ハッシー、L.A.へ ［etc］
ハッシー & YO!ちやん来店。…おわ！ ハッシー、えらく耳が大きくなつたなー。
「いや、ちャいます！ 髪の毛を切つたんです。それに、耳が大きいんぢやなくて、前についてゐるんです」
なるほど、確かに、サッパリして、随分よくなつたぢやないか。
「実は…明日から行くんです」
え！ 明日。さうか、L.A.だな。コンプトン、サウスセントラル、クレンショー…。
「いやー、大丈夫ですかねェ」
そら、あかんやろ。まづ、撃たれるな。
「そ、そんなん言はんといて下さい！」
ははは、冗談冗談。いちびらなかつたら、大丈夫ぢやない。
「写真、たくさん撮つてきます」
うん。でも写真は気をつけないと。ギャングのゐる所では、無闇に撮らない方がいいと思ふぞ。
「あ、あの、V.I.P.レコード店の屋上に上らせて貰つて、例の看板の横に立つて写真を撮つてこようと思つてゐるんです」
あ、さう！ 凄いな、ハッシー。そんなん、出来るかな。
「まー、丁寧に頼んだらオッケーしてくれるんぢやないですか」
うむ、さういふ無根拠な自信が一番大事なんだな。ハッシーならやれるかも。
「楽しみにしてゐて下さい。キシシシシ！ ……あ、あと、有名人に会へますかねェ」
ううーん、ま、地元で有名なギャング、とかには会へるかもしれないけど。ゲームとかは無理だらう。やつぱ。ハッシーは、他に誰か会ひたい人がゐるの？
「あー、…ヒルトン姉妹とか」
ヒルトン姉妹に会ひたいんかいな！ よく、分からんな、ハッシーの趣味は。でも、ま、初めての海外旅行。あまり欲張らず、無理をせず、身体には気をつけて行つてきて下さい。
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