渡辺文樹 [映画]
渡辺文樹の新作『御巣鷹山』が京都に来てゐた。渡辺文樹は知る人ぞ知るインディーの映画監督で、新作を撮つてはそれを持つて全国を廻り、各地で場所を借りて自主上映する、といふ活動を行つてゐる人。彼の新作が来ると、まるでプロレスの宣伝みたいな怪しげなポスターが街中に貼りまくられるのでそれと知られる。なんだこの怪しいポスターは? と、疑問に思つてた人も多いのではないだらうか。今回も一週間ほど前から河原町の電柱にポスターが貼り巡らされてゐたので、ああ、来たな、とは思つてゐた。私も前から一度は観たいとは思つてゐたのだが、なかなか時間も合はずにゐた所、なんとワリイシさんが観に行つてきた(7月5日)といふではないか! ゆ、勇気あるなー。早速、話を聞いてみた。
それによると、観客は大体200人ぐらゐ来てゐたさうだ。映写機の設置も監督自ら行ひ、その設置の間、観客たちに向かつて、マスコミは真実を伝へない! 真実を知らされてないあなた方は不幸だ! と語りかけてゐたといふ。これからも分かるやうに、渡辺文樹の映画は基本的に「告発系」「暴露系」なのだ。ただ、主観・思ひ込みが強く、客観的な検証に欠けたまま、突つ走つたドラマを撮つてしまふ、といふ評判なのである。今回も1985年に起きた日航機123便事件を題材に、あれは実は米軍戦闘機と接触したため故障したのだが、そのまま横田基地に不時着すれば助かつたものの何故か横田基地はそれを拒否、仕方なく誘導されるままに群馬県上をフラフラと彷徨つてゐた所、アメリカの命令を受けた中曽根首相の指令によつて、自衛隊機によつて撃ち落とされた。何故、横田基地は不時着を拒否し、アメリカは撃ち落とす事を命じたのか。それは日航機123便は実は、プルトニウムを積んでゐたからである…。といつた内容の映画である。アメリカ、その傀儡である中曽根政権、その手下であるマスコミ、らによる陰謀を暴く! てなもんで、なかなか面白さうなのだが、実際に観た感想はどうなのだらうか。
「うーん、あまりに主観的すぎて、かへつてウソくさいかも。もつと、客観的に撮ればいいのに」
なるほど。しかし、この妄想スレスレの主観性が渡辺文樹作品の魅力、といふ評判もあるので、難しいところだ。なんにせよ、一度自分の目で観てみないと何とも言へませんね。よし、次は見に行くか。
Comments
投稿者 通りす : 2006年07月20日 23:57
インターネットラジオ『initialGz』の2006.6.7放送回において
DJの方が大阪での『御巣鷹山』上映会体験を、
約1時間に渡って詳しく話されています。
ご参考までにどうぞ。
http://initialgz.web.infoseek.co.jp/
投稿者 店主 : 2006年07月21日 01:17
通りすさん こんにちは!
これは有益な情報をありがたうございます!やはり各所で話題になつて居るのですね。ますます気になつてきました!
コメントしてください