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2005年08月31日(Wed)

郵政民営化問題 憂国, ウメドン

 郵政民営化、是か非か? …なんて事が言はれてゐるけれども、そもそも郵政民営化に賛成の一般国民なんてゐるのかなァ? だつて、どう考へたつて、いま郵政を民営化しても、百害あつて一利なし、ぢやないか。…いや、一利なし、は言ひ過ぎかな。一利ぐらゐはあるかもしれない。たとへば、特定郵便局長の問題など、しがらみ利権を何個か潰せるかもしれない。しかし、それぐらゐで、後は悪いことばかりでせう。最大の問題点である“財投”(郵貯のお金を特殊法人などに突ッ込んだりする)は民営化後も残るみたいだし、公共的色彩の強い郵政事業が民営化したら、合理化によつて弱者切り捨てが行はれるのは間違ひない。まァ、都会に住んでゐて、自分は勝ち組になる! と無邪気に信じてゐる人たちにとつては、「別に弱者がどうならうと関係ないよ、弱肉強食の世界さ、負けるもんが悪い。」ッてな感じなのだらうけど、郵政事業は黒字で税金の投入などない訳だから、別に“勝ち組”のみなさんに迷惑をかけてゐる訳ぢやなし、民営化に賛成する理由にはならないと思ふのだけれど。ま、私も一応リバータリアンを目指してゐるので、基本は“自助努力”だけれど、世の中にはどうしたつて弱者・敗者は生まれる。その人たちに対する最低限のセーフティネットはやはり必要で、(3事業が一体化した)郵政は結構その理想に近いと思ふのだけれどなァ(むろん改革は必要。民営化して潰すんぢやなしに)

 それに何と言つても“ハゲタカ外資”の問題がある。アメリカが強硬に郵政民営化を迫つてゐる事からも分かるやうに、そしてアメリカの対日要求とソックリの郵政民営化法案を小泉内閣が作つてゐる事からも分かるやうに、アメリカは郵政民営化後に郵貯・簡保のお金をゴッソリ持つていくつもりなのは明々白々。小泉内閣が、それを黙認・アメリカに郵貯・簡保のお金を貢ぐつもりなのも明々白々だ。そのやうな事は絶対に許されない!!! ……なんて、実はみんな思つてゐないのかなァ。ホリエモンとか見てゐたら分かるやうに、愛国心なんて欠片ほどもない。自分さへ良ければ(地位と金が安泰なら)、日本がどうならうと知つたことではない、グローバリズム・国際化の時代だ、母国に拘るのはをかしいよ、なんて事を平気で口にするぐらゐだからなァ。小泉も一緒。自分の地位を守るためならアメリカの言ひなりになつてもいい、日本がどうならうと別にいいもーん、てなもんだらう。こ、国賊どもめ!!

 みんなさうなのか。みんな目先の金が欲しいだけなのか。でも、郵政民営化によつて益に与れるのは、ごく僅かな層だと思ふぞ。一般大衆には、いいことなんて何もないぞ。悪くなるだけ。それなのに、郵政民営化賛成の奴なんてゐるのか? それが…結構ゐるらしいんだよなー。なんでだろ? ……テレビか。政府の手先であるテレビと新聞に洗脳されてゐるんぢやないか。

 そこで、私は調査をしてみる事にした。普段からあまり政治に関心がなく、本はあまり読まないがテレビは普通に見てゐる、といつたごく一般的な日本人大衆。サンプル数2。それはハッシーとウメドンだ。二人に、郵政民営化について尋ねてみた。

「え! もちろん賛成ですよ。民営化ッて、いいことなんでせう?」

「ボクも賛成ですね」

 やはり。…んー、ぢやあ、なんで賛成なのかな?

「ええー! いやー、だつて国がやつてゐたら悪いことばかりするし。民営化したら、ボクらが郵便局やつてもいいんでせう?」

「理由はよく分からないですね。でも、周りもみんな賛成してますし」

 さうか…。いや……いい。別に、ハッシーたちは悪くないよ。うん。でも、なんか、気分が暗くなつてきました。

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