Movie Review 2002・1月1日(TUE.)
輝け! 2001年
オパール映画
ベストテン
- 管理人
- 昨年はお世話になりました! お正月恒例のオパール映画ベストテンも記念すべき第 3 回です。
- ヤマネ
- ほお 3 回。きりがいいですね!
- BABA
- …。今世紀初のベストテン、ということは 21 世紀のベストテンというわけだな。
- ヤマネ
- ふふふ。かっこいい!
- 管理人
- …。というわけで記念すべき「輝け! 2001 年オパール映画ベストテン」。今年も常連投稿家 BABA 氏と街の映画評判家ヤマネ氏に来ていただきました。そしてもちろん店主オガケン氏と 3 人で、非常に客観性の高い、大衆の意見がよく反映されたベストテンを選出して頂いております。選出対象は 2000 年 12 月 16 日から 2001 年 12 月 16 日までの京都初公開作品です。では早速 3 名の 2001 年ベストテンを発表します。
●
オガケン選出 ベストテン
- セシル・B ザ・シネマウォーズ
- BROTHER
- GO
- ラッシュアワー 2
- リトル・ダンサー
- 不貞の季節
- ザ・セル
- ラッチョ・ドローム
- 焼け石に水
- スターリングラード
- ワースト
- パールハーバー
●
ヤマネ選出 ベストテン
- 千と千尋の神隠し
- 蝶の舌
- スパイ・キッズ
- 初恋のきた道
- クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲
- リトル・ダンサー
- トラフィック
- あの頃、ペニーレインと
- ゴーストワールド
- スパイ・ゲーム
- ワースト
- ファイナル・ファンタジー
●
BABA 選出 ベストテン
- リトル・ダンサー
- セシル・B ザ・シネマウォーズ
- ゴーストワールド
- 初恋のきた道
- キンスキー 我が最愛の敵
- 千と千尋の神隠し
- ふたりの男と一人の女
- パンと植木蜂
- ザ・セル
- リリィ・シュシュのすべて
- ワースト
-
- ハリーポッターと賢者の石
- レクイエム・フォー・ドリーム
- A.I.
●
オパール総合ベストテン
- リトル・ダンサー
- セシル・B ザ・シネマウォーズ
- 千と千尋の神隠し
- 初恋のきた道
- ゴーストワールド
- 蝶の舌
- BROTHER
- スパイ・キッズ
- GO
- ラッシュ・アワー 2
- ヤマネ
- わー、やった、『スパイ・キッズ』が 8 位に! 思ったより多くの人に支持されていたんですね!
- BABA
- ヤマネ君だけです。…6 位以下はすべて単独票ですな。
- オガケン
- ええ。『BROTHER』も『GO』も『ラッシュアワー 2』も私が入れた票のみの得点ですね。なんだかむなしいと言えばむなしい。
- BABA
- この 3 人だとこんなものでしょう。ははは。では 10 位から順に見ていきましょう。
●
10 位 『ラッシュアワー 2』
- BABA
- これについては既に 3 人で鼎談しているからな、語り尽くした感あり。
- ヤマネ
- 『ラッシュアワー 3』の新情報とかはないんですか。
- オガケン
- 『3』情報じゃないけど、クリス・タッカーがマイケル・ジャクソンの物真似を昔から持ちネタとしていたことがわかったことぐらいですかね。ということは次回作は当然マイケルがカメオ出演する、と。マイケルがビン・ラディン役か。
- ヤマネ
- ジャッキーといえば、『アクシデンタル・スパイ』は面白かったですね!
- BABA
- 命がけアクションが久々に観れたしね。というかいつものジャッキー映画だな。『ラッシュ・アワー』シリーズでジャッキーの金銭感覚が麻痺してて、無駄に制作費かけているなあ。
- ヤマネ
- アクションが凄そうにみえるんだったら少々お金がかかってもやっちゃうぜ、みたいなスタンスになっていましたね。最後の、『スピード』『新幹線大爆破』そっくりのタンクローリー暴走ネタは、あはははは。はー。ていうぐらいしょぼいですよね。いや、めちゃくちゃ興奮しました!
- BABA
- どっちやねん。いや、何よりトレーラーのエピソードが最初の話と全く関係がないのが凄いぞ。つけたし過ぎだ。それにビビアン・スーも何しに出てきたのかわからん謎の女だし。さすがジャッキー映画は人物描写が最後まで見事だ。ビビアン・スーでは『ラッシュアワー 2』のチャン・ツィイーとは勝負にならんぞ。
- ヤマネ
- 誰も勝負してません。それにしても何度も高い所から飛び降りてましたねー。
- BABA
- あれは高い! ものすごく高い。
- ヤマネ
- 高いのは怖いです。
●
8 位 『GO』
- ヤマネ
- ああ、この映画観られなかったんですよ。原作は面白くないという評判を聞いていたんで映画には大変期待していたんですけども。
- オガケン
- んん、確かに原作は駄目だったな。しかし映画は原作のどこを手直ししたかがわかって面白かったですよ。しかしやっぱり女性の描き方なんかは酷いもので‥。
- BABA
- イヤ、柴崎コウはいい! それでもキャラクター設定が痛いからねえ、「そんなやつぁおらんやろ!」という描写の連発だな。窪塚洋介のキャラにしてもそう。
- ヤマネ
- あ、そういえばバッチリ娘のド素人占いで知られるコウタロウは、窪塚洋介は大嫌いなんですよ。僕もどちらかといえば柴崎コウの方が好きですね。
- オガケン
- …。コウタロウ君は以前は好きだったらしいね。ところが何かのテレビ番組で『GO』の撮影風景を放送していたのを見たそうで、その時、窪塚が山崎努に殴られて倒れるシーンがあって、無事撮影終了になった。その後、周りの俳優たちが「お疲れさまでしたー」といって解散していく中で、窪塚一人だけそのまま大の字になってずーっと寝そべってたりしてたそうです。余韻に浸っていたのかな。…そういうのを見たりしてだんだん嫌いになっていったらしい。
- BABA
- 山崎努がホントにノックアウトしたんじゃないか。
- オガケン
- まあ、ドキュメンタリーでも、なんとでもイメージ操作できますからね。テレビは怖いです。
- ヤマネ
- そんなことより『GO!』はどうなんですか。
- BABA
- 『GO!』も痛い! ちなみにイギリス映画『go』、久保塚くんの『GO』、それと『GO!』っちゅう似たタイトルのピザ屋の話の映画があるんだ。で、問題は『GO』にも『GO!』にも山崎努が出ているんだなー。『GO!』は意味不明の役で。山崎努もよくこんな役引き受けたな。
- ヤマネ
- 『GO』と『GO!』同じ映画だと勘違いしたんですよ。『GO』の出演依頼が来て脚本を読み、ふむふむ直木賞受賞作か窪塚くん主演か、わかった引き受けよう、といったら、しばらくして今度は『GO!』の人から電話がかかってきて「あのー出てもらえないでしょうか‥。」「…? このあいだ出るっていったぜ。」
- BABA
- あれ、この間聞いた話と違うな? 少し脚本変わったかな? まあいいか、って。…良くない! とりあえず 2001 年の山崎努ベストは『GO』でワーストが『GO!』なのは決定事項だ。
- ヤマネ
- 適当だなあ。それより全く同時期にこの 2 本が公開されていたでしょ。これこそ大問題です。シネコンで同時上映していたら、どうやってチケットを購入するのか大いに悩みますよね! 「いらっしゃいませ、こんにちは。どの作品になさいますか」あ、GO お願いします。「GO! ですね」い、いえ、GO です。「GO ですか GO! ですか?」エエイ、山崎努が出ている方! 「どちらにも出ております」‥あああ、おそろしや。
- オガケン
- 窪塚が出ている方、でいいのでは
- ヤマネ
- ははは。
●
8 位 『スパイ・キッズ』
- ヤマネ
- このお正月の一押しです! ロバート・ロドリゲス、本当に好きなようにやっていますよね。
- BABA
- 子ども映画なのを利用してのびのび撮っているな。
- ヤマネ
- 2001 年は『スパイ・ゲーム』『スパイ・キッズ』『アクシデンタル・スパイ』と、スパイ映画が大ブームでしたよね! どこを向いてもスパイ。咳をしてもスパイ、みたいな。
- 管理人
- …。
- ヤマネ
- 僕に似ていると街の噂のバンちゃん(アントニオ・バンデラス)も、のりのりでしたよね! てへ。きっとあまりの馬鹿馬鹿しさに熱いラテンの血が騒いでるんですよね。子どもたちも、目もあてられないほど素晴らしいし。ずっと目が泳いでいるんですよー。何を撮らされているかまるっきりわかってなかったんじゃないですかね、スパイ道具は CG ばかりだから。
- BABA
- 子ども達は最高だ。それに個人的にはアラン・カミングが沢山出ていただけでも大満足だったな。2001 年はアラン・カミングの年だったと。あ、今年はさらに飛躍の年だろう。よし。
- オガケン
- アラン・カミングって誰でしたっけ?
- BABA
- 『タイタス』で皇帝役の人ですよ。あと『アイズ・ワイド・シャット』でトム・クルーズに色目を使うフロントマンなんかもしていたな。
- ヤマネ
- 今回の役柄も秀逸でしたよね。天才発明家の役柄で、テレタビーズの気持ち悪いバージョンみたいな子供向けテレビ番組を製作する傍ら、悪人に促されて余興で世界征服できるほど強力なロボット軍(スパイ・キッズ)を開発しているんですよ、それでいて世界征服とかには殆んど興味が無いという、それはそれはもう難しい役どころなのに…。ほんと上手に‥。ね!
- BABA
- 難しいか?
- ヤマネ
- いいんですよ。みんなに観て貰いたくて適当なゴタクを並べているのに!
- BABA
- でもこの映画は客を選ぶと思うぞー。『マウス・ハント』のように、ウケル人にはとことんウケルが、駄目な人は全く面白くないんじゃないのかな。
- ヤマネ
- がーん! そうだったのか。一人ではしゃぎすぎていて気がつきませんでした。…。落ち着いて言われてみるとそんな気がしてきた。ちょっとした衝撃です。
- BABA
- 僕はめちゃくちゃ面白かったけどね!
- ヤマネ
- BABA さんに言われても…。次、行きましょう!
●
6 位 BROTHER
- オガケン
- 6 位は二つですね。『BROTHER』は私しかいれていませんね。凄く好きなんですけど。年の初めにこれを観たとき、今年のベスト 1 はこれだ! と思ったぐらいですからね。観ている間中震えがきてました。
- BABA
- 個人的には後半が苦手。
- オガケン
- イタイところが満載なのはわかるんだけど、勢いもあるし、タケシの美意識が噴出しているのがたまらなくオッケーなんですよ。僕は映画っていうのは不完全というか齟齬があるほうが好きなんです。左がかった人達は嫌っていましたからね。右翼的な側面が鼻についたんでしょうね。そんなことより大体アジア人と黒人が組む、ていうのがいいんですよー。
- BABA
- 最近そういう映画もちょこちょこあるよね。『リムジン・ドライブ』は『BROTHER』を意識していると思うんだけど、日本のコギャルとニューヨークのファンキーな黒人を共闘させていてなかなか面白かったです。
- オガケン
- 『BROTHER』は映画の中で神風とハラキリをやってみせたのが大きいとも思います。まるで秋(9 月)を予言していたかのような‥。2001 年は神風の年でしたからね。
- ヤマネ
- 結局あの事件の衝撃に比べれば他の出来事なんて、身近な事を除いてかなりどうでも良くなってしまいますよね。対抗できるのは唯一『スパイ・キッズ』事件ぐらいかな。
- 管理人
- そんなわけないでしょ!
●
6 位 蝶の舌
- ヤマネ
- あ、また得点いれてるのボクだけか‥。たはは。いい映画と思ったんですけどね。なんで 2 位なんかにしたんだろ。今思うと『スパイ・キッズ』を上に持ってくれば良かったなあ。いや、いい映画だったでしょ。
- オガケン
- タイトルすら知りません。
- BABA
- いい映画だったよ。
- ヤマネ
- ほんとのホントに思ってます?
- BABA
- ‥。最後の展開はスゴイでしょ、思わず泣いたし。
- ヤマネ
- そんなに良かったですか!? ボクはそれ程でもないかなあ。
- BABA
- …。
- オガケン
- どんな話なんですか。
- BABA
- スペイン映画なんですよ。珍しく。スペイン内戦に突入する直前を描いているんです。ていうかスペイン映画ってそんなんばっかりですね。『ミツバチのささやき』とか。イギリス映画だけど『大地と自由』もスペイン内戦の話だったな。それでですね、小学校の先生で当時大変リベラルな先生がいて、主人公の男の子はその先生との交流、励ましによって少しずつ成長していくという物語なんですが、ファシズムの波が押し寄せてきて町の人はどんどんファシストになっていきます。それで先生がどんどん孤立していく、と。
- オガケン
- 面白そうじゃないですか。
- ヤマネ
- でしょう!
- BABA
- …。今年公開された『マレーナ』も同じように大衆のいい加減さを描いてたな。戦前のあの時期はみんなファシストだったのに、ていう。
- オガケン
- スペインといえば、10 年に一本の寡作な監督ヴィクトル・エリセの新作がそろそろ登場してもよいころでは?
- ヤマネ
- 撮ってるんですか?
- オガケン
- 知らないけど。撮ってて欲しいなあ。
- ヤマネ
- 関係ないですけど、もうすぐナンニ・モレッティの新作が京都公開ですよね。昨年カンヌ映画祭パルムドールを取った『息子の部屋』っていうやつ。とても楽しみなんですけど。
- オガケン
- しかもついにメジャーで公開でしょ。京都だと MOVIX だとか。
- BABA
- これでヒットしてモレッティの過去の作品をリバイバル上映してもらいたいな。DVD も出したりして。
- ヤマネ
- DVD 一本も出てませんね。昨年はイタリア年だったのに。『ジュリオの当惑』とか出たら即買うのになあ。
●
5 位 ゴーストワールド
- BABA
- この映画はズシンときたわ。
- ヤマネ
- 恐ろしかったです。なんか深みに入りそうで。
- BABA
- 監督がクールなんだよ。おっさんだけど。
- オガケン
- 2 人がいいって言うものだから観たかったんですけどね。
- BABA
- 観て欲しかったですね。確かにパッと観た雰囲気でギャルとかが喜んでるかもしれない。ダサいのがいけてるとか、サブカルなんやけどそれこそ王道と思ってる人々にはなあ‥。
- オガケン
- クイック・ジャパンとか読んでるような‥。
- BABA
- ああ、そんな感じです。
- オガケン
- ナゴギャとか‥。
- ヤマネ
- 何ですか、ナゴギャって。
- オガケン
- 昔ナゴムというレーベルがあって、
- トモコ
- (遠方より)筋肉少女隊とかが所属していたところよ。
- ヤマネ
- ああ、そうなんですか。
- BABA
- ともかくそういった超自意識過剰な少女たちの気持ちはオッサンからみてもようわかる、と。周りがみんなダサく見えるだな。本当は自分達も間違いなくダサいんだけども、なにかしらアイデンティティーを確立させてやっていけるように錯覚している。一方オッサンの代表であるスティーブ・ブシェミが演じるブルース・レコード・コレクターは、自分がダサいといことは自覚しているんだが、プライドはそれなりにあるという。時代に即した内容というかそういう苦悩する人々をよく描写出来ていると思うしね。今年一番かっこいいと思った映画かも。
●
4 位 初恋のきた道
- BABA
- 大分と記憶が薄れてきたな。よかったことは覚えているが。ちょうど一年前か、チャン・イーモウがのりにのっていた時。
- ヤマネ
- チャン・ツィイーの婿になる人の髪形がすごかったですよね!
- BABA
- ははは。そういえばあの俳優もよかったな。
- ヤマネ
- 初めて家に招待する時があるでしょ。あの時スローになってチャン・ツィイーのアップが映るところは思わず気分が悪く‥いえ、素敵でしたよね!
- BABA
- ははは。あそこはスゴイ気合入ってるよな。
●
3 位 千と千尋の神隠し
- オガケン
- これもまだ観てないなあ。
- ヤマネ
- ボクはちょっとね。ふふ。‥はまっちゃいました。アニメって何度も繰り返しみようとは思わないほうなんですけど、この映画は何度も映画館に行ってしまいましたね。色々と気持ちいいんですよー。おむすび食べるとことか。ぼろぼろ涙こぼすところとか…。階段を左右の足をそろえて上って行くとことか。自転車をひっぱりだすとか、ですね。
- BABA
- 映画的な興奮では最高だったな。宮崎駿はやっぱりすごい、と。ただあまりにもヒットしすぎ。
- ヤマネ
- うーん。そうだ! 宮崎駿ですごいと思ったのは、映画とは全く関係ないんですけど 96 年ぐらいから、これからの乗り物は自転車が見直されていくだろうね、なんてしきりに言っていて、97 年にはジブリのメンバーみんなでロードレーサー買ってユニフォームも揃えて「ツール・ド・信州」なるイベントまでやっちゃってる。時代を先読みしすぎてましたね。去年ぐらいに実行に移してたら、清志郎や KAZE とならんで「サイクル・スポーツ」で特集組んでもらえたでしょうにね。当の本人はそんなことどうでもいいんでしょうけど。それにしても 千と千尋はおもしろいや。やーい。
- BABA
- 人間は自然との共存が可能か? とか、大層なテーマを持ち込まなかったのがよかったね。「知りあいの女の子に気に入って貰いたい」という一心で作ったんでしょ。そりゃ、面白くなるって。でもヒットしすぎ。
- ヤマネ
- ふふふ。わーい。
●
トピック:京都映画祭、みなみ会館旧作上映
- BABA
- そもそも今年は映画観すぎた、と反省しているのだ。ちょっと食傷気味であります。京都映画祭でも沢山観たし。
- オガケン
- 京都映画祭は非常によかったですよね。
- BABA
- ほんと素晴らしかった。『暴れん坊兄弟』とか、バチグンでした。
- オガケン
- 映画ってリバイバル上映のほうが面白いのは当たり前だけど、今回のラインアップにはしびれさせていただきました。それと、京都映画祭じゃないけど、みなみ会館で夏休みにやった『ハワイ・マレー沖海戦』とか『青島要塞爆撃命令』とか‥凄い傑作!
- BABA
- でした。
- オガケン
- ちょっとした洒落のつもりで観にいったんですけどね、いつも期待以上に戦前の日本映画の質は高い! と思わされたわけです。今となっては、当時のプロパガンダ映画として括られてしまうことが多いのでどうしても正当に評価されにくい面があるでしょう。
- BABA
- 『ハワイ・マレー沖海戦』は特にそういう感じがありますね。
- オガケン
- 単純に撮影も素晴らしくて、当時の日本は美しい! と感激しますし。
- BABA
- 当時の日本は精神主義なんだけど合理的なんだ、というのがよくわかる。残念ながら今後戦争当時の描写はますます紋切り型になっていくだろうから、こういう映画は必見です。それと『ゼロ・ファイター大空戦』の加山雄三も良かったですね。
- オガケン
- 加山雄三、思いのほかかっこいいです。
- ヤマネ
- ぬ。若大将がですか? 原よりはかっこいいと思うけど‥。
●
2 位 セシル・B ザ・シネマウォーズ
- オガケン
- 振り返ると去年の映画は『セシル・B』と『BROTHER』の 2 本だけでよかったような気がします。
- BABA
- 2 本ならボクは『ゴーストワールド』と『セシル・B』だな。
- ヤマネ
- ちょ、ちょっと待ってください、『スパイ・キッズ』の立場はどうなるんですか。…はっ? うーむ。何度も同じ事をいってるうちに映画もそれほどだったか不安になってきました…。いや! 絶対面白い! 面白かった‥はず。
- BABA
- なんかトーンダウンしてきてるな。ベストスリーなら加えて『キンスキー 我が最愛の敵』ね。しびれました。そういえば、power 氏が日記で『千と千尋』のどこが良いか、それは「寂しさが満載」だから、みたいなことをね、書いていてね、その通りだなと。つまり本当にいい映画は終わる時にさみしくなる。『キンスキー 我が最愛の敵』もめちゃくちゃさみしいでしょ。
- ヤマネ & オガケン
- さみしいでーす。
- オガケン
- 『セシル・B』もメラニー・グリフィスが最後に警察にひかれていくところで、グッときますよね。さみしくて。前半あれだけ狂騒的に楽しくやっておいて最後にふっとさみしさが訪れるのがツボですね。『サンタ・サングレ』の最後とかいつ観てもさみしくてさみしくて。
- BABA
- なるほどー。あれもさみしいな。さみしい映画か…。『燃えよドラゴン』とか。
- ヤマネ
- そうですか!?
- BABA
- さみしいやん!
- オガケン
- ボクはやはり『スィート・ムービー』かな。
- BABA
- うん。さみしい。
- ヤマネ
- 『ガキ帝国』とか。
- BABA & オガケン
- おー! さみしー!
- ヤマネ
- ふふふ。なんか嬉しい。
●
1 位 リトルダンサー
- BABA
- 一番泣いた映画だからなあ。父と子の関係というのも個人的に思うところあって、効いたな。カウンターパンチだった。父は息子たちは当然炭鉱夫になると思っていたのに、全然違う道に進む次男を応援する側にまわっていくのだ‥。親の思いを裏切ってヤクザな道に進んでしまった自分にダブって…(泣)泣き濡れてカニとたはむる‥。今後がんばります!
- ヤマネ
- がんばってください。さて、兄貴がいいですね!
- オガケン
- みんな良かったよ。ばあさんも。リトルダンサーは堅実な映画でしたよね。
- BABA
- (泣きながら)父と息子、特に次男という境遇もそっくりで‥。ダンス始めようかな…。
- ヤマネ
- ‥がんばってくださいね。ダンスと言えば今年『セイブ・ザ・ラスト・ダンス』とか面白かったですね!
- BABA
- ははは。あったあった。
- オガケン
- 知りません。
- BABA
- バレエの道を目指していた娘が黒人のヒップホップ野郎とイチャイチャしてヒップホップで合格! ていう映画だな。
- 管理人
- ひどく省略してますね。
- オガケン
- いえ、それで充分です。つまり、2001 年はヒップホップの年であったということですか。ヒップホップの映画界への殴りこみはブームとなりつつあるようですからね。ちなみに 2002 年のマイベストワンは、まだ公開されていませんが『THE WASH』に決まっているんです。スヌープ & ドレーが主演の映画なんですが、サントラに載せられている写真を幾つか眺めただけで、「これ傑作!」と確信しました。
- BABA
- そういえば昨年も『ワイルド・スピード』『セイブ・ザ・ラスト・ダンス』やら『トレーニング・デイ』といったヒップホップが全編にわたってフィーチャーされている映画が多かった YO!
- ヤマネ
- …。つまり、2002 年は「ヒップホップでさみしい」映画が熱い! と。
- オガケン
- 『ロミオ・マスト・ダイ』もヒップホップ映画だった。先日、アリーヤ追悼の意も込めてビデオ借りたんだけど、出鼻から滅茶苦茶かっこいい! と思ったんよ。ところがその後はどうしようもなかった。
- トモコ
- (遠方より)そうそう、『ロミオ・マスト・ダイ』でアリーヤのお父さん役の人好きなのよー。
- BABA
- デルロイ・リンドーですね。うん、彼は渋い。ローレンス・フィッシュバーンに似てなくもないですね。
- トモコ
- (遠方より)あ、ローレンス・フィッシュバーンも好きかも。
- BABA
- ごつい顔の黒人好きなんですね。フィッシュバーンは 14 歳で『地獄の黙示録』に出たり、『ティナ』で暴力亭主アイクを演じたり、『マトリックス』にも出たり、粒よりの出演作です。
- オガケン
- 『ロミオ・マスト・ダイ』だけでなく、カンフーとヒップホップの融合が随分と進んだ年でした。今後さらに黒人映画、ヒップホップ映画は増えていくでしょうね。これまでのアイス T & アイス・キューブの役割を、スヌープやメソッドマン & レッドマンが世代交代しつつ。
- BABA
- 黒人映画が儲かるようになってきて、黒人監督が普通に力まず監督出来るようになってるんだな。ところで『ワイルド・スピード』で思い出したけど、『ピッチ・ブラック』にも出演していたビン・ディーゼルっていう俳優は今年ブレイクすると思うぞ。憶えておいて下さい。
- オガケン
- ビン・ディーゼルですね。
- ヤマネ
- ラディンとどっちがブレイクしますか?
- 管理人
- 言うと思いました。
- ヤマネ
- う。それはそうとオイシンも何か言いたそうですよ。
- BABA
- 仕方がない、オイシンのベストも聞いておいてやるか。
- オイシン
- ベストワンは今年の映画じゃないんですけど『アギーレ・神の怒り』最高です!
- 全員
- あ、そ。ふーん。
- オイシン
- …つ、冷たい。ワーストは『レクイエム・フォー・ドリーム』です!
- BABA
- おお! それは同感。さすがのオイシンもつまらなかったか。どうでもいいけど。
- トモコ
- (遠方より)わたしのベスト 1 は『コミック・ストリップ・ヒーロー』。2 番目は『焼け石に水』です。どちらも何故だかフランスものです。しまった!
- ヤマネ
- ポーも何かいいたそうですね。
- ポー
- 「…。来い!」威嚇。
- ヤマネ
- 何言ってるんでしょうね。ははは。
●
ワースト
- BABA
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』です。撮り方によっては非常に面白くなったと思うのに、非常に面白くなくなっていた。クリス・コロンバスみたいなアメリカの脳たりん監督にイギリスの話を撮らせたらダメでしょ。リチャード・レスターが撮ったらバチグンだったと思うんだが。
- オガケン
- 私のワーストは『パール・ハーバー』。言うことなしです。下らなくて本当によかったな、と。誰が観てもつまらないということで、プロパガンダ失敗!
- ヤマネ
- 安心してお奨め、というわけですね。僕は『ファイナル・ファンタジー』です。酷い。おしまい。
- 管理人
- ではそろそろまとめて下さい。
- ヤマネ
- 2002 年は「ヒップホップでカンフーをするビン・ディーゼル主演のさみしい映画」が大ヒット間違いなしですね! それより今年はワールドカップがありますからねー。映画そっちのけです!
- オガケン
- ‥不況を乗り切るためにも冬休みに『ハワイ・マレー沖海戦』を観ることをお奨めします。
- BABA
- 日本が不況を脱するにはどうすればいいか? 「足りないのは、頑張りであります!」
- オガケン
- 「頑張ったら許される」のです。オパールもね。
- 管理人
- では、来年 1 月 1 日、パソコンの前のあなたと! お会いしましょう。ではー。
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