ハイフィー
[音楽]
現在、ヒップホップ界では“ハイフィー(HYPHY)”といふのが流行つてゐる。これはベイエリア発のムーブメントで、私は1年程前にキング・オブ・ハイフィーと言はれるリック・ロックが手掛けたFEDERATIONといふグループのその名もズバリ「ハイフィー」といふ曲を聴いて、すでにチェックしてゐた訳だがどうにもよく分からず、今月(5月)号の雑誌「bmr」のハイフィー特集を読んでやつと少し分かつた、やうな錯覚に陥つたのだけれど、要するに南部の“クランク”みたいなもんで、ヒップホッパーたちが自分達のライフスタイルに勝手に名前をつけ、それが自分達の作つた新しい音楽スタイルと結びつくことによつてムーブメントになつた、といふ例のパターンらしい。
では、そのスタイルとはどのやうなものなのかと言ふと、ハイパーでアグレッシブ、バンギンでタイト、且つアバンギャルド、といつたものである。なんて書いても、サッパリ分からないよねェ、実際に音を聴かないと。ま、私は実際に音を聴いても、最初はよく分からなかつた訳だけれど、この度、E-40の『My Ghetto ReportCard』を聴いて、分かつてしまつた!!! いや、かなり誤解してゐるかもしれないけれど、ああ! これがハイフィーか!! と、得心するものがあつたのだ。…ま、要するにムチャクチャカッコヨカッタんですわ、これが。ハイパーでアグレッシブ、バンギンでタイト、且つアバンギャルドなんですわ、これが。ヒップホップの最新形。今一番聴くべき音楽。ハイフィー! ハイフィー! ハイフィー! と、ひとりで盛り上がつてゐるんですわ。はは。にしても、サウスだ、クランクだ、スクリューだ、チョップドだ、と騒いでゐたのが、今度はバック・トゥ・ウエスト! ベイエリア!! ハイフィー!!! ですか。忙しいな、私も。
ちなみに現在、ブッシュ政権下のアメリカはとんでもない事になつてゐるんぢやないかと想像してをりまして、社会の様々なところに歪みができ、そこから噴き出たナニモノかが、例のクランプ(ダンス)やこのハイフィーになつてゐるのでは? と考へてゐる次第です。つまり他人事ではないな、と。
とりあへず、E-40の『My Ghetto Report Card』、聴いて下さいよ。
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