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Movie Review 10月16日(TUE.)

ラッシュ・アワー 2
 鼎談 PART II

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前回
までのあらすじ
アメリカ世界戦略を批判し、アメリカ同時多発テロを微妙に予告したと言われる『ラッシュ・アワー 2』。オパール店主ことオガケン氏、常連投稿人 BABA 氏、町の映画評判家ヤマネ氏は大いに語るのであったが…。


音楽もいい! 

管理人
アジア人と黒人は何において結びつくか? それは 「魂(SOUL)」 であるというわけですね。ソウルと言えば、…って無理矢理なネタふりのような気がしますが、サントラはヒップホップ・ファン、ソウル・ファンの間で評価が高いそうですね。
オガケン
そうです。私もカフェ・オパールで毎日かけてます。映画では最後に流れる『Blow My Whistle』は、宇多田ヒカルとフォクシー・ブラウンが共演しているんですが、これもなかなかカッコいい。宇多田ヒカルって初めて聞いたんですけどね。名曲揃いのサントラ盤の中から、わざわざこの曲をエンディングに持ってきたのは、やはりアジア人(宇多田ヒカル)と黒人(フォクシー・ブラウン)の共闘、というこの映画の思想を表しているわけです。まあ、ブレット・ラトナーという監督はなかなか音楽をわかっているヤツ、と思いました。
BABA
カジノでクリス・タッカーが暴れるシーンも、ブラックスプロイテーション・ムーヴィー好きには、なかなか嬉しい。
管理人
ジャッキーがカジノの裏に忍び込むのに、警備の気を引かせるため騒いでくれ、とクリス・タッカーに頼むわけです。クリス・タッカーは、サイコロ賭博で騒ぐんですね。
オガケン
「黒人と白人で掛け金の額を差別するのか? 黒人は 1000 ドル賭けちゃダメだと言うのか? メーン?」とやるわけです。隣にいる白人客に「どう思う? メーン?」と聞くと、リベラル白人が「そうそう、あんたの言う通り!」って感じで頷くのが面白かったです。
ヤマネ
「次の一投は 27 年間獄中につながれていたネルソン・マンデラのために!!」とかいいながらサイコロを投げるのがおかしいですよね。
オガケン
「I have a dream !」とか、いきなりキング牧師をパロッた演説をするのもおかしかったです。キング牧師は融和主義でしたから、リベラル白人に受けがいいんですよね。あの辺のクリス・タッカーはなかなかいいですね。ソウルファンの心を鷲掴みです。マイケル・ジャクソンのモノマネをするのもなかなか良かったですね。
ヤマネ
あれはクリス・タッカーの持ちネタらしいですよ。
オガケン
話によると、マイケルは顔とか白くなっても、黒人にリスペクトされているんですね。マイケルの悪口を言うと、黒人は真剣に怒るそうです。
BABA
逆に、ライオネル・リッチーは…。
オガケン
「あいつはコモドアーズをやめて黒人をやめた!」とか罵られてしまう。リスペクトの対象としてマイケルやグラディス・ナイトを持ってくるあたり、黒人文化がよく研究されていると思いました。「アイクとティナは必ず復縁する!」とか、大笑いしました。他の客は誰も笑ってませんでしたが。
BABA
ボクが見た時は、白人の外国人がクリス・タッカーにいちいち大笑いしていたのが面白かったな。字幕だけでは何が面白いのか全然わからないので、「笑いにゆるいヤツめ」とか思ってましたが。黒人文化をよく知っていると面白いんだろうね。


『燃えよドラゴン』をリスペクト

ヤマネ
一方、アジア人というか中国・香港映画もよく研究していますね。エンドタイトルに NG 集を持ってくるのはジャッキー映画のお約束ですし、ラロ・シフリンの音楽とともに香港の空撮で始まるオープニングは「おお! 『燃えよドラゴン』!」と胸が熱くなりました。
BABA
そうそう。クリス・タッカーが香港のマッサージ・パーラーで女の子を選ぶシーンも、『燃えよドラゴン』だし。それと、チャン・ツィイーが最初、金髪のカツラをかぶっているのは『恋する惑星』でしょ? しっかり香港、中国映画を研究してるな。ところで『グリーン・デスティニー』のミシェル・ヨーが、ミシェル・キングの名前で命がけアクションを見せるジャッキー映画は何だっけ? 
ヤマネ
『ポリス・ストーリー 3』と、『プロジェクト S』ですよ。アレは凄かった。ああいう香港映画の「命がけ度」に比べると、『ラッシュ・アワー』シリーズはちょっと物足りないですね。
BABA
まあ、製作費 100 億円だから、もし主演俳優が事故を起こすと大損害になる。保険会社のチェックが入って「命がけ度」が弱くなってしまうんだな。ハリウッドはリスクマネージメントがしっかりしているんだ。適当。
ヤマネ
ジャッキーは『ラッシュ・アワー』の 1 本目を見て、全然面白くない! 失敗作! と思ったそうですよ。でもヒットしたんで、そういうものか? と、アメリカ人のセンスに任せようとしているらしいです。
オガケン
確かに、チャン・ツィイーに比べるとジャッキーのアクションはパッとしませんでしたね。細くて手足の長いチャン・ツィイーの方が絶対にカッコ良かったです。クリス・タッカーも足が長くてキックが決まりますね。ヴェルサーチのジャケットも似合ってたし。さすが黒人。
BABA
ジャッキーはスタイルは良くないし、美男でもない。その分、コミカルさと命がけ度で勝負しているわけだ。アメリカ映画だと命がけ度が随分減って損をしてるな。でも、戸棚とか椅子とかをチョコマカ利用して組み立てるアクションは相変わらず素晴らしいと思ったが。
ヤマネ
でも、ジャッキー自身が監督したヤツの方が、絶対面白いですよ。『酔拳 2』とかバチグンに面白かったです。話は中途半端で「ええっ! これで終わりかい?!」って感じでしたが。
BABA
だよね。アクションのしつこさと命がけ度では、ジャッキー監督作がバチグンだ。『プロジェクト・イーグル』とか、もう無理矢理なアクションが多くて最高! 
ヤマネ
どんなヤツでしたっけ? 
BABA
忘れた。それからサモ・ハン・キンポーが監督なんだけど『ナイス・ガイ』も最高。
ヤマネ
クライマックスで、馬鹿でかいトラックで豪邸をぶっ壊すシーンが最高でしたね。ベニヤで出来た家で、何もない広っぱに忽然と建ってる家で、最初から壊されるのがバレバレ! 
BABA
『ナイス・ガイ』は、サモ・ハンが自転車乗りの役でチョコチョコ登場するのも見逃せない。命がけ度といえば、『WHO AM I ?』は久々に腹の下のあたりがムズムズ来る命がけアクションがあって良かった。
ヤマネ
あの、ビルを駆け下りるシーンは寒かった! えーっと、それから何でしたっけ? 後藤久美子が出てる早回しのレースシーンのヤツは? 
BABA
うーんと、うーんと。
管理人
……。延々と続きそうなので、ここらで第 3 作『ラッシュ・アワー 3』を占っていただきましょう。


『ラッシュ・アワー 3』を予想する

オガケン
とりあえず、ジョン・ローンは出られませんね。久しぶりにジョン・ローンを見ましたが、小じわが一杯で、全然わからなかったです。
BABA
次はチャン・ツィイーを全面的にフィーチャーして欲しいね。
オガケン
ええっ! チャン・ツィイーは自爆テロで死んだじゃないですか? 
BABA
ふふふふ。死体が出てこなければ、なんぼでも復活していいというのが娯楽映画の基本ルールだ。いかに復活させるかが脚本家の腕の見せ所である。チャン・ツィイーの双子の妹という手もある。
管理人
…。『2』のラストで、ジャッキーとクリス・タッカーは美人捜査官を追いかけて、ニューヨーク行きの飛行機に乗るわけですが。
BABA
『3』はニューヨークが舞台になるんだな。なんかジャッキーが貿易センタービルの窓拭きをするアクションが計画されていたが、中止になったそうだ。
オガケン
貿易センタービル無くなっちゃいましたからね。
ヤマネ
『3』の最初は、飛行機に乗ろうとしたら、クリス・タッカーに携帯電話がかかってきて、乗り遅れるんですよ。で、美人捜査官の乗った飛行機はハイジャックされて、貿易センタービルに突っ込む! 
オガケン
ますますブローバック理論を忠実に描こうというわけですね。
BABA
で、復讐を誓ったジャッキーとクリス・タッカーは、ビンラディン氏をやっつけにアフガニスタンに向かう。ビンラディン氏を演じるのがチャン・ツィイー。
管理人
……。うーむ、なんかムチャクチャですけど…。
BABA
アメリカ人には、アラブ人と中国人の区別がついてないからいいんだよ。で、アルカイダの地下要塞で超絶アクションが繰り広げられるわけだ。鏡の間があって、ジャッキーが「お前は少林寺の名を汚した!」とか言ったりして。で、闘いながらビンラディン氏はアメリカが如何に酷いことをしているかをトクトクと語る。結局、ジャッキーとクリス・タッカーはビンラディン氏を倒してブッシュ大統領から勲章をもらうんだけど、「こんなもん、要らねぇ! メーン!」と海に投げ捨てる。
ヤマネ
タイトルは『ラッシュ・アワー 3  怒りのアフガン』で決まりですね!! 
管理人
……。うーむうーむ。では、今日はこの辺で…。最後に何かありますか? 
オガケン
『ラッシュ・アワー 2』は、ギャグは大して面白くないんだけど、同じようにギャグがつまらない『マウスハント』に比べて圧倒的に面白くなっているのは、やっぱり役者が良いからだ、とトモコが申しておりました。
管理人
『ラッシュ・アワー 2』、バチグンのオススメ、ということで。ではー。
ヤマネ×BABA×オガケン Original: 2001-Jan-16;

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