですよね。人は自分の事が一番分からない。が、岡目八目と言ひませうか、他人の目からは見えたりする。チョイと年が上の人間からだと尚更見えたりするので、ついつい口を滑らすと、「オヤジが!」とウザがられたりするのですよねー。うーん、分かつてはゐても、ついつい・・・。
のりさんは京都の方とのこと。是非一度、オパールにお立ち寄り下さい。御待ちしてをります〜。
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