音楽
hyphy 2
YOU TUBEの何が便利かと言つて、それはミュージシャンのPVが手軽に観られるやうになつた事である。これまでは、PV集のビデオやDVDを買つたり、友人にMTVを録画して貰つたりして観てゐた訳だが、これでは効率は凄く悪い。観たいアーティストのPVが必ずそこに入つてゐるとは限らないからだ。それがYOU TUBEなら、ま、登録されてゐたならばの話だけれど、検索すればパッと出て来るのだ。試しに、私が注目してゐる「HYPHY」を検索してみよう。HYPHYのアンセム、FEDERATIONのその名もズバリ『HYPHY』といふ曲だ。では、ポチ。
ダーク
桐野夏生著『ダーク』を読む。これはいはゆる「村野ミロ」もののひとつで、主人公は勿論村野ミロである。しかし、いやはや、噂には聞いてゐたものの、なかなかに凄い。今までの『顔に降りかかる雨』『天使に見捨てられた夜』『ローズガーデン』『水の眠り 灰の夢』などの作品に出てきた人々がゾロゾロと出てくるのだが、これらの人々がみな恐ろしくダークに、ネガティブに、反転して描かれてゐるのである。
韻踏合組合
私は日本は大阪のヒップホップグループ、「韻踏合組合」といふ連中のファンであり、さすがに店で日本語ラップをかける事はできないので、主に家の中で彼らのアルバムを愛聴してゐるのだけれど、彼らのTシャツは店の中でも着てゐる。背中に解読難の字体で「韻踏合組合」とプリントしてある奴で、結構洒落てるやん? とか勝手に思つて着用してゐたのだけれど、先日ある人から「なんか、ヤンキーみたいですね」とか言はれてしまつた。うーん、さうかな?
チェック・オン・イット!
タカシくん来店。タカシくんは、5月13日のポー社長による呼びかけに応へて、やつて来たさうだ。うーん、偉い! どうですか、ポー社長。
キング・オブ・ステージ
大阪BIG CATにてライムスターのコンサート。2MC+1DJのみ、といふシンプル且つハーコーなスタイルで2時間以上、全くだれることなくノー・ギミックで突ッ走る。いや、一回だけギミックがあつたか。白ボードを持ち込んでの“第三会議室”スタイルでのスキット。とはいへ、白ボードですから。ほとんどノー・ギミックと言つて良いでせう。正に“キング・オブ・ステージ”の名に恥じない素晴らしいショーであつた。
ミス・インフォ
雑誌「bmr」を購入、読む。今回はミンヤ・オー a.k.a. ミス・インフォのインタビューが載つてゐて、それが抜群に面白かつた。ミス・インフォは韓国系のアメリカ人で、ヒップホップの創生期からシーンに関はつてきたジャーナリスト。且つ、『TSUNAMISONG』騒動の時に、アジア人蔑視に対して敢然と抗議の声をあげた事からも分かるやうに、政治意識も高く、クレバーな人である。故に、日本にゐてはよく分からない、なんとなく想像する事しかできない現在のUSヒップホップシーンの諸問題をズバズバと語つてゐて、とても面白かつたのだ。
SPRINGROOVE
ウエナカさんに録つて貰つたビデオを観る。これは4月に行はれた「SPRINGROOVE」といふヒップホップ、R&B、レゲエを対象にした音楽フェスティバルの模様を収めたもの。まだ全部は観てゐないのだけれど、とりあへず、観た範囲で感想を記しておきます。
ハイフィー
現在、ヒップホップ界では“ハイフィー(HYPHY)”といふのが流行つてゐる。これはベイエリア発のムーブメントで、私は1年程前にキング・オブ・ハイフィーと言はれるリック・ロックが手掛けたFEDERATIONといふグループのその名もズバリ「ハイフィー」といふ曲を聴いて、すでにチェックしてゐた訳だがどうにもよく分からず、今月(5月)号の雑誌「bmr」のハイフィー特集を読んでやつと少し分かつた、やうな錯覚に陥つたのだけれど、要するに南部の“クランク”みたいなもんで、ヒップホッパーたちが自分達のライフスタイルに勝手に名前をつけ、それが自分達の作つた新しい音楽スタイルと結びつくことによつてムーブメントになつた、といふ例のパターンらしい。
CHECK ON IT
デスチャに較べて、ビヨンセのソロはどうにも弱い、と感じ、勝手にビヨンセのこれからを案じてゐた私だが、そんな懸念を吹き飛ばしてくれたのが、映画ピンクパンサーの主題歌でもある『CHECK ON IT』。スリム・サグをフューチャリングしたバウンシー且つポップな曲で、素晴らしい出来である。これなら、ビヨンセも立派にスター街道を驀進していけるだらう、と一安心。全く、勝手に心配したり安心したり、私も大変である。
Rhyme&Blues
最近は日本語ヒップホップ界の大物たちの新作ラッシュが続いてゐて、それらを追ふのに忙しい。ジブラにDABO、般若、MSC、韻踏合組合、ライムスター、そしてオジロザウルス。ま、これらの中ではやはり、ライムスターだよなァ、といふのが私の感想だが、それに迫るくらゐに良かつたのが、オジロザウルスのサードアルバム『Rhyme&Blues』。その理由は…と、書かうと思つたのだけれど、トモコに途中でこのPCを横取りされ、以後ズウッと占領され続けたので、時間切れ。タイムアップ。残念ながら、今日はこれまで。
HEAT ISLAND
ライムスターの新作『HEAT ISLAND』を購入。聴いて、唸つた。
MJB
月曜日の昼間は大抵ユキエさんと私が入つてゐるのだが、今日はユキエさんの体調が悪いといふ事で、ユキエさんには早退して貰ふ事にして、私がひとりで店を守ることになつた。ま、昔はよくひとりで店をやつてゐたので、問題ないといへば問題ないのだが、なにせ最近はスタッフのみんなにサポートされて、私は主にコーヒーをいれるのみ、といふ状態だつたので、少しばかり緊張するのも事実だ。ドカッとお客さんがやつてきて、大量にフードやドリンクの注文が入つたとして、ひとりでうまく・素早く捌けるだらうか。まるで初めて戦場にたつ戦士のやうな気持ちで、私はガッシとカウンター内に佇立してゐた。が、ほとんどお客さんがこなくて、なんの問題もなく過ぎてしまつた。うーむ、つまらん。
WELCOME TO JAMROCK
さて、昨日記したアリシア・キーズの『アンプラグド』ライブの最後にもゲストで登場したダミアン・マーリー。彼はもちろん名前からも分かる通り、ボブ・マーリーの息子な訳だが(確か9男で末子)、現在アメリカでとても売れてゐるといふ。昨年に出したアルバム『WELCOME TO JAMROCK』の事で、だからこそアリシア・キーズのライブにも出てきたのだらうが、確かにこのアルバム、もの凄くいい。普段はあまりレゲエは聴かない私だが、このアルバムはかなりヘビーに聴き倒した。
アリシア・キーズの『UNPLUGGED』
DVDでアリシア・キーズの『UNPLUGGED』を観る。これはしばらく中断されてゐたMTVのアンプラグドコンサートを復活させたものださうで、それがどういふ意味合ひを持つのかいまひとつよく分からないのだけれど、そんな事とは関係なくても、素晴らしいコンサートであつた。アンプラグド、といふからには生楽器ばかりでやる訳だが、何故かエレピを使つてゐるといふ疑問はあるけれど、とにかくその楽器編成とアレンジのおかげで、非常に濃厚に70年代ソウルッぽいステージとなつてゐる。とくにストリングスとフルートの存在、ホーンのアレンジ、さらにブルックリンの小さなライブハウスで行つてゐることからくる観客との親密感・一体感。ダニー・ハザウェイやカーティス・メイフィールドのライブ盤を思ひ出さずにはゐられない。ああ、この場にゐたかつた! と、羨ましくて身悶へさせるDVDであつた。
ベスト50
雑誌「bmr」にて、恒例の年間ベスト50が発表された。2005年のブラックミュージックのアルバムからベスト50を選ぶのだ。栄えある第一位はBUN B『Trill』。2位はTHE GAME『The Documentary』で3位はYING YANG TWINS『U.S.A』。以下、Z-RO、DO OR DIE 、SYLEENA JOHNSON、BOBBY VALENTINO、TWEET、…と50位まで続く。
ソウル・ヒップホップ
ここ1週間ほど何故かUKものばかり聴いてゐる。きつかけはミス・ダイナマイトのセカンド『Judgement Days』だ。これはもう少し前に購入したのだが、これがなかなかに良くて。USものにはないダークさとロック的なトンガリ具合が、少々イナタい中で絶妙にブレンドしてゐる。普段はUSのR & B/ヒップホップばかり聴いてゐるので、妙に耳に新鮮なのである。
クリスマスソング
本日はクリスマスイブ。今年は折角(?)買つたフェイス・エヴァンスのクリスマスアルバムをオパールにてかけるべきか否か、と悩んだ。
A Faithful Christmas
最近の嬉しかつたこと。フェイス・エバンスのクリスマスアルバム『A Faithful Christmas』を買つたのだけれど、ちなみに私はクリスマスがどうにも好きになれず、よつて今までクリスマスソングにもほとんど興味を抱かずに生きてきたのだが、ソウルミュージックにおけるクリスマスソングの位置づけを考へるにつけ、ソウルファンとしてそれはどうかなァと数年前から思ふやうになり、思い切つて初めて買つたのがこの『A Faithful Christmas』なのだが、しかも安かつた事もあり日本盤を買つたら、日本盤のみのボーナス特典として、フェイス・エバンスのPVが2本もついてゐた。
SO AMAZING
先日惜しまれつつも54歳といふ若さで亡くなつたルーサー・ヴァンドロス。彼への追悼アルバムがでた。これが出色の出来である。まづ冒頭のメアリー・J・ブライジからして凄い。あの撃殺ダンスナンバー『NEVER TOO MUCH』を、少しミッド寄りのテンポで渋く歌ひあげてゐる。これがまた彼女の声にあつてゐて。斬新で見事なカバーだといきなり打たれてしまつた。
最近のヘビロテ
恒例、ネタのない時の「最近のヘビロテ」、行つてみますか。
まづはYOUNG JEEZYの『Let's Get It:Thug Motivation 101』。これはBOYZ N DAHOODのメンバーYOUNG JEEZYのファーストソロアルバムだが、メチャ格好いい。ゲーム系の嗄れてドスの効いた声で、ドラマチックなトラックにのつて、獰悪なラップをかます。男臭くて、悪さう。かういふのを格好いいと言はずして、何を格好いいといふのか。と、思はず呟いてしまふほど血潮が騒ぐ。これは、SLIM THUGのアルバムと並んで今年のナンバー1かも。と、思つてゐたのだが、事はさう簡単には運ばなかつた。何故か、年末になると強豪たちが続々と出てくるものなのだ。
ラサーン・パターソン ライブ
大阪ブルーノートにてラサーン・パターソンのライブ。ラサーン・パターソンと言へば、5年ほど前に出たセカンドアルバム『ラブ・イン・ステレオ』が恐ろしく素晴らしく、それ以来私の最もアルバムを待望するアーティストの一人となつてゐた人だが、今年にサードアルバム『アフター・アワーズ』が出た。これがまた地味ながらも良く作り込まれたアルバムで、前作のオーラはないけれど、やはり愛聴盤となつてゐた。そこに来日。これは! と、トモコと共にウキウキと大阪まで出掛けていつた、といふ次第である。
FPM10
本日はFPM10である。これはFPM=ファンタステック・プラスチック・マシーンこと田中知之さんのデビュー10周年記念イベントで、メトロ・ラブトライブ・ワールドの3会場を使ひ、何十人にも及ぶ多彩なゲストを招き、30店舗に渡るサテライトショップを展開して、オールナイトで騒ぎまくらう! といふもの。会場間の移動にはシャトルバスまで出るとのこと。うーむ、凄い。
ROB/TREY SONGZ
久しぶりに音楽の事でも書く。最近のヘビロテ盤は、ヒップホップではLIL ROBの『TWELVE EIGHTEEN part1』。チカーノ・ラップだが、前作の『Neighborhood Music』に引き続いてこれまた良い。
ウエルカム!
ウノくん来店。ウノくんは関東在住のノーザン・モダンソウルコレクターだが、なんと! 最近はとうとうヒップホップがきた!(かも?)といふではないか。素晴らしい。ウエルカム! と、いふ訳で、今日は散々ヒップホップについて語り合つたのであつた。
ボディーガード
昨日のDJ QUIKのライブについてもう少し。ステージを観てゐて面白かつたのは、QUIKの隣にピタリと寄り添ふやうに常に厳つい黒人ボディーガードがゐた事だ。頭をツルツルに剃り上げて、腕が丸太のやうに太い黒人が、もの凄い顔で客席を睨んでゐるのだ。QUIKの隣で。QUIKが舞台の上を左右に動き回ると、それに連れて彼も動く。もちろん、客が変なことをしないで大人しく観てゐるやうに威嚇・監視してゐるのだらう。地元ではギャング同士の抗争もある事だし、色々とややこしく、このやうな体制が生まれたのだらうが、日本でそれをやると、やはりなんとなく大袈裟でをかしい。私は何度か笑つてしまつた。あまりに彼の存在が浮いてゐるので。みんなが大いに盛り上がつてゐる中で、ひとりだけ殺気を漲らせてゐる…。
DJ QUIK初来日
クラブJouleにて、DJ QUIKのライブ。例のBIG BOYとDJ E-MANによるMICKEY FICKEYMIXツアーのゲストとして来日するのである。このツアーは、いつもウエッサイの大物をゲストとして連れてくるので要注意だ。で、なんとQUIKは初来日! これは、なんとしても駆けつけなくてはならない…と、いふ訳で、オールナイトにも関はらず、わざわざ大阪まで行つてきたのである。
ネリー来日公演
大阪城ホールにてネリー & セント・ルナティックスの初来日公演。会場に足を一歩踏み入れて、驚いた。少ない! ネリーッて、日本でこんなに人気なかつたの? デスチャの時の3分の2ぐらゐの人数ぢやないか。アリーナ席も、45列までしか椅子が置いてゐなくて、あとはガラーンと空所。私は41列目だつたので、ほぼ最後列。虚しい気持ちになる。が、ま、仕方ない。前座のエイコンを軽く流して、19時45分からいよいよショウの幕開けである。
マーヴィン・ゲイ
先日テラリーと喋つてゐる時に、テラリーがマーヴィン・ゲイを知らない、といふ事が判明したので、慌ててマーヴィンに関するあれこれをザッと教へ、100回は聴くやうにと言つて、『What's going on』を貸した。マーヴィン・ゲイを知らないなんて、それはマズい。常識・教養の欠如した人間と思はれる怖れがある。それに、村上春樹著『海辺のカフカ』に、「ベルリオーズは言っています。もしあなたが『ハムレット』を読まないまま人生を終えてしまうなら、あなたは炭坑の奥で一生を送ったようなものだって」といふ一節があるが、正にこのままではテラリーは炭坑の住人である。せめてカフェの従業員にはなつてほしいと思ひ、マーヴィン・ゲイの事を教へたといふ次第だ。
ラスト・オブ・ソウルサバイバーズ
本日はソウルサバイバーズの最終回である。振り返ればあれは1999年の8月13日。キタアキくんがわざわざ京都までDJをしに来るといふのでクラブイーストまで駆けつけたのだが、それがたまたま「ソウルサバイバーズ」の記念すべき第一回であつたのだ。その時は、クラタニくんもイチモトくんも知らなかつた(ヒラノさんはお顔だけは存じ上げてゐました。ブーツィーズレコード店主なので)。あれから約6年。色々なことがあつた。色々な事が有りすぎて、何があつたのやらサッパリ思ひ出せない。特に、一時期あつたあの熱気と興奮。ここから世界の変革が始まる、ここで飛べ(踊れ)! ババーン!! てな風なあの熱狂は、果たしてあれは本当にあつたのだらうか? と、その存在を疑ふまでに記憶の彼方に去つてゐる。ここ2年ほどは特に、ね。
レゲトン
最近は、やはり、レゲトンである。レゲトンとは、レゲエとヒップホップがプエルトリコで融合してできた音楽である(らしい)。特徴的な2拍子のリズムの上で、主にスペイン語でラップ、あるひは歌ひまくる。ま、ノリノリ大爆発のラテンでレゲエでヒップホップなダンス音楽なのだが、このレゲトン、むろんプエルトリコでは前から大流行してゐたのだけれど、昨年あたりにアメリカ(北米)に飛び火し、もうR & B界、ヒップホップ界はレゲトンだらけ。ヒット曲が出れば、そのレゲトンミックスが必ず出る。そしてフロアではそちらが大フィーバー、といつた感じでえらい事になつてゐる、らしい。これは、今や無視できないほどになつたアメリカでのラティーノ人口の増大とも密接に関係があると言はれてゐるが、とりあへず我々にはそれは関係なく、要するに最新流行の音楽であるといふ理由で飛びつく訳だが、うーん、いいね、やはり。最新の音楽といふのはいい。精神が刷新される。ま、確かに古いソウルの7インチを漁るのも楽しい訳だけれど、個人的には最新の音楽の方に惹かれる。マニアではなく、ミーハーなんだね、私は。根がね。常に新しい風に吹かれてゐたい、といふか。ただ、本当に“新しい”ものなんて、さうさうなくて、世の中はフェイクだらけ。古いものを焼き直して「最新!」と銘打つた贋物ばかりが氾濫してゐる。おかげで、情報社会とは言はれてゐるけれど、あまり振り回されなくて済んでゐる。大体、「新聞」読まないもの、私は。ちつとも「新」しくない贋物なんて「聞」きたくないし。テレビも「最新」とは関係ないゴミ箱だし。て、いふか、洗脳装置だけどね、あれ。…・あれ? 話がずれてしまひましたが、要するに私は今もレゲトンキングであるダディー・ヤンキー『ガソリーナ』を聴きながらこれを書いてゐる、といふ訳です。とにかく今は、レゲトン、レゲトン。
デスチャ解散!
朝から周りでは、マイケル・ジャクソンの無罪判決の報で騒がしい。マイケル自身も自らのホームページで、ベルリンの壁崩壊とこの日の事を永遠に覚えておいてくれ! とかいふコメントを出して大ハシャギだといふ。しかし、私の関心はそんなところにはない。同日に私のところにもたらされた報、「デスティニーズチャイルド解散!」の方により激しく心を奪はれ、ショックで茫然としてゐるのだ。
達磨様
さて我々がマカオでフラフラと遊んでゐる時に、主に私とトモコの頭の中で流れてゐた音楽は何でせうか? 実は、これが何と、達磨様(だるまさん)なのでした! 達磨様とは、もと韻踏合組合のオーヤがソロデビューして、改名した名前なのです。つまり、大阪(奈良)のラッパーですな。彼のソロデビューアルバム『HOW TO RIDE』を、まァ、旅行前に購入して聴いてゐたのですが、これがイイ! これは傑作ではないか、と飛び上がつたくらゐで、もともと私は韻踏合組合に関しては、そのマニエリスティックな韻の踏み方が少々鬱陶しく、それほど好きでもなかつたのですが、達磨様にはやられました。まづ、独りになつてスッキリした、といふのがあります。うるさすぎた韻の踏みも、ここでは素直に感嘆・賞賛・爆笑できるものとなつて、その姿をハッキリ現してゐます。次に、何より音楽的な側面が強まつたこと。韻踏合組合は、韻の踏み方は凄いけれど、音楽的側面が弱かつた、と思ふのですね。いはゆるフロウのことです。韻至上主義的な考へ方から言へば、センテンスの最後のところだけ韻を踏むのはイマイチ、てな事になると思ふのですが、私はそれによつて呪術的なグルーブ感が生み出せれば、それでも良いと考へてゐるんです。要は、問題はフロウだと。韻踏合組合の韻は、複雑すぎてこのグルーブ感に欠けるのでは? と思つてゐたのですが、この達磨様では見事にそれが解消! 複雑・絶妙にして、強力なグルーブ感を醸し出すことに成功してゐます。正にこのアルバムは、達磨様の歌ふがごとく
ネリーが来日するのだが
トモコがインターネットをやつてゐる最中に頓狂な声をあげた。「ネリー来るぢやない! しかも、チケットの発売日は6月4日の朝10時! …て事は、あと2時間後!」我々は、ちやうど寝やうとしてゐた所であつた。しかし! これは必ずチケットをとらねばならない。といふ事は、徹夜か…。それにしても、ネリーほどの大物アーティストの来日公演の報が、なぜ我々のところにまで届かなかつたのか。調べてみると、すでに先行発売は終了してゐる。くそ! 「もしかして…」と、トモコがさらに調べると、出てくるわ、出てくるわ、ヤフーオークションにて、最前列のチケットがザクザクと出てきた。一体これはどういふ事だ! ダフ屋が横行してゐるのか? それとも素人がダフ屋まがひの事をしてゐるのか? それとも関係者が小遣ひ稼ぎのつもりでやつてゐるとか? なんにせよ、不愉快な話だ。ぬけぬけと、8000円のチケットに「希望落札価格2万*千円」とかつけてゐる輩までゐる。恥知らずな。とにかく、こんな連中には関はつてゐられない。懐具合から言つても、関はつてゐられない。我々は、10時からの一般発売のチケットをとる事にした。