京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal：Home

　その後、無事に目黒雅叙園にチェックイン。そのバロックな館内を楽しみつつ、本日の予定、下町情緒を楽しむ浅草ツアー、名付けて“Aツアー”の詳細をトモコと練つてゐると、あれ？　あそこにゐるのは……01くんではないか。

「あ、お久しぶりです。東京まで遊びに来られたんですか。それなら、どこかボクがご案内しますよ」

　おお、なんといふ奇遇！　且つ、有り難い言葉だ。なんせ東京は電車がややこしくて、よく分からないんだよ。実は我々は“Aツアー”といふのを計画してゐたんだけど…。

「なるほど。“Aツアー”ならボクの得意分野です。任せて下さい」

　さう言つて、01くんは先頭に立つてスタスタと歩き始めた。我々はいそいそとその後を追ふ。頼もしいことこの上ないな、さすが01くん。言はれるままに切符を買ひ、電車に乗つて、久しぶりの会合に四方山話に花を咲かせてゐると、アッといふまに目的地に着いたやうだ。駅に降り立つ。

「基本的に、この“電器屋街入り口”から外に出ます」と01くん。

　ん？　電器屋街？　…少しばかりの違和感を覚えながら駅を出て、街に出ると、そこは“現在日本で一番熱い街（by 01くん）”秋葉原であつた！！！　…さうか！　01くんの“Aツアー”とは、“A（秋葉原）ツアー”だつたのか！

「一応、一番人気の“＠ほ〜む”は常に満席で入られない可能性が高いので、2番人気の“ミア・カフェ”に行きます」

　＠ほ〜む？　ミア・カフェ？　…ま、カフェといふからには、とりあへず休憩するのだらう。我々もカフェ経営者として、日本で一番熱い街で2番人気のカフェには猛烈に興味がある。なにか、参考になるかもしれない。などと考へながら、狭い階段を上つて、01くんに続いて店内に踏み込むと、

「おかへりなさいませ〜」

　メイドの格好をしたお嬢さん方が、我々を迎へてくれたのであつた。さう、我々が知り合つた時はレゲエDJ・ヒップホップジャンキーであつた01くんは、今やすつかりメイド & ゲームに耽溺するAボーイ（本人曰く“Mボーイ”）となつてゐたのである。

　メイドカフェは、私が想像してゐたのとはえらく違つてゐた。なにより、店内はあまりに普通の街の喫茶店だ。それも、どちらかといふと、いけてない喫茶店。ただ、メイド姿をしたお嬢さん方が働いてゐる、といふだけ。しかし、このメイドさん達がまた、強烈であつた。なんといふか、そのコスプレ具合、なりきり具合が相当で、私なんぞが想像するコミケに集ふ人たち、といつた感じ。喋り方や立ち居振る舞ひが、かなり痛い。……が、01くんの方を見ると、親指を立てて「よし！」と呟いてゐる。

「ここは、メイドの質が高いので有名なんです」

　さ、さうだつたのか。

　その後、01くんは紅茶をお代はりして、その時にカードを引いた。この店では、飲み物をお代はりすると、メイドさんが持つ3枚のカードから1枚をひくことができる。当たりが出れば、何円か割り引いてくれる、といふシステムだ。また、そのカードは貰へて、もちろん、そのカードにはそのメイドさんの写真がついてゐる、といふ訳だ。

「このやうにメイドさんと触れあふ事を“イベント”と言ひます。イベント性の高さが人気の秘密です。一番人気のメイドカフェ“＠ほ〜む”はメイドさんとゲームをして遊べるんです。このイベント性の高さで、トップを張つてゐるんですよ」

　なるほど。凄く、勉強になるなァ。（続く）